今回は2話分の投稿です。
それでは、今回もよろしくお願い致します。
とある7月の上旬の放課後、俺は戸塚と一緒に帰っており途中、駅で別れ江ノ島が見える海岸を1人で歩いていた。この海岸は夕方になると夕日が江ノ島のちょうど後ろに来ていい景色を生み出す。ちょっとした観光スポットでもある。いつも俺はここを通ることにしている。学校で嫌なことがあっても、この風景を見たら忘れることができるからだ。そんな事を考えつつ、歩いていると観光客だろうか...1人の女の子が俺に話しかけてきた。
「あの...写真を撮ってもらってもいいですか?」
「お、俺ですか?」
「はい。いいでしょうか?」
「...別にいいですよ」
女子に話しかけられるのは珍しいので言葉が詰まりそうではあったが、雪ノ下や由比ヶ浜、あーしさんなどと会話したことも多少あってか小中学時代のようにキョドることが無くて良かった。キョドったりするとドン引きされることもあるからな。
「ありがとうございます。江ノ島と夕日をバックにお願いします」
そう女の子は言って俺にカメラを渡す。俺は女の子からカメラを受け取りカメラのシャッターを切った。そこに映る姿はまるで映画のワンシーンのようだった。不意にも俺はドキッとし、そう思ってしまった。
「ちゃんと撮れました?」
「ええ。確認してもらえれば分かると思いますよ」
俺はそう言って、女の子にカメラを返した。そして、自分の映る写真を確認していた。
「綺麗に撮っていただいてありがとうございます。お礼をしたいのですが...」
「お気になさらず。それじゃあ、俺はこれで」
そう言って、俺は歩き出した。
「あ...行っちゃった。お礼とか話とかしたかったなぁ...また、会えるかな」
取り残された女の子はそう呟いていた。
そして、翌日の放課後。いつものように、俺は奉仕部にいて本を読む。すると、由比ヶ浜が
「そういえば、ゆきのん。もうすぐ、この辺で連続ドラマの撮影をするみたいだよ」
「そうなの?由比ヶ浜さん」
「うん。朝ドラの撮影だって。イケメンの俳優とかも出るみたいだよ!楽しみだなぁ」
「そう。この辺で撮影されるのなら私も録画して観ようかしら?」
「ヒッキーは観る?」
「わからん。小町が観るなら観ると思うぞ。チャンネル権は小町が握ってるしな」
「そうなんだ」
その後も雪ノ下と由比ヶ浜は朝ドラの出演者は誰が出るのかの話をしていた。俺は本を読みつつ、その話を聞いていた。そして、最終下校時刻となったので今日の部活は終わった。今日も依頼者は来なかった。帰りは雪ノ下と由比ヶ浜とは違う道なので一緒には帰らない。いつも、戸塚と材木座のどちらかと帰る。今日は昨日と一緒で戸塚と帰っている。
「八幡。今日、一緒にどこか食べに行かない?」
「いいぞ。どこにする?」
「サイゼリヤでいい?」
「ああ、いいぞ」
やっぱり、戸塚は分かってるな。サイゼはコスパもいいし学生に優しい。俺と戸塚はサイゼリヤに向かうため鎌倉学校前の駅を通った。すると、何やら騒がしかった。
「あの子、可愛くない?」
「それな。戸部、声掛けて来いよ」
「いや、無理っしょ!ここは隼人くんしょ!」
「戸部、何言ってるし!」
「俺はいいよ」
騒がしい主は葉山グループだった。ほんと、こいつらは可愛い子が好きだな。教室でもそういう話をしてるよな。
「葉山くん達がいるね。八幡」
「そうだな。また女の子の話をしてるけどな」
「あの子の事じゃないかな?駅のホームにいる子」
「ん?」
戸塚にそう言われ、俺も駅のホームを見た。すると、昨日写真を撮った女の子だった。
そして、俺と目が合った。
「八幡、どうしたの?」
「ああ...昨日、会った子だなと思ってな」
「そうなんだね。あ、その女の子。こっちに来るよ」
「え?」
さっきまで駅のホームにいた昨日出会った女の子は、俺と戸塚の前にいた。
「良かった。また、会えた...昨日ぶりですね」
「あ、ああ...」
ここから、俺と昨日出会った女の子のひと夏の物語が始まろうとしているのだった...
一方で、葉山グループはというと
「あれ?あの可愛い子、ヒキタニ君と戸塚君のとこにいるべ!」
「だな。可愛い子はヒキタニと何か喋ってるな。羨ましい〜」
「ヒキタニ君...」
「ヒキオ...これは結衣に報告するし」
「ハヤ×ハチが...」
それぞれそう呟いており、八幡達を見ているのだった...
【 Episode 2 】
「昨日ぶりだな」
「昨日ぶりじゃないよ!なんですぐ帰っちゃったの⁉︎」
「どういうこと八幡?」
2人してそんなジト目で見ないでくれ...
「いや...だって、撮ってって頼まれた写真を撮り終わったから、俺はもう用済みかと思って帰っただけだ」
「私はちゃんとお礼をして..お話とかしたかったのに」
「そこまでしなくていいぞ。別に俺は写真を撮ってあげただけだし」
「え...」
「そんなこと言わないで八幡、ちゃんと彼女からのお礼を受け取ってあげたら?」
「はぁ...分かったよ」
「よかったね。えっと...」
「あっ!すいません。自己紹介がまだでしたね。私は紫之宮紗奈といいます。つい最近、ここの近くに引っ越して来たんです」
「そうなんだね。僕の名前は戸塚彩加だよ。よろしくね」
「はい。よろしくお願いします。貴方のお名前は...」
「俺は...比企谷八幡だ」
「...比企谷さんですね。本当に昨日はありがとうございました」
そう言って、紫之宮はお辞儀をしてお礼を言った。俺相手にここまでする奴はいない。
普通なら俺の目とか見て避けられたりとか怖がられたりするし。
「ああ」
「本当ならこの後に、お話をしたりとかしたかったんですけど、私...これから行くところがあるので、すぐにその場所に行かなきゃいけないんです」
「でも、ここの近くに住んでるならまた会えると思うよ。ね?八幡?」
「あ、ああ。まぁそうだな」
会う確率は低いとは思うがな。鎌倉は広いし。
「そうですよね。あっ!もし良かったら私と連絡先を交換しませんか?それならすぐに会えると思うので」
「そうだね。八幡もいいよね?」
「俺は別にいいが、連絡先交換のやり方とか分からんから代わりにやっといてくれないか?」
そう言って、俺は紫之宮にスマホを渡した。
「私が打つんですね...はい、どうぞ。登録終わりました」
「悪いな」
「気にしないでください。それじゃあ、私はこれで失礼しますね」
そう言って、紫之宮は走って目的の場所へと向かっていった。
「八幡。紫之宮さんって、綺麗で礼儀正しい人だったね」
「そうだな」
戸塚の言う通り、紫之宮は綺麗で礼儀正しい奴だ。雪ノ下とはまた違った美少女って感じだな。うん。
その後も俺と戸塚は紫之宮の話をしながら、当初の目的であるサイゼに向かった。
戸塚とサイゼで飯を食った後、俺は戸塚と別れ書店に行きラノベを買ってから家へと戻った。
「ただいま」
「あ、お兄ちゃん、お帰り。今日は遅かったね」
「戸塚とサイゼに行ってたからな」
「そうなんだ。じゃあ、夕飯はいらないの?」
「少しだけ食べるわ。サイゼで軽いもんしか食べてないし」
「了解であります!」
そう言って、小町は台所の方へと向かっていった。俺は手を洗い鞄を部屋に置き、リビングへと向かった。
「「いただきます」」
そして、小町と夕飯をとる。親はいつも遅くに帰ってくるので2人でテレビを観ながら食べることが多い。今日のおかずは肉じゃがだった。美味い、小町の作った料理はやっぱり美味い。
「あ、お兄ちゃん!これ見て!」
「ん?何だ?」
小町にそう言われ、テレビの方を見る。
「新ドラマのキャスト紹介やってるよ」
「ああ。前に言ってたやつか?」
「うんうん。誰になるんだろうな〜」
小町はワクワクしながらテレビの方を観ていた。
『では、今から新ドラマ「恋染紅葉」の主演2人をご紹介させていただきます』
「き、キマシタワー!!」
ちょっと小町ちゃん。言い方が海老名さんみたいになってるぞ。そんなことを思いつつ、俺もドラマの主演2人の紹介をみていた。
すると
『続きまして...もう1人の主人公、緋崎かえで役の...紫之宮紗奈さんです』
『緋崎かえで役を演じることになりました、紫之宮紗奈です』
俺の知ってる名前が出てきた。
マジかよ。あいつ、女優だったのか...
「おお〜!綺麗な人!ね?お兄ちゃん」
「あ、ああ」
『紫之宮さんは今作がテレビドラマ、初だとお聞きしましたが...』
『はい!私は朝ドラに出るのが夢だったので本当に嬉しいです』
『それと、今回はこのドラマのためにここ鎌倉に引っ越されたとか』
『はい。そうなんです』
『鎌倉についてどんな印象を受けられましたか?』
『鎌倉はいい所だと思います。海も綺麗で、それにいい人にも出会えたのでよかったです』
『そうなんですね。それでは最後に意気込みをお願いします』
『はい。まだ私は未熟ですが精一杯、頑張っていきたいと思います』
『紫之宮さん。ありがとうこざいました』
そして、紫之宮のインタビューは終わった。
「いやぁ...お兄ちゃん。このドラマ、楽しみだね!」
「そうだな」
俺はとんでもない人と知り合ってしまったと心の中で思う。
テレビに映る彼女は高校生にして新人女優、俺は最底辺カーストの一生徒。これ以上、彼女と関わってしまっては色々とマズイが起こるかもしれない。スキャンダルとかは御法度だ。今の時代、週刊○春とかがスクープ等で芸能人の不倫とか暴くとか色々ある。
「俺はどうすればいいんだろうな...」
俺はそう呟き、今後どうしていけばいいかをずっと考えていたのだった...
...続く
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
ヒロインは誰がいいですか?
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紫之宮紗奈
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七里由比
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春日小鳥
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雪ノ下雪乃
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由比ヶ浜結衣