ハーレムのお話   作:とーろ

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一つの話でたくさん書いているひとはすごいと改めて思いました。


ロマンのお話

『ハーレム』

 一つ屋根の下で一人の男性が数人の女性に囲まれて過ごす様な状況、または一人の男性に数人の女性に好意を持つこと。

確か辞典ではこんな意味で書かれていた様な気がする。

本当の『ハーレム』という言葉は別に意味を持っていてそんな色が見える言葉じゃなかった覚えがあるが

こいつの言う『ハーレム』という言葉は前の二つの意味で間違いないだろう。

 

「いいかぐっさん? ハーレムって言うのはさ、何ていうかこう、男たちのロマンな訳だよ、わかるか?」

「いや、わかるけどさ。」

 

 道弘が"あの"五人組全員と付き合ってる事を暴露した後、

流石に喫茶店内で暴れては迷惑がかかると思い直した僕は、取りあえずまだ門限である6時30分まで時間があるようなので席に座りなおし道弘の話を詳しく聞くことにした。

 当然道弘を殴るのをやめたとはいえ怒りはまだ頭の中で渦巻いている。

 

「ロマンは自分の心の中だけに留めておけよ。 ただ単純にそれを現実に持っていくのはどうなのって話だろ?」

「わかってないなぐっさん。 心の中にある思いってやつを現実にするってのがロマンそのものな訳だろ? 心の中にある思いをそのまま留めるなんてそんなの妄想なだけじゃないか」

「別にさ、ただロマンを追及するだけなら僕は止めねぇよ、誰にも迷惑をかけないわけだしさ。 その思いってやつに他の奴を巻き込むから僕は切れてんだよ」

 

 まあ、顔立ちが整っていて学校のアイドルの様な、それこそ高嶺の花って言葉そのものである

"あの"五人組を一人で取ってしまってる事も僕が怒ってる要因の一つであるのだがそんな事は口にださない。

多分出したらこいつに馬鹿にされてり、散々ネタにされてしまうだろう。

 というかこいつ、どうやってあの五人を落としたのだろういや道弘を前世から知ってる僕としては十分にあり得ることなのだが……

問題は手段だろう、一人一人告白して付き合い始めたのだろうか。

それはそれですごいというか馬鹿というか男としては評価できるのだろう、もちろん人間としては底辺であるのだが。

 一応僕達("あの"五人組を含めてだ)は小学校からの付き合いだ。

僕らの通っている小学校は付属校なのでそのままエスカレーター式に上がっていくのだから付き合いが長いのは普通と言えるだろう。

しかし僕と道弘、そして"あの"五人組たちはとある秘密……それこそ非日常での出来事というやつなのだろう。

そういう物を共有しているといえばいいのか、まぁ少し”あの”五人組とは繋がりがあるのだ。

 そう考えると確かに有利だよな僕や道弘は、他の友人があまり声をかけれないのに関わらず僕ら二人は話題になるような話があるわけだし。

 他の友人が声を掛けづらいと言ったが別に"あの"五人組に問題がある訳ではない。

むしろ本人達は何の問題もなく優秀であり規律ある生徒だ。

なので本人達は話かけられても構わないだろうが周りの雰囲気がそうさせてるのか不思議と声を掛けづらいのだ。

 それぐらい"あの"五人組は魅力と呼べる物があるのだ。

他人を引き付けるが、自らに手を出させるのを躊躇させる所謂カリスマというやつだろう。

勿論五人組というだけあって、彼女達はお互いに仲がいい、親友と呼べる関係だろう。

 

「つーか道弘、"あの"五人組全員と付き合うなんて、最悪あいつらの仲を壊す可能性もあるだろう。」

 

 問題はこれだ、別に一人一人が好意を持ってる状況なら別に構わないだろう。

それだけならまだ別の誰かが道弘と付き合い出したとしても、道弘はすでに付き合ってるのでまだ諦める事ができるはずだ。

だが、ハーレムというやつは別だ。

もう既に全員が付き合い始めてる状況ならそれ以上が存在しないのだ、結婚とかいう制度があるがまだ僕らには早いわけだし。

もうそれ以上が存在しないならどうなるか、簡単だ自らの"道弘の彼女としての階級"を上げようとする。

所謂、貴族でいう第一夫人、第二夫人ならぬ第一彼女、第二彼女というやつが出来る。

そんなことが起きたらいざこざが絶えないだろう。

こいつはそうなった場合どうするつもりだったのだろうか?

 

「いや大丈夫だろ別に」

 

 軽すぎるだろこいつ。

 

「大丈夫だろってお前さ……」

「いや違うぞ? 俺だって考えてるさちゃんとな」

「本当かよ……」

「本当だって! ぐっさんここは俺を信じてくれ!!」

 

 道弘はこっちを見据えるとそう言い切った。

 

「まあ……分かったよ信用する、ネタとか笑い話とかになるだろ、みたいな感じで五股してたら本当に洒落にならないからな?」

「いやそれはないから安心しろよ」

「ふーん、ちなみに何で言い切れるんだ?」

 

 ここまで言い切れるんだろうから、何か理由があるはずだが。

 

「それは俺は真剣にハーレムを作ろうとしてるからだ!」

「いや、尚更性質が悪いだろそれ」

 

 ハーレムを全力で作ろうとしてる奴なんて害悪でしかないだろう。

 

「ん? 違う何て言うかな、俺は……そう、全員に一途なんだよ!」

「お前一途って言葉辞書で調べてこい」

 

 何言ってんだこいつは。

一途っていうのは一人の女性に対してひたむきな気持ちでいることだろう。

決してハーレムという状況で使う言葉ではないはずだ。

 

「わかってるって一途の意味が違ってるってのはさ、ただ全員に均等の全力の愛を……というか」

「あーうん、わかったわかった取りあえず明日学校にいって五人に均等の全力の謝罪をしようね」

「わかってねーじゃねぇかよ!!!」

 

 うるさいなこいつ周りのお客さんに迷惑がかかるだろうが

周りのお客さんは道弘の叫びに反応したのだろうこちらをチラチラとみている。

 

「わかったぐっさん、そんなに言うなら俺がちゃんと全力でなのは達五人を愛してることを証明してやる」

「へぇ……」

 

 思わず声が出てしまった。

いいじゃないか聞かせてもらおうじゃないかその証明とやらを。

ただし、馬鹿にした内容ならもう容赦はしない強制的に謝罪させる。

 

「取りあえずそうだな、こうしようぐっさんが見たデートの日ってこの間の土曜日のことだよな?」

「ああ、そうだな」

 

 それがどうかしたのだろうか?

土曜日の事が証明とやらに関係してるのだろうか。

 

「俺がその日に起きたデートをちゃんとできてるってことを話してやる!」

「いやいいです。 遠慮しておきます」

「何でだよ!!」

 

 どう考えてものろけ話にしかならないだろうが!!!

そう机をたたきながら伝えると、

 

「いや、まぁそうだけどさなんていうかやっぱ愛ってのはデート中にでるものだしな? それにちゃんとデートができてることが分かれば証明にだってなるだろ?」

 

 何、中学生が愛を語ってるんだよ。

そりゃあ前世加えたら僕らはいい年をしているのだろうが僕はまだ自分達が子供だと思っているのだ。

 まあ確かに全力でデート……というか彼女達にフォローができるのならば僕も言うことは……ないのだろうか?

 取りあえず僕はこいつが思ってるだろうことを言ってみることにしてみる

 

「道弘お前ただ単にデートの内容俺に言いたいだけだろ」

「ち、ちげーよ!」

 

 分かり易すぎるこいつ。

 つーかのろけ話をいうつもりで言ったのか本当に死滅してくれ。

 

「まぁ取りあえず聞けってさ、多分俺の事見直すからさ」

 

 見直すも何ももう見限る寸前までいってるんですが。

 そう思ったがもう静止の声を飛ばしたとしても話すのをやめないだろう。

そのように悟ってしまった僕は静かに道弘の休日デートとやらを聞くことにした。

 

「取りあえず最初のデートの内容だけど……」

「待ってくれ」

「何だよ今更話すのはやめねーぞ?」

「話すの長くなるよな?」

「まあそりゃ土曜日に起きた内容ほとんど話すわけだしな……」

「それなら飲み物もう一回頼もう、お前もコーヒー飲み干しちゃったろ?」

「ん、まあそうだな頼むか」

 

 そう言った道弘は近くを通る店員を呼び止めようと周りをキョロキョロと見渡した。

さて、一体どんな話が飛び出してくるんだろう……

 僕はこれから始まるだろうのろけ話に気を重くした。




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