欲望の代償   作:NAKYU

12 / 21
12話 清霜 提督へ

朝 提督の私室

 

清霜が目を覚ますと いつもの部屋で寝ていた部屋とは違う光景だった

 

一旦あたりを見渡して 数秒考えた後 理解することにできた

 

「ここ……司令官の私室なんだっけ」

 

「そっか……私、本当に司令官になれたんだね」

 

(それにしても、夢の中に出てくる人って一体なんだろう……?)

 

 

「提督、起きていますか?」

 

「あ、うん!起きてるよ!ちょっと待ってて!」

 

古鷹の声を聞き せっせと身支度を済ませて 扉を開けた

 

「おはよう!古鷹さん!」

 

「おはようございます」

 

「おはよーしれー」

 

扉を開けると 古鷹と時津風が出迎えた

 

「あ、時津風ちゃんもいるんだね」

 

「いるんだねって……いつも来てるんだけどな―」

 

(そっか、時津風ちゃんはいつも司令官の部屋に来るんだっけ)

 

「提督、朝礼の際、編成のご連絡をお願いしますね」

 

「編成……?してたっけ?」

 

腕組をしながら思い出そうとしても 全く記憶に残っていなかった それと同時に古鷹がふぅ と息を吐き

 

「もう……今日も南方海域の出撃ですからお願いしますね」

 

「先に食堂に行ってるね―」

 

清霜は食堂へ向かう二人の姿を見送り 部屋で身支度した

 

「編成かぁ……そんなことしてたっけ?」

 

「……確か、机の引き出しの中に……あった!」

 

(……あれ?何で私の名前があるんだろ……)

 

「あ!そんなことより早く朝ごはん食べて朝礼に間に合うようにしないと!」

 

 

執務室

 

朝食を終えた清霜は駆け足で執務室に向かい 古鷹と合流した

 

「お待たせ!古鷹さん!」

 

「お疲れさまです」

 

「よし!じゃあ話し合おうよ!」

 

「あの……座らなくて良いんですか?」

 

「座らなかったら時津風が座っちゃうよー」

 

「……あっ!そっか!私司令官なんだっけ。えへへ」

 

「何言ってるんですか、ずっと前からそうでしたよ」

 

照れながら清霜は 提督の席へと座った

 

古鷹と時津風と談笑していく中 次々と主要メンバーの艦娘が入室してきた

 

ある程度の人数が始まったところで作戦会議が始まった

 

出撃メンバーと出撃海域の確認 および提督清霜の出撃について話し合った

 

提督自ら出撃するということを聞き 一部驚く艦娘もいたが すぐに了承した

 

数時間後...執務室

 

「つっかれたー……こんなに長引くなんて……」

 

「お疲れさまです提督。お茶どうぞ」

 

「うん、ありがと!」

 

「昨日は"私も出撃する!"って言い出しましたけど急にどうされたのですか?」

 

「え?昨日の私……そんなこと言ったっけ?」

 

(じゃあ昨日から司令官になったってこと?その前の戦艦になったときや航空戦艦になったときも……)

 

「どうしたんですか?考え事なんかして」

 

「ううん!何でもない!さ、出撃に向けてしっかりと準備しないとね!」

 

「終わったら時津風とも遊んでよね―」

 

その後準備を整え メンバーと合流した清霜は南方海域へと再び出撃した

 

南方海域

 

「よし!ちょっと休憩しよっか」

 

南方海域へと出撃した艦隊は順調に進んでいた

 

旗艦の清霜提督に戦艦と空母で構成されており 多くの深海棲艦を撃破してきた

 

「提督、頑張るのはいいがあまり無理はするな」

 

「あなたがやられちゃったら鎮守府も大変なことになるからね」

 

「長門さん!陸奥さん!大丈夫だよ!」

 

「にしてもこの編成……かなり重量じゃないの?」

 

「そうね、その分攻撃力も高いけど……」

 

空母の雲龍と葛城が心配する中 リシュリューは清霜が出撃することに疑問を持った

 

「amiral、貴方が出撃したいって急に言いだしたけどどうして?」

 

「そ、それはあれだよ!やっぱり提督自身が自ら出撃して確かめるみたいな!そそ!そんなかんじ!」

 

「ふーん……ま、amiralが決めたことだからいいけど……」

 

「提督よ、そろそろ向かおう。先には強敵が潜んでいるかもしれないから慎重にな」

 

「じゃあみんな!深層部に向けて出撃しよっか」

 

数時間後...

 

鎮守府 執務室

 

「――以上が 内容の報告だ」

 

「ありがとうございます。提督は入渠でしょうか?」

 

「ああ、傷は深くはないが万全の体制でいたいと言って即座に向かった」

 

「じゃあ執務は古鷹がやるってことかぁー」

 

執務室のソファーで古鷹と長門が話してる横で 提督が座っている椅子に座っている時津風はクルクルと回りながら遊んでいた

 

「仕方ないですよ。提督が艦娘ですし、戦艦でもありますから」

 

「しかし、頼りにもなるな。まさか戦場で提督と戦えるとは……」

 

「ふふっ。ご報告ありがとうございます」

 

入渠

 

「はー……。つっかれた……。久しぶりに出撃した感覚だよ……」

 

(けど、昨日出撃したいって言って、今日に反映されてるってことは司令官になったのは昨日より前ってことなのかな?)

 

(それだと私が戦艦や航空戦艦になったのも夢から覚めた昨日だったよね……)

 

 

「おい!清霜!風呂の中で考え事してるとのぼせちまうぞ!」

 

突然の大声に気づき 振り返ると 服装は改二使用の朝霜の姿があった

 

「あれ?朝霜ちゃん、いつ改二になったの?」

 

「何言ってんだよ、昨日に改装したばっかだろ」

 

(昨日……私、まったく知らない……それじゃあどうして出撃メンバーに私の名前があるのかも……)

 

「……それじゃあね、昨日何があったのか教えてくれないかな?」

 

「??  まぁ、いいけどさ……」

 

 

数分後...

 

「謎の装備が南方海域の深層部に?」

 

「あぁ、何でも出撃した旗艦の長門さんが見つけたんだと。今は工廠で明石さんに見てもらってるってさ」

 

「でかかったなぁ……大和さんの主砲並みだったなぁ」

 

その言葉を聞いて清霜は朝霜に飛びかかった

 

「ね、ねぇ!!今なんて言ったの?!」

 

「え?大和さんの主砲並って……それがどうしたんだよ?」

 

「まだあるよね!!?」

 

「あ、あるんじゃねぇか……?」

 

「早く聞いてみないと!高速修復材を使わせてもらうね!!」

 

「あっ!おい!待てって清霜!」

 

 

鎮守府 工廠

 

「よいしょっと……これですね」

 

明石が運んできたのは錆びている大きな主砲だった

 

朝霜の言ったとおり 大和型並の主砲の大きさだった

 

「これって、南方海域で見つけたんだよね?!」

 

「は、はい……。何でも長門さんが深層部で見つけたとのことで……」

 

迫る清霜の迫力に押された明石は答えた

 

(私が戦艦になる前……その前に武蔵さんになにかあったはずなんだ!)

 

「ちょっと長門さんのところに行ってくる!!」

 

「え!えっと……じっくり見ないんですか?!」

 

「どうしたんだ?清霜の奴……」

 

 

中庭

 

「確かに……深層部であの主砲を見つけたのだ」

 

「海に浮かんでたの?」

 

ベンチに座っていた長門を見つけ その隣で清霜は質問攻めをしていた

 

「いや、とある島の陸地にあってな。発艦された偵察機が発見したんだ」

 

「他には?」

 

「主砲だけだったな……島もたくさんあったことだし、他にもあるのではないだろうか」

 

「それじゃあ……他の島にも何か艤装があるってことだね」

 

「恐らくな。しかし、あそこの海域は凶暴な深海棲艦も多くあまり長居するのは危険すぎる」

 

「来ても精々探索をできるかどうかという問題だが……」

 

探索は難しい そう考えたが今しかない!と思った清霜は決めた

 

「またその海域に行ってみたい……いいよね?」

 

「提督がそういうのなら……だが、危険となればすぐに引き返そう」

 

「わかった!また編成が決めておくね!長門さん、一緒になったらよろしくね!」

 

清霜は長門と分かれた後 執務室にて古鷹と相談しながら編成を決めていった

 

この話は長くなり、気がつけば辺りは夜になっていた

 

「なんとか……決まったね……」

 

「そうですね……もう遅いですし、お休みになりましょうか」

 

「うん!お休み!古鷹さん!」

 

「はい、お休みなさい」

 

数分後...

 

「この編成なら……あの海域でも大丈夫って言ってたけど……心配だなぁ」

 

 

「古鷹さん、いいかな?」

 

執務室に入ってきたのは駆逐艦の時雨だった

 

前に起きた件から また出撃するようになった清霜について少し心配をしていた

 

 

「……じゃあまた出撃するってことだね」

 

「そうですね、私も心配していますが、長門さんがいるので大丈夫だと思いますが……」

 

「今まで出撃した報告を聞いたけど、何か大きな主砲があったらしいんだね」

 

「はい、大きな主砲でした。ただ錆びついていて誰の物かは・・」

 

「こっちでは大和型並っていう噂も流れてるし……清霜が特に興味を持っているんだ」

 

「また一人で出ていかなければいいけど……」

 

「大丈夫ですよ、提督も自分の身はしっかりと分かっていますし」

 

「だから時雨さんが心配する必要はないんですよ」

 

「そうかな……ごめん、急に相談して。じゃあ僕は寝るね」

 

「はい、お休みなさい」

 

話を終えた二人はそれぞれ自室に戻り就寝した

 

不安と心配が募る中 出撃の朝を迎えた

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。