節目ノ回である10話目です。
それでは、今回もよろしくお願い致します。
俺は周りを見ながら、不審者がいないか警戒する。
「どうしたんだい?比企谷」
「いや、不審な人とかマーキングしている人がいないか確認してただけだ」
「側から見てると比企谷が不審者に見えるよ」
「マジで?」
「うん。マジで。そこまで気にすることもないよ」
「ああ.....」
(やっぱり私の勘は正しかったわね....あの紗奈にボーイフレンドが......しかも相手と思われる2人はかなりのイケメンなんて......どっちが紗奈、ナナちゃんの相手なのかしら?どっちにしても羨ましいわ!!)
しかし、八幡の心配は的中し、ある1人の女性が尾行していた。
ー 横浜市のショッピングモール・水着売場 ー
「水着?」
「うん。新しく新調しようかなって.....」
「いいんじゃないかい?なぁ、比企谷?」
「そうだな。七里も買うのか?」
「うん、買う...」
「ピンクとかが似合うんじゃないか?知らんけど」
「うん....参考にする!」
そして、紫之宮と七里は試着室に入り水着に着替えている。
「落ち着かないみたいだね。比企谷」
「こんなとこ、滅多に入らないしな.....それに色んな視線も感じるし」
「それは....ね」(比企谷を狙ってる人が大多数だからね....まぁ、本人はそんなわけないだろって言うと思うけど)
「なんだよ?」
「何でもないよ。それより楽しみだね。彼女達の水着姿」
「そうだな......」
「ハチくん......どう?」
七里はピンクのビキニ姿で試着室を出た。
色々と隠しきれておらず何かエロい。由比ヶ浜を凌ぐモノをお持ちのようだ。周りの男性陣も釘付けになっており、カップル客の中に揉める人もいくらかいたぐらいに注目されていた。
「似合ってるんじゃ.....ないか?なぁ、葉山」
「そうだね。よく似合ってると思うよ」(これは凄いな.....比企谷も隅に置けないな。羨ましいな)
そして、尾行している女性もいくつか写真なり動画を撮っていた。
「あれ?紫之宮は?」
「あの.....比企谷くん」
「何でカーテンに隠れてるんだ?サイズが合わなかったのか?」
「比企谷くん....あのね....私、ビキニを着るの初めてで......」
(比企谷、紫之宮さん....可愛いね)
(アレはやばいな......)
「サナちゃん!早く!」
七里が急かすが、紫之宮は恥ずかしいのかカーテンから離れようとしない。
いくら待っても出てこないため、七里が強引にカーテンを開けた。
「あっ!」
「「おおっ...」」
思わず俺と葉山はそんな声を漏らす。
思っていたよりも似合っていて破壊力が抜群だった。
「可愛い......」
「っ!!!」
余程、恥ずかしかったのかカーテンに隠れてしまう。
俺は紫之宮から視線を外す。
カシャ
その際、カメラのシャッター音を俺は聞き逃さなかった。
「ん?どうしたんだい?比企谷」
「写真か動画撮ってるやつがいた。スキャンダルになるかもしれん。追ってくる」
「それはやばいな。僕も追うよ」
俺と葉山は写真か動画を撮った奴を探す。そして、ある女性に声を掛ける。
「すいません。ちょっといいですか?」
俺は女性に声を掛けるが.....
「くっ.....」
女性の近くにいた大柄な男性が一目散に走って逃げ出した。
「2人もいたのかよ」
「比企谷、追ってくれ。この女性は見ておくから」
「助かる」
葉山に託して、男性の後を俺は追った。
大柄な人だからすぐに捕まえることが出来ると思っていたんだが、中々に逃げ足が早く、捕まえることが出来ない。
「比企谷!」
「さっきの女性はいいのか?」
「あの女性は紫之宮さんのマネージャーさんみたいだ」
「マジで?」
「ああ。あの人も追ってくれてる。挟み撃ちにしたいからうまく誘導させたい」
「了解」
しばらく追いかけた後....行き止まりへと誘導出来、問い詰める。
「すいません。さっき撮った写真を見せてくれませんか?」
「何の事ですか?」
「確認したいだけなんです。いいですよね?」
「何もないなら見せてくれてもいいんじゃないですか?もしかして盗撮してたんですか?」
「そんなことは....」
「じゃあ、見せてください」
葉山の怖い笑顔に男は顔を強ばらせ、渋々とカメラを渡す。
「やっぱり撮ってましたね。申し訳ないですけど消しますよ。許可なく撮ってる写真なので」
「それは......」
「いいですよね?」
葉山の笑ってない爽やかスマイル、初めて見たわ....怖い....
「はい」
そして、大柄の男は落ち込みながらこの場を後にした。
「やっぱり撮っていたのね.....」
「貴方は紫之宮さんのマネージャーさんでよかったですよね?」
「ええ。私はマネージャーの星と言います。紗奈と交えてお話しがあります。いいですね?」
「了解です」
その後、マネージャーさんは紫之宮さんと連絡を取り合流した。
「詳しく説明してもらおうかしら?紗〜奈!!」
「それは.....」
「なるほど、状況は理解しました。彼のおかげで最近、調子が良かったのね」
「比企谷くんだったかしら?」
「はい」
「今までありがとう。貴方のおかげで今のところ撮影は順調に進んでいます。ですが......」
「分かってます。俺と紫之宮の関係を解消してほしいんですよね?」
「えっ!!」
「そうよ。今のような事態がまた起きるとも限らない....」
「はい」
「それにうちの事務所は18歳まで男女交際は禁止!!私もこの掟に悩まされたけれどこれはルール!絶対に守りなさい!」
(うーん。この人は平塚先生と同じ匂いがしなくもない。一生、独身でいそう....)
「誤解されていますが、俺と紫之宮は付き合ってはいません」
「そうですよ!!」
「貴方達はそう思っていても世論はそうは思わない。2人でいるだけで恋人扱いされるわ。それは許されないのよ!」
「マネージャーさんのことは理解出来ます。紫之宮さんは新人で今から伸びる逸材。ここで問題が上がればイメージダウンは免れない」
「ええ。比企谷くんは分かってくれているようね」
「はい。自分もいずれはこのような事案が起こるだろうとは予想していました。なので自分はマネージャーさんの指示に従います」
「紗奈もいいわね?練習相手なら私が新たに探しておくから」
「.........嫌です」
「「は?」」
俺とマネージャーさんの言葉が重なる。
「比企谷くん以外の人は嫌です」
その後も紫之宮さんはマネージャーさんに説得を試みていた。
「比企谷、随分と好かれているんだな」
「そうか?」
「彼女の必死な姿を見ていたらね。君が羨ましいよ」
葉山は羨ましそうな顔をしながら紫之宮さんとマネージャーさんの話す所を見ていた。
「分かったわ。比企谷くん」
「はい」
「紗奈の必死なお願いによって最大限の譲歩をするわ」
「はぁ......」
「今後はこのような事態にならないためにも比企谷くんと紗奈の2人で会うのはもちろんのこと、今日みたいに少人数での行動も控えること!もっと大人数で行動すること。そうしてくれるのなら会うのは許可するわ。それを守れなかった場合は2人の関係を解消させます。いいわね」
「はい!」
「分かりました」
条件付きでのルールが決定された。
ここで紫之宮と七里、マネージャーと別れて俺と葉山は歩き出す。
「関係解消に至らなくて良かったな。比企谷」
「ああ....」
「今後はより一層、気をつけないとね。マネージャーさんとの取り決めもあるからね」
「まぁ、でも大丈夫だろ。もう少人数で会う必要もないだろうしな」
「練習する際はどうするんだい?2人きり」
「そこなんだよなぁ......」
「奉仕部の雪ノ下さんや結衣に協力を仰いだらいいんじゃないか?」
「それは避けたい。協力を仰ぐなら状況を知ってる戸塚、あんまり頼りたくはないが材木座とお前ぐらいだな。奉仕部は最終手段だ」
「結衣がうっかり漏らす可能性があるからかい?」
「それもある」
「何かあったら連絡をくれ。また協力するよ」
「何かすまんな。色々と」
「これぐらいいいよ。君にはいくらか借りがあるからね。それを俺が個人的にその借りを返したいんだよ」
「恩に着る」
「またな。比企谷」
「おう」
葉山と別れ、家へ帰った。
あの一件以来、会うことはなくメール等の連絡のみに抑えた。
それと並行してドラマ撮影も順調に恋ヶ浜高校で行われた。
そして、神奈川に夏が訪れる。
終業式の前日の夜。
Prrrrrrrrrr.............
俺のスマホに通知が入る。紫之宮からの電話だった。
「もしもし」
「比企谷くん?」
「おう。どうかしたのか?」
「その.....前に一緒に買い物出かけたじゃない?」
「ああ」
「私とナナちゃん、また一緒の休みが取れたから前に買った水着を着て今月末の土曜日に海に行こうって話になったの。だからまた遊びに行けないかなって.....」
「俺は構わないがあのルールがあるからな。他に来れる人がいるか聞いてそれ次第になるけどいいか?」
「うん。なんかごめんね」
「これぐらい構わん。それと.....」
「何かな?」
「撮影頑張れよ」
「うんっ!ありがとう!明日も早いからまたね」
「またな」
「また電話してもいいかな?」
「おう」
「おやすみなさい。比企谷くん」
「おやすみ」
通話は終わり。スマホをベッドに置き、眠りについた。
翌日。
俺は戸塚に声を掛ける。
「戸塚、ちょっといいか?」
「どうしたの?八幡」
「今月末の土曜日、空いてるか?」
「空いてるけどどうかしたの?紫之宮さんの件?」
「ああ....」
戸塚に前の買い物の件で決めたルールを詳しく話した。
「なるほどね....うん!分かった!僕も協力するね」
「助かる」
「後は誰を誘うの?」
「候補しては材木座と葉山、後は雪ノ下とか由比ヶ浜とかだな」
「それなら大丈夫そうだね。頑張ってね!八幡」
「おう」
その後、葉山にも事情を話して協力を仰いだ。葉山グループの戸部が新たに参加することとなった。
最後は奉仕部に相談か.....
放課後、俺は部室へ入る。今回は依頼する側なのでノックをした。
「どうぞ」
「失礼するわ」
「比企谷くん......」
「ヒッキー?どうしたの?ノックなんかして」
「ちょっと用があってな」
俺はいつも座る場所ではなく、依頼者が座る場所に座る。
「あっ.....」
「どうかしたの?いつもと違くない?」
「これでいいんだ」
「どういうことかしら?」
「1つ依頼がしたい」
「えっ.....」
「珍しいね。ヒッキーが依頼なんて」
「お前ら、紫之宮紗奈と七里由比は知ってよな?」
「ええ....今、ドラマ撮影している女優さんよね」
「もちろん知ってるけど、どうかしたの?」
「話が長くなるんだが、いいか?」
「ええ.....貴方の初依頼だもの。何時間でも聞いてあげるわ」
「うん!何かこういうの新鮮な感じだしね!」
「助かる....」
そして、俺は一から説明する。紫之宮の初対面のこととか練習相手として連絡を取り合っていること、七里と俺が小学生からの知り合いだったこと。そして、横浜での件でのマネージャーさんと決めたルールのこと。このことを詳しく知っているのは他に葉山、戸塚ということ。そして、今月末に海に行くこと。
「本当は早く言うべきだったんだろうが....事情が事情でな。今回の依頼としては彼女らの友達、知り合いとして今月末に海で一緒に遊んでほしい」
「そう。状況は理解したわ。本当なら早い段階で教えてほしかったけれど、事情があったのなら仕方がないわね。比企谷くんの依頼、受けましょう。由比ヶ浜さんもいいかしら?」
「もちろんいいよ!」
由比ヶ浜は紫之宮紗奈に会えることに非常に楽しみにしていた。
「1つお願いとしてはこの件は他の奴らには伏せてくれ。大事にはしたくないからな」
「分かっているわ。だから貴方はいつも部室で恋染紅葉の小説を真剣に読んでいたのね」
「まぁな」
「奉仕部部長として、比企谷くんには是非とも紫之宮さんの力になってあげて」
「そのつもりだ」
「それでは今月末の土曜日、海へ遊びに行くにあたって色々と準備をしましょう」
「うん!水着を買いに行こう!」
「そうね。私も買いたいし」
「雪ノ下は水着持ってないのか?」
「あるにはあるけれど1年前に買ったものだから新調しないと」
買い替える必要はないと思う、雪ノ下は.....由比ヶ浜は分かるが......
まだ、雪ノ下にもチャンスというかこれからに期待って感じだな。
「何か変なことを考えてないかしら?比企谷くん」
「そんなことはありませんよ」
「なんか、ヒッキー敬語!?」
「まぁ、いいわ。それでは今から行きましょう」
「楽しみだなぁ.....」
この後も雪ノ下と由比ヶ浜は楽しく話していた。
「じゃあ、俺は帰るわ。2人で楽しんでくれ」
「何を言っているの?貴方も一緒に行くのよ」
「俺、要らんだろ?」
「依頼者の貴方がいないのは変でしょう?」
「分かったよ」
何故か俺も参加することになった。まぁ、いいか.....ショッピングモール内の書店で時間を潰せばな。
そして、部室を出て鍵を返した後....学校を出る。
「貴方の意見も参考にさせてもらうわね、比企谷くん」
えぇ....マジかよ。
俺は頭を抱えつつ、雪ノ下と由比ヶ浜の後を歩くのだった。
.....続く
ここまで読んでくれた方々、ありがとうございます。
次回は奉仕部を交えての海回となります。
当然ですが、奉仕部の面々と紫之宮紗奈とは初対面となります。
それでは、次回もよろしくお願い致します。
ヒロインは誰がいいですか?
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紫之宮紗奈
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七里由比
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春日小鳥
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雪ノ下雪乃
-
由比ヶ浜結衣