原作を改変してお送りします。
安定のご都合主義です。
それでは、今回もよろしくお願い致します。
まず、俺達は台本通りで並木道を歩くことになったのだが...
台本ではかえでと花岡さんが並木道を一緒に歩くと書いてあった。そこまではいいのだが、手を繋いでとあった。俺は生まれてからこの16年、小町以外の女子とは手を繋いだことがない。何が言いたいのかというと、異性と手を繋ぐのは凄く恥ずかしいということである。
ふと、中学のキャンプファイヤーの時を思い出す。
【別に手を繋がなくてもいいよね】
明らかな拒絶。結構、アレはキツかった。数日は落ち込んだ覚えがある。またこのようなことがあるのではと思ってしまう。紫之宮に限ってそんなことはないと思っていても、中学での経験を思い出さずにはいられなかった。こんな調子で大丈夫か、俺....
「どうしたの?比企谷くん」
「あ、ああ...なんでもない」
「そう?」
「気にしなくて大丈夫だ」
「じゃあ、はい」
「ん?」
「手を繋ぐんだよ?台本にも書いてあったでしょ」
「そう...だったな」
俺は紫之宮に手を差し出す。
ギュッ
と柔らかい感触が俺の手に広がる。
小町とはまた違った感触だった。緊張する...心臓の鼓動が手に伝わって紫之宮の方にいっていないといいけどな。それに手汗とか半端ない....
一方で、紫之宮の方はというと...
(初めて男の子と手を繋ぐなぁ...男の子の手ってこんな感触なんだ。すごくドキドキする。比企谷くんにこのドキドキが伝わっているのかな?そうだとしたら少し恥ずかしいな...)
比企谷八幡と同様、緊張しているのだった。
無理もない。2人とも初の体験なのだから...
「じゃあ、歩こっか?比企谷くん」
「そうだな」
俺と紫之宮は台本通りに並木道の通りを歩く。
「人が多いね」
「まぁ...ここは結構有名なとこだし、休日ってこともあるからな」
「そうなんだ。あっ!あそこにお店とか神社とか沢山ある」
「気になるなら見ていくか?」
「いいの?」
「俺は別に構わんが」
「ありがとう」
並木道沿いにある出店で軽いものを食べたり、神社で参拝したりと極力台本に沿っていろんな所を巡っていく。少しは紫之宮の助けになっているのだろうか。なっているのなら、俺としては嬉しいことではある。
時間は過ぎ、昼になっていた。俺達がいるところは人通りも少なくなっていた。昼飯を食べるため、どこかの店にでも入っているからなのだろう。
「どうだ?役作りに活かせそうか?」
「うん、いい感じだよ。ありがとう」
「それなら良かったわ。それで昼はどうする?ここら辺の店は結構、混んでると思うが」
「それは大丈夫だよ」
「それはどういう...」
そう言って紫之宮は前にあるベンチへと向かっていく。俺はその後を追い、ベンチに腰掛ける。
「お弁当を作ってきたの。ほら」
紫之宮は弁当箱を開ける。そこにはおにぎりと卵焼き、ウインナーなどたくさんの具材が入っていた。
「なんか本格的だな。これって手作りか?」
「うん!料理には自信あるの」
「だろうな」
盛り付け方、色合い等を見れば料理のレベルは分かる。
「...ありがとう。それじゃあ、いくよ」
「いくよって何が?」
「はい、あ〜ん」
「もう一つ、箸はないのか?」
「一つしか持ってきてないの。だから、あ〜ん」
「マジかよ」
他の視線とかが気になるからあんまりやりたくはないんだが...
「比企谷くん、早く!」
「わかった、わかった」
俺は紫之宮の勢いに押され、卵焼きを一口で食べる。
「ど、どうかな?」
「美味いぞ」
程よい甘さの卵焼きだった。料理に自信があるというのは本当のようだ。別にそのことを疑っていたわけではないが。
「よ、よかった」(朝早く起きて作ったかいがあったかな)
「それじゃあ、次は比企谷くんの番ね」
「ん?」
「あ〜ん」
「俺もするの?」
「うん。お願いします」
あ〜んをするのは凄く恥ずかしいが、これも紫之宮の女優人生に関わることなので断ることは出来ない。俺は紫之宮の夢の手伝いをすると決めたのだから。
「ほれ」
「んっ....」
紫之宮はパクっと唐揚げを食べる。その食べる仕草に思わず見惚れてしまった。凄く色っぽい...
「ありがとね、比企谷くん。私のわがままに付き合ってもらっちゃって」
「気にすんな。役作りのためだろ?」
「うん」
「だったら遠慮はしなくていい。思う存分、俺を練習台として使ってくれ」
「本当にありがとう、比企谷くん」
この後も紫之宮が作った弁当を2人で食べた。その際、やはり周囲からの視線が凄かった。「若いっていいわね」っていう主婦がいたり、リア充爆発しろと言いたげな男子高校生がいたり、コートをなびかせている眼鏡のぽっちゃりさんが驚いた顔をしてこっちを見ていたりしていた。
弁当を食べた後は近くを散策した。そして、今は電車に乗って鎌倉高校前へと向かっていた。ちなみに紫之宮はどこに向かっているかは知らない。何故かというと...近くを散策した後に遡る。
「この後はどこに行くかは決めてるか?」
「ううん。ひと通り台本の場所は行けたから、特には決めてないかな」
「そうか。なら少し行きたい場所があるんだがいいか?」
「いいけど、どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみって事で」
「そっか、じゃあ楽しみにしてるからね、比企谷くん」
---ー
---
--
ー
ということがあったのだ。
【次は鎌倉高校前、鎌倉高校前....】
そして何分か電車に揺られた後、目的地である鎌倉高校前駅に着いた。
「降りるか」
「うん」
そして、俺と紫之宮は電車を降り改札口へと向かった。
のだが....俺は先に改札口を通ったのだが、紫之宮はカードをジッと見たまま改札口の前で立ち止まっていた。
「ん?どうかしたか?」
「大丈夫、今行くから」
そう言って紫之宮が改札口を通ると
ブーっと音が鳴り、改札口がガタンと閉まる。
「ひゃう!!」
「大丈夫か?」
久しぶりに見たわ...この光景。
「ど、どうしよう...」
「とりあえず、駅員さんを呼ぶから待っててくれ」
「う、うん...」
俺は駅員を呼び、対応してもらった。改札口がガタンと閉まった理由はICカードの残高不足だった。
「これで大丈夫ですよ」
「ありがとうございました」
「ありがとうございます」
「気にしなくて大丈夫ですよ。それではデートを楽しんでくださいね」
「あ、ありがとうございます!」
そして俺と紫之宮は再び歩き出した。
数分後、俺の行きたかった場所についた。
「比企谷くんが行きたい場所ってここなの?」
「ああ...」
「ここって...」
「俺と紫之宮と初めて会った場所だ」
来た場所というのは江ノ島が見える海岸線で初めて紫之宮と会った場所だ。何故、この場所にしたかというと葉山から送られたメールにあった。思い出の場所や観光スポットに行くといいとのアドバイスを受けたので、俺はこの場所をチョイスした。SNS映えもする場所でもあるので間違ったチョイスではないはずだ。
「懐かしいね」
「...そうだな」
「ここで比企谷くんに会えてなかったら、今こうして出掛ける事もなかったのかな?」
「そうだろうな」
「本当に比企谷くんに出会えて良かった...」
「そうか...俺も紫之宮に会えて良かったかもしれない。会う前と後で俺の生活がガラッと変わったからな。いい方向に」
「そうなんだ...」
「また手伝うことがあったらメールしてくれ」
「うん、そうするね...あっ!」
「どうかしたのか?」
「まだ1か所、行くとこがあったの」
「どこだ?」
「ハ葉神社ってところなんだけど」
「ここから近いから行くか」
「ありがとう」
「気にすんな」
そして俺達はハ葉神社へと向かった。その道中、夕方でもあったので人が多く混んでいた。そのせいか、俺は女の人とぶつかってしまった。
「ぶつかって、すいません」
「こちらこそ、ぶつかってすいませんでした...」
俺は女の人の方を見てぶつかったことに対して謝罪する。その相手をどこかで見たような感じがしたが、すぐには思い出すことが出来なかった。
「比企谷くん、大丈夫?」
「ああ...俺はこれで失礼します」
俺は離れてしまった紫之宮の方へ向かうため再び歩き出す。
一方で比企谷八幡とぶつかった女の人はというと...
「...ハチくん?」
後ろを振り返り、さっきぶつかった少年、比企谷八幡の方を見ており後を追ったのだった。
ハ葉神社に向かう道中...俺は紫之宮の話を聞いていた。
「そういえば、さっきはごめんね、比企谷くん」
「電車の件ことか?」
「うん」
「別に気にしないていい」
「私ね、電車に乗り始めたの最近なんだ」
「こっちに引っ越してからってことか」
「うん。私は電車通学の前は車で送り迎えしてもらってたから」
「お嬢様ってことか」
「うん。小さい頃から女優を目指してて、それと並行して花嫁修行もしてたから普通に遊びに行くこともあまりなかったの」
「大変だな」
「だから最近、思うんだよね。私は知らないことが多いなって。共学に通う子の話を聞いたり普通の女子高生役を演じていると尚更ね」
「そうか」
「だから今日のお出かけ...ううん、デートがすごく新鮮なんだよね。だから本当にありがとう!比企谷くん」
紫之宮はすごいいい笑顔で俺に言う。すごくその笑顔が輝いて見えていた。
「紫之宮が喜んでくれてるなら手伝った甲斐がある...っと、もうハ葉神社の中だな」
「あ、本当だ」
そんな会話をしていたら、いつのまにかハ葉神社にいた。
「紫之宮はここで何かしたかったのか?」
「うん。このハ葉神社はね...小説の恋染紅葉でのデートの場面でかえでが先輩のく、唇を奪うシーンがあるの」
「マジか」
そんなシーンあったっけ?まぁ、紫之宮が言うならあるのだろう。
「うん。私は初めてなの、キスするのは」
「そうか」
「比企谷くんはかっこいいからキスぐらいしたことあるよね?」
「そんなことはない。俺は常に1人だったからな」
「そっか。お互い初めてなんだ...」
そして紫之宮は俺の元へと近づいてくる。
「本当にするのか?」
「かえでの役をやる上で必要だと思うから...比企谷くんは私とするの...嫌?」
「それは...」
嫌とかではないが、やはりキスというのは本当に好きな人とする為にあるものだ。役作りのためという理由でするのは違うと俺は思う。だから俺は...
「すまん、紫之宮。それは出来ない」
「えっ...」
「そういうのは役作りとかじゃなくて本当に好きな人の為に大事にとっておいた方がいい。ファーストキスなら尚更な」
別にヘタレとかじゃないからね?こういうのは大事にするべきなのだ。
「...そうだよね」(比企谷くんはやっぱり優しい...私のことを第一に考えてくれてる)
「ああ...」
そう言って俺と紫之宮は距離を取る。その際、隣で俺達の様子を見ていた女の子がいた。
「」ジッ...
「うおっ」
「!?」
というか、この女の人...さっきぶつかった人だよな?
「えっ!?ナナちゃん?」
「こんにちは、サナちゃん」
なんだ、紫之宮の知り合いか。
「それと、久しぶりだね。ハチくん」
「はっ!?」
「えっ!!比企谷くん、ナナちゃんと知り合いなの?」
「いや、全然覚えてない」
昔、誰かにハチくん呼びされたのは思い出したが名前が出てこなかった。俺は目の前にいるハチくん呼びする可愛い女の子の名前を必死に思い出すのだった。
...続く
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
ついにもう1人の原作ヒロインが登場しました。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
ヒロインは誰がいいですか?
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紫之宮紗奈
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七里由比
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春日小鳥
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雪ノ下雪乃
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由比ヶ浜結衣