鎮守府 中庭
連絡! 次の出撃海域は"南方海域"へ!各々準備をするように!
中庭の掲示板にデカデカと青葉通信が張り出されていた
記事を見て気合を入れる艦娘 不安がる艦娘たちがいた
「よっしゃ腕がなるぜ!……っていうか何で急に南方海域へ出撃するってなったンだ?」
「何でも 清霜が直訴したらしいよ?」
様々な憶測が飛び交う中 清霜が関係したと言う考察が多くあった
数日前に清霜が提督に直訴したとこから始まったのであった
――数日前 執務室
「南方海域?」
「うん、そこへ行ってみたいんだ」
「そういえば……まだ作戦が完遂していない海域がありましたね」
古鷹が資料を提督に渡し 提督は難しい顔をしながら読んだ
「あそこは結構厄介なんだよね」
提督の言う通り その海域は幾度苦戦を強いられている場所だった
作戦が発令するたびに 提督が頭を悩ませる海域でもあった
「うーん……どうするかなぁ」
「司令官!お願い!私も頑張るから!」
「頑張るって言われても……」
「ところで清霜さん、そこの海域に行きたい理由は何でしょうか?」
「あ、えっと……」
古鷹に質問された清霜は慌てふためいた
(武蔵さんに会えるかもしれないって言ったら司令官も却下しそうだし……)
「ほ、ほら!私航空戦艦になったし、一度は腕試しにでもって!」
「……たしかにそうだね。ちょっと今日の夜にでも考えてみるよ」
「ほ、ほんと!?やったぁ!約束だよ!」
――現在 中庭
(やった!南方海域に出撃できる!出撃までに鍛えておかなきゃ!)
清霜は一目散にこの場から去り 自室へと向かった
「今のって清霜だよな?」
「うん。よほど気合入ってるように見えたけど……」
鎮守府 執務室
「青葉が作ってくれた記事でみなさん準備を進めています」
「あんなに派手に作らなくてもいいのに……」
「すみません……後で青葉に言っておきます。それで、編成の連絡はいつにしましょうか?」
「今日の夕方にでも連絡するよ」
駆逐艦寮 夕雲型の部屋
「いーち、にー……」
部屋では清霜が筋トレを行っていた
戻ってきた途端 すぐに腕立て伏せ、腹筋、背筋やスクワット
姉妹には何も言わず黙々とやり続けていた
「清霜さん、どうかしたのですか?」
「何でも希望してた南方海域に出撃したいっていうお願いが司令に伝わったんだって」
「オッス!清霜!がんばってんな!」
「朝霜ちゃん!うん!私がみんなを護らないとね!」
(それと……武蔵さんが消えた手がかりもなにかわかるはず……!)
「言うようになったじゃね―か清霜!アタイも付き合うぜ!」
「うっせぇぞ!お前ら筋トレするならトレーニングルームか外でやれ!」
鎮守府 運動場
「よーし!!次はグラウンド10週だよ!」
「おうよ!アタイを舐めんなよ!」
運動場では清霜と朝霜がランニングをしていた
それを遠目に長門と榛名は昔を思い出しながら語り合っていた
「清霜もたくましくなったな」
「はい、最初の頃とは見違えるようになりました」
「この鎮守府にも、また新しい戦力が増えたな」
目を細めて語り合う長門に対し 榛名はふと疑問に思ったことを長門に言った
「……そういえば、清霜さんのことについてですが」
「どうした?」
「時折、武蔵さん、武蔵さんと呟いてる様子が見られたんです」
「"武蔵"さん?それはどういうことだ?」
「榛名にも分かりませんが……深刻な顔をしていたのは見ました」
「ふむ……だが、出撃に関しては特に問題はないと報告があるのだから今は様子見をしておこう」
「ただ、無茶をするようなことをしたら守るようにしよう」
「はい、わかりました」
「それと、夕方ぐらいに提督から編成の報告があるみたいです」
「そうか」
トレーニングをしている二人を見届け、この場から去った
夕方 鎮守府 執務室
「南方海域に出撃するメンバーだけど……清霜は必ず入れることになった」
「編成によっては清霜の保護役も考えてあるから頭の片隅に入れておいてね」
「司令官!私は一人でも大丈夫だよ!」
「まぁまぁ、南方海域では誰かに見てもらったほうが良いと思ってね」
「それじゃあまず出撃する海域だけど……」
提督が海域ごとに編成に入っている艦娘の名前を読み上げた
もちろんどの海域にも清霜の名前が入っている
編成メンバーの発表が終わるとその場で解散となり 艦娘たちは部屋へと戻り始めた
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「ここって……あの丘だよね……?」
清霜があたりを見渡すと武蔵がいつも座っていた丘に立っていた
そしてそこにはいなくなったはずの武蔵が海を眺めながら座っていた
「あ!む、武蔵さん!」
武蔵を見つけた清霜は駆け足で武蔵のところまで行き 隣りに座った
「あのね!清霜ね!航空戦艦になってまた強くなったんだよ!」
「ほぉ、そうか。私もいつか抜かれてしまうのだろうな」
「そんなことないよ!武蔵さんが一番強いんだって!」
「ははっ、私が一番強いか」
久しぶりに武蔵と再会し 航空戦艦になってからのどんなことがあったのかを話した
他愛のない話し 興味深い話 そして出来事などをたくさん話した
「そうか……伊勢と日向も居なくなったのか」
「もしかして、私が航空戦艦になりたいって言ったからなのかな……」
落ち込む清霜を見て 武蔵は手を頭の上にポンと叩いた
「そんなことないさ、お前は戦艦になりたいからなったのだろう?」
「まずは戦艦として役目を果たすのがお前の使命だ」
「……そうだね!後ね!南方海域に出撃することになったんだ!武蔵さんと出撃した場所に!」
「そうか、お前と出撃したことは覚えているぞ」
「……おっと、そろそろ時間だ、私は戻らなければな」
「戻るって……南方海域に?」
「さぁな、伊勢と日向もお前と会うことを楽しみにしているぞ」
「あ!待って!」
武蔵が歩き出すと同時に 清霜は後を追いかけたが 丘から落ちていき海に落ちた瞬間に目が覚めた
「……また夢か」
時刻は夜中の3時を指しており 静かな
(今日が南方海域に出撃する最初の日……何か見つかるかも知れない)
清霜は改めて横になり 出撃に向けて睡眠を取ることにした