今回も安定のご都合主義です。
それでは、今回もよろしくお願い致します。
結局、思い出すことは出来なかった。小・中なんてロクな学校生活を送ってないから全然、覚えてないわ。むしろ黒歴史の方が多かったから思い出したくないのかもしれないな。
「ハチくん、思い出せた?」
「すまんダメだ。思い出せない...紫之宮は知ってるみたいだけどドラマの共演者かなんかか?」
「うん。私が出演する恋染紅葉には2人の主人公がいるんだけど」
「そうだったな。確か...いろはだっけか?」
「そうそう。それで...」
「サナちゃん、後は自分で紹介する」
連ドラに出るもう1人の少女はそう言って一歩、後ずさり...
「ある時は連ドラの主演女優、またある時には普通の女子高生...そして、さらに新進気鋭のグラビアアイドルでもあるナナちゃんです。よろしくね、ハチくん」
「お、おう...」
特徴のあるポーズを決めて自己紹介をしていた。それよりもこの少女はエロいな...どことは言わんが。由比ヶ浜といい勝負ではなかろうか。雪ノ下は.....圧倒的に敗北している。これを本人に言ったらブチギレられるから言わないが。
「ナナちゃん!こんな所でそういうポーズしちゃダメでしょ!!」
「大丈夫、人はいないし時と場合と見せる相手はちゃんと選んでる」
「そういう問題じゃないよ!」
「サナちゃんだって、こんな所でキスしようとしてた...だから私と一緒...」
「なっ!!」
(一緒かどうかは知らんが、やっぱり見られていたか...どう対応するかだな...)
「2人は......付き合ってるの?」
「え!?あ、その...」
別にアタフタしなくても...そこは普通に違うと言えばいいものを...
それより俺の方をチラチラと見ないでくれますかね、紫之宮さん。
「なぁ、紫之宮。どうすんだ?」ボソッ
「どうしよう、比企谷くん。うまく誤魔化してくれない?」ボソッ
「誤魔化すって.....」
誤魔化した所でいずれはバレてしまう。なら素直にいうしかないよな...
「どうなの?」
「ナナさんだっけ?俺と紫之宮の関係なんだが...」
「うん...」
俺は紫之宮との関係、初めて会ってから今までの出来事等を包み隠さず話した。(その内容はEpisode1〜6参照)
「そうなんだ.....役作りのためにハチくんとサナちゃんは今日、デートしてたんだ」(羨ましい...)
「うん」
「そんな感じだな」
「じゃあ...私も、お願いしようかな」
「はっ!?」
「えっ!!」
さすがに2人となると、荷が重い。俺に2人の役作りのために動くという器用さは持ち合わせていない。
「ダメ?」
「......」(比企谷くんはなんて答えるんだろう)
「すまんが、考えさせてくれないか?」
一旦、時間を置くことを俺は選択した。すぐには決められない案件でもあるしな。
「今度、返事聞くから待ってるね」
「あ、ああ...」
そう言ってナナさんは神社を後にした。今度と言ったが俺は連絡先とか知らないから今度はないのではないか?あってもなくても答えは決まっているから別にいいんだが....
そして、神社には俺と紫之宮の2人となった。
「この後はどうする?」
「どうしよっか?」
「紫之宮はまだ時間大丈夫か?」
「あと2時間ぐらいなら大丈夫かな」
「分かった。それじゃあ、行くか」
「うん」(どこに行くんだろう?楽しみだなぁ...)
葉山からもらったリストを元に、少し高めのレストランと女子が好むというお店、さらにタピオカドリンク店に行った。
紫之宮はタピオカドリンクを飲むのは初めてみたいでまじまじとタピオカドリンクをジッと見ていた。その仕草につい頬が緩んでしまった。こういうのもたまにはいいかもな...戸塚とも今度、行くかな...
楽しい時間はあっという間に過ぎて、別れの時間となった。
「今日はありがとね、比企谷くん。すごく勉強になったと思う」
「それなら良かった。俺としては役に立ててるかは分からんが」
「そこは大丈夫だよ、比企谷くん」
「それならいいんだが.....」
「また何かあったらその時はよろしくね」
「そういう約束だったからな。俺なんかでよければいつでも駆けつける」
「うん!ありがとう。またね、比企谷くん」
「....またな」
そして、俺は紫之宮が改札に入るのを見送る。
しかし、またもや改札でエラーが表示され紫之宮はアタフタしていた。
「やれやれ...」
俺は再度、駅員に頼んで紫之宮の通る改札のエラーを直してもらうのだった。
その一方で時系列は神社からの帰り道に遡り、ナナさんこと七里由比はというと.....1人で帰路についている所だった。
(ハチくん、メガネを掛けている所以外は昔と変わらなかった。でも、私の事は覚えてなかった。それは少し残念だった。小学生の時のことだからしょうがないと思うけど、出来れば思い出して欲しかった。私の唯一の友達で初恋の男の子だから...)
「でも、月曜からハチくんと同じ学校に通うと思うからそこで、あの時の事を思い出せてあげるから...だから待っててね、ハチくん」
七里由比という少女はそう呟き、月曜からハチくんこと比企谷八幡の通っている恋ヶ浜高校に行くのを凄く楽しみにしながら帰路につくのだった.....
そして2日後の月曜日....
俺はいつも通りに学校へと登校する。
「あっ!八幡おはよう!!」
「おう!戸塚、今日も可愛いな」
「もう、僕は男の子だよ?」
「知ってるよ」
「ヒッキー!やっはろ!」
「はい、はい、やっはろー由比ヶ浜」
「彩ちゃんとの対応と違くない!?」
由比ヶ浜は俺の対応に不満なのかプンスカ怒っていた。戸塚と由比ヶ浜だから対応が違うのは当たり前だろう。
「比企谷、おはよう。土曜日のデートはどうだった?うまくいったかい?」
「なんとかな。葉山のアドバイスのメモが役立ったわ。サンキューな」
「それなら良かったよ」
そう言って、葉山は自分の席へと向かった。
「おい、皆。席につけ。HRを始める」
担任である平塚先生が教室に入ると同時に皆、席につく。
「今日は転校生を紹介する。入ってきたまえ」
「はい」
平塚先生のこの一言で男子がざわめく。女子は冷ややかな目で男子を見ていた。特に葉山グループの風見鶏の大岡と大和と戸部がうるさかった。
「七里由比です。どうぞよろしく」
「うおおおっっ!!!」
入ってきたのは土曜日に会った少女、ナナさんだった。本名は七里由比というのか...それよりも自己紹介の仕方がエロすぎる。グラビアでやるポーズだった。アレが強調されてヤバイ。超ヤバイ。
「やめたまえ」パシッ
さすがの平塚先生も注意を促した。生徒指導の先生だから当たり前だが。
「痛い...」スリスリ
「君の席は比企谷の隣だ。早く座りたまえ」
「はい」
そう言って、ナナさんこと七里は俺の左隣の席へと座る。
「また会ったね、ハチくん」
「...どうも」
(比企谷のやつ、転校生の美少女と話してて羨ましい!!!)
周囲からの視線、半端ないな。特に由比ヶ浜。前を向け、前を。
「お前らHRをやりたいから前を向け、転校生とそんなに話したいなら終わってからにしたまえ。指導を受けたいというのなら今、喋ってもらっても構わんが」
平塚先生のこの一言で周囲からの視線はほぼ無くなり、前へと視線は移り、HRは開始された。
そして、これからの生活も大変になることを比企谷八幡はまだ知らない。
...続く
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
ヒロインは誰がいいですか?
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紫之宮紗奈
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七里由比
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春日小鳥
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雪ノ下雪乃
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由比ヶ浜結衣