やはり俺のシンフォギアはまちがっている。(仮)   作:島田ミカ

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【飛ばしても問題ありません】

シャンシャンシャン!!シャンシャンシャン!シャシャンシャシャンシャンシャン!!foo!!なーんだかんだと〜♪もうすぐ次話投稿。いやいやい!ま〜だ早い〜♪ま〜だ早い〜♪と思ったら〜♪もーすぐ投稿する〜♪…いや、全然早くねえよ。
〜〜ティロティロティロティロ〜〜♪
こんにちは!!島田ミカです!!
このお話は戦姫絶唱シンフォギアとやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。のクロスオーバーを皆さんの応援を力に変えてお届けするssです。
はい、今回もね、やってきました!!
皆さん連休も開けて、お仕事や学校に通われてる方も多いと思います。連休中はいかがお過ごしぃ?お過ごしぃ?
最近はねー、暖冬とはいえ、ちょくちょく寒い日が続きますので、お身体には十分気をつけてお過ごしいただければなと思うわけですが。
作者はー、ソシャゲしてたら終わってたね、連休。
しかもそれにもかかわらずやってる某有名ソシャゲf●oイベント回りきれなかったっていうね。(聞いていない)
え?早く進めろって?(言っていない)はいはい。
はい、では今回は本編の2年前の話をやりたいと思います。
また前回ね、まあ、書いてるときは昨日なんですけれども、お届けした設定と小話編ですが、今後の話に直接繋がっていくので、是非そちらをまだ読んでないよーという方がいらっしゃいましたら、そちらからお読み下さい!!
それでは始めて行きましょう!!戦姫絶唱シンフォギア ×やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。すたーと!!


やはり俺のシンフォギアはまちがっている(仮)。0.1

ー2年前ー

 

満開の桜が窓から入ってくる。

カーテンが春風に揺れ、どうやら近くの桜の木からこぼれ落ちた花びらが風を伝って入ってきたのだろう。

ひらりと翻った先から春の暖かな陽気が辺りを包み、春であることを認識させる。

新春、とでも言うのだろうか。

窓から見えるその光景には、パリパリの新しいスーツに身を包んだサラリーマンや真新しい制服を着て登校している学生が出社やら登校やらしていた。

「…それでね?…って、聞いてるの?お兄ちゃん?」

時刻は午前11時、白いだけで特に何もない病室の一室で、妹の比企谷小町は手を腰に当てながら、さも怒ってますよアピールをしていた。…あざとい。

俺はベットから起き上がると、読んでいた少女漫画の次の巻を枕元から引っ張り出す。

「…聞いてるよ、で?なんだって?」

「やっぱり聞いてないじゃん!!だからー、今日これからあの''ツヴァイウィング''のライブに行くんだー!!って話」

小町はえへん、と胸を張るとニコニコしながらそんなことを口にした。

「ツヴァイウイング?」

なにそれ?魔法少女的な?それともガンダムの方?お前を殺すの?

俺が聞きなれない単語に反応すると、小町は信じられないものを見た、と言わんばかりに驚愕する。

「…え、お兄ちゃん、ツヴァイウイング知らないの!?今までどうやって生きてきたの!?学校でも定番の話題じゃ…あっ」

おい…あっ、てなんだよあっ、て。

何やら納得しきった小町はウンウンと頷きながら優しい口調で続ける。

「大丈夫だよ!お兄ちゃん!!例えお兄ちゃんが学校で仲間外れにされてたって小町はお兄ちゃんの味方だよ!!…あ、今の小町的にポイント高い」

「…う、うぜぇ」

何故か妹に慰められてしまった。

ったく、軽々しくこういうこと言う奴が妹だから、俺は女子というものがイマイチ信じられんのだ。俺がうざったいと態度で示すと、小町はむーと不満げに唸る。

その相手をしないようにしていると、諦めて話を続けた。

「いい?お兄ちゃん。ツヴァイウイングってのはね、あの風鳴翼と天羽奏のツインボーカルユニットでチケットが出れば即完売の超超超人気アイドルのことだよ!!チケットも基本的にプレミアついちゃって滅多には当たらないんだけど今回なーんと!!小町、当てちゃったんだー!!」

小町は鼻歌混じりにじゃじゃーんと鞄の中から3枚のチケットをとりだした。

その風鳴さんやら天羽さんとか言うアイドルのことはよく知らんが、何やら小町が凄く楽しみにしていることだけは伝わってくる。

「…ほーん、ライブねぇ…」

「およ?お兄ちゃんも興味湧いてきた?」

「いや、全然?」

これっぽっちも興味は湧かない。というか、俺ああいう人混みとか本当嫌いなんだよな…

たまに出掛けた時とか、人混みが多いだけで帰りたくなっちゃうし。

「またまた〜でも、今度また小町が当てた時には連れてってあげるよ。お兄ちゃんのおごりで」

「はいはい…そりゃどーも」

「えー…反応薄いなぁ…小町本気なのに…」

よよよと泣き崩れる真似をする小町。実にあざとい。

女の涙ほど信用のならないものはない。特にこの小町は下の子特有の要領の良さを備えていて兄を利用するスキルにつあては折り紙つきだ。たちが悪い。おかげで俺の中での女性=小町のように男を利用するもの、という刷り込みがされてしまっている。

「俺が女性不信になったらお前のせいだぞ。結婚できなかったら老後とかどうするんだよ」

「そのときは小町がどうにかしてあげるよ?」

にっこり微笑む小町。ずっと子供だとばかり思っていた妹が見せたその表情はどこか大人びていて、俺の鼓動が一瞬跳ね上がったのを身体の内側から感じた。

「頑張ってお金貯めて介護施設とか入れてあげる」

大人びてるというか、ただの大人の意見だった。

「…やっぱりお前、俺の妹だよなぁ…」

思わずため息が漏れ出てしまった。

そんな俺の心情など知られるはずもなく、当たり前のように小町は違う話題に持っていく。

「そいやさー」

「あ?1世風●セピアか?古すぎんだろオイ」

「そういえばさ、だよ、お兄ちゃん。聞き取り悪いなぁ」

「お前の滑舌が悪いんだよ…」

「そういえば、あれから未来さん。うちにお礼に来たよ」

「ああ…そう」

こいつの未来さんというのは、ひょっとしなくても彼女のことだろう。

''小日向未来'' 彼女は俺が今こうして入院生活を送るきっかけになってしまった少女の名前である、

あれは3週間くらい前、俺は交通事故に遭った。朝方、家にMAXコーヒーの在庫を切らしてしまっており、ちょっとコンビニまで買いに行こうかなぁ…と思ってしまったのが運の尽きだ。

七時頃だろうか。家の近くの坂道、普段は近所のおばちゃんやおじさんのランニングコースと化しているその道で、同い年か1つ下くらいの女の子がランニングをしていた。

そこへ、運悪く金持ってそうな黒塗りの高級車がスピードを出して突っ込んで来た。気がついたときには全力で走り出していた。

その結果、救急車で搬送され、そのまま入院。現在にいたる。

事故の結果、おろし立ての服はボロボロ。黄金の左足は亀裂骨折。

もし俺がサッカーをやっていたや日本サッカー界の将来に暗い影を落としていたところである。ほんとサッカーとかやってなくてよかった。

怪我の具合がさほどでも無かったのが救いだ。

救いがなかったのはお見舞いに来たのが彼女を除けば家族だけという部分である。

家族だけが3日にいっぺんやってくる。いや、毎日来てくれよ。

その後、両親と妹で遊びに行くのが習慣になってるそうだ。こないだは寿司食ったとか焼肉食ったとかいちいち報告してきたときはお前を焼肉にしてやろうかと思った。

ただ、それとは逆に助けた少女である小日向未来の方は毎日来ると言ってくれているが、それは丁重にお断りしている。

そもそも俺が勝手にしたことが原因で怪我をしているのに、彼女にそこまで気負われるのは大変心苦しい。

大体、俺が小日向個人を特定して恩を売ったわけでもないのに、何で小日向が個人を特定して恩を返す必要があるのか。

と、似たような内容をいつも彼女に伝えはしているのだが、生真面目な性格なのか2日に一遍くらいの頻度で顔を出しに来る。

そういや、彼女もツヴァなんとかとかいうアイドルのライブを観に行くとか言ってたような…?小町の反応を見るによほど人気なのだろう。

普段申し訳なさそうな表情をしていた小日向であったが、その話の時は多少表情が和らいでいるように感じた。

まあ、その時の俺はそのアイドルに全く関心が無かったし(なんなら今もない)、生返事しかしなかったけどさ。

「でもさ、意外と早く治って良かったよね。骨折じゃ済まなかったかもしれないんだよ?このギプスが良かったんだね。きっと。やっぱ打ち身には石膏がよく効くよねー」

「ばっかお前そりゃ軟膏だっつーの。しかも打ち身じゃなくて骨折だし」

「またお兄ちゃんがよくわからないこと言う」

「だからっ!それはお前だお前っ!」

言っても小町が聞くはずもなく、小町は座っていたパイプ椅子から立ち上がる。

「あ、もう時間じゃん。小町、行くね」

そう言うや否や、小町は病室の出口の方へ向かっていく。

「あのガキ…」

遠ざかる背中を睨みつけていると、病室を出る直前、小町は振り返ってびしっと敬礼してくる。

「行ってくるであります!お兄ちゃんも今度一緒にライブ行こうねー!」

そう言ってウィンクされてしまうと、あんな妹でもちょっとは可愛げを感じる。俺が手でさっさと行けと合図すると、小町はそれを確認してから扉を閉めた。

俺はやれやれとばかりに軽くため息をつくと、読みかけの少女漫画をぺらりと開く。

その時にふと、少女漫画が置かれていた台に目を落とすと、そこには3枚のライブチケットがあった。

「…あのアホ」

すぐさま、松葉杖を片手に病室を出ようとすると、向こうから小町が涙目で走ってくるのが見えた。…おい、病院内で走るんじゃねえよ。

 

小町が去ってから数時間が経過した。

あれからと言うもの勿論俺の病室に訪れるなんて奇異な存在はいるはずもなく、やっと訪れた静かな病室で俺は一人惰眠を貪っていた。

そんな時である。ざわざわと外が騒がしい。

…おい、ここ病院だぞ…

むくり、と起き上がり何事かと辺りを見渡すと、同室の患者は一人もいなかった。

病室の外にでる。

どうやら、がやがやと騒がしい原因は共同スペースから聴こえてくる。

なにやら面白いTVでもやっているのだろうか?

ちなみにこの病院には据え置きのTVは無く、患者個人の持ち込んだ私物か、そうでないなら共同スペースに1つ置かれたTVがあるだけだ。

俺は松葉杖をつきながら共同スペースまで向かう。

そこには多くの患者や看護師がたむろしており、何やらTVに夢中になっていた。

…あん?なんだってんだ?全く、東京2020でもあるまいし…どうでもいいけど東京オリンピックをなんで2020って言うんだろうな、カッコいいと思っているのだろうか??むしろダサくない??

そんなどうでもいいことを考えていると、LIVEと書かれた画面の中でレポーターが緊急です!!と言わんばかりに口を動かしていた。

『大変です!!ノイズが!!ノイズが〇〇会場に大量に出現しました。ツヴァイウイングのライブ中にノイズが…うわああ!!』

そこで中継は途絶え、しばらくお待ち下さいの文字。

頭が真っ白になる。

ツヴァイウイング??確かその名前は…

共同スペースが騒めき立つ。

『〇〇会場ってここからそう遠くないだろう…』

『ノイズだなんておそろしいわぁ…』

『ライブ中の会場なんてねぇ…』

数歩後ずさり、場所と行き方だけ確認する。

思考を止めるのは後でいい、とにかく今は小町達が無事か確かめねえと。

大きく息を1つ吐いてから、全力で松葉杖をつき始めた。

国道に出ると、タクシー乗り場に一台の空きがあった。

全く、ツイているのかいないのかわからねえが、ありがたいので利用しよう。

タクシーに乗り込むと行き先だけ伝えて、小町に電話をかける。…入院にそなえて小遣いを大目にもらっといて助かったぜ。

小町…無事でいろよ…。

何度目かのコールの後、ガチャリと通話に出る音がした。

「もしもし!小町か!?お前、そっち無事なのか!?」

「お、お兄ちゃん…。小町…小町…」

小町の声が震えている。

だが、生きてる。

「よし、無事なんだな、今からすぐ行くから安全なとこに避難してろ、合流場所は…」

ツーツーツーと、通話が切れる。

くそっ…電波の状況が悪い。ますます最悪だ。

だがしかし小町が生きてるならまだ希望はある。とにかく急いでライブの会場に向かわないと。

通話の切れたスマホをポケットにしまうと、俺は松葉杖を握る手に力を込める。

間に合ってくれよ。小町。

俺が会場に着いた時には、日が沈みかかっていた。

辺りには人、人、人のオンパレードで埋め尽くされている。

そこは正真正銘の地獄であった。

悲鳴と混乱が群れを成し、阿鼻叫喚が支配するその場所は、生き地獄というのに相応しい場所である。

俺は小町を探す為にスマホを片手に、会場周辺を叫びながら探す。

しかし、どれだけ探しても小町らしい人影は見当たらず、そもそもちゃんと会場の外に逃げられたかもあやしい。

流石にこの混乱じゃあなぁ…。

なんとかして中に入らないかと規制の敷かれた会場付近を散策する。

いや、ほんとは窓ガラスでも叩き割るつもりだったのだが、会場一体に警備が張り巡らされ、そうそう迂闊なことは出来なさそうだった。

裏口に回る。

というのもここが裏口かどうかわからんが、何故かスタッフonlyと書かれたこの扉だけは特に警備がされていなかった。

おそらく、ここの入り口からアーティストやらが出入りするのだろう。

裏口から侵入し、ズドンズドンと鳴り響く廊下を進む。

ライブ会場とは言ってもそう複雑な造りではないのか、あまり入り組んだ道はない。

案内板を確認して、部屋の数を調べる。

とはいえ、一部屋一部屋小町を探して回る余裕もないので、一番広く辺りを見渡せるメインスタジオから向かうことにした。

通路の終わりが近い。

音につられて進んだ先は大広間。おそらく、ここがメインステージなのだろう。

大広間の辺り一面には、何やら正体不明の化け物達。

その化け物は俺が現れたことなど微塵も気にせずそこで何やら動いている。

これが、人類が恐怖するノイズか…。

見た目は昭和の特撮にでも出てきそうな怪物から凶悪さを抜き取ったマスコットのよう。

ぶっちゃけ、見た目そんな怖そうではない。

ただ、こうもウヨウヨと大量にいると、流石に見てるだけで気分が悪くなってくる。

そこに一陣の風が吹き荒れた。

その風は春の風というには荒々しく、怒涛の烈風とかそんな感じのイメージだ。

その台風は丁度、そこが台風の目と言わんばかりに中央に二人の少女がいた。

少女はこの大量の化け物に対峙するように立っている。

一人は槍を、一人は剣を携えており、対象になるように黄色と青の鎧を着込んでいる。

そして、その二人の少女は辺りに蔓延る化け物を倒して回っていた。

「なんだ…これ…」

槍を構えた少女の周囲には数本の槍が出現し、その何れもが、残らずこの化け物達に向いている。

剣を構えた少女は、絶え間無い斬撃を繰り返し、目に見えない速度で化け物を倒していた。

「お兄ちゃん!!!」

ふと、声がする。

丁度観客席の方だろうか、その声は俺の後ろから響いてきた。

15年も聞いたこの声に間違えるはずもない。この声の主は…

「小町!!」

俺が振り返るとそこには小町の姿が。

小町は俺の姿を目視するや否やこちらに駆けてくる。

「動いてはダメだ!!」

誰かがそんなセリフを口にした。

それは一瞬のことだった。

きっと、瞬きする暇も無かった筈だ。

小町の叫び声に反応した何匹かの化け物達が小町を目掛けて飛んできた。

最初に反応したのは剣を構えた少女。

一瞬にして小町と化け物の間に入り込むと、剣を盾に化け物の攻撃を受け止める。

「うぐッ!!…」

少女の苦痛に耐える呻きが聞こえる。

余程無茶な体制で飛び込んだからか、化け物の攻撃がそれほどまでに凄まじかったからなのかわからない、ただ、剣を構えた少女の剣の刀身はもう半分以上は欠けていて、おおよそもう剣と言うことは出来ないモノに変わっていた。

と、とにかく小町は無事だったんだ、今はここを一刻も早く立ち去らないと!!

そう言って小町の手を引こうとしたその時である。

さっきまで目の前にいた小町の姿が、ない。

おい…どこいったんだよ…こんな時にふざけてる場合じゃ…

今さっき小町がいた場所に手を当てる。

白い舞台に茶色い砂埃、それに混じった黒い灰がそこには残るだけである。

「な、なぁ…おい…そこのあんた、うち、うちの、小町知りません?さっきまでそこにいたアホ毛の女の子なんですけど?」

俺は何かに縋るように青い鎧の少女に尋ねていた。いや、尋ねざる追えなかった。

「…すまない」

少女は逆にこちらが見ていられない程いたたまれない悲しそうな表情で一言だけそう言うと目線を晒す。

すまない?すまないってなんだよ!!

どういうことなんだよ!!つい数時間前まで病室に来てライブのことを楽しそうに語っててそれで!それで!!なんで!!!

「…君はまだ動けるのなら早く逃げて」

少女は目線も合わせずそう口にすると、槍を構えた少女の方へ向かっていく。

「奏」

「…ん?どうした?翼」

青い鎧の少女は槍を構える少女に向かっていく。

「…奏、私のわがままを聞いてくれる?」

「…翼?こんな時に何を…?」

「奏にはずっと歌って欲しい。私が大好きな奏の歌を絶やさないで欲しい…」

「必ず奏を守るから。だから、約束」

そう言うと、青い鎧の少女は化け物の前に立つ。

奏と呼ばれた少女の方は、はぁ、と1つため息をついた。

「あのさ、翼、あたし達は両翼そろって初めてツヴァイウイングなんだ。だから両翼のどちらかが欠けたらそれはもう翼の望む天羽奏の歌じゃないんだよ」

「でもッ!!」

だから…と槍の少女は続ける。

「絶唱ならあたしも歌う。…翼一人にカッコつけられるわけにもいかないしな」

「それはダメだ奏!!」

「…いつか、心と身体全部空っぽにして思いっきり歌いたかったんだよな…今日はこんなに沢山の連中が聞いてくれるんだ。だからあたしも出し惜しみ無しでいく…やろう、翼。両翼そろったあたし達に止められるものはないって!!証明してやろう!!」

「奏…」

2人の少女は何かを決意したかのように並び立った。

『『Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl』』

 

聞こえて来たのは歌であった。

その歌は会場を支配する。

 

『『Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl』』

 

その歌はまるで世界が終わった後も、きっとこの歌だけは紡がれるんじゃないか、そう錯覚させるほど、美しい音色であった。

それを聞いていた時、先程まで混乱していた俺の身体も精神も止まってしまった。

ーー不覚にも聞き惚れてしまった。

彼女達を中心に紫色の光が風となり、辺りを破壊する。

砂塵が舞う。

叩きつける爆風によって会場は崩れ落ち、化け物共々海の藻屑へと消えていく。

…その中で、見た。

青いドレスが翻る。

彼女の鎧は既に解かれ血反吐を吐きながらも俺に近づき、思いっきり突き飛ばした。

「ーーーーー、ーーー、ーーーーーーーーー」

崩れ落ちていく青い姿。

その時、俺は確かに聞いたのだ。

『''私達の歌を聴いてくれてありがとう''』と、

『''どうか私達の歌を絶やさないで''』と。

貴方が生きて私達のことを覚えてくれている以上、私達の死は無駄じゃない。だから。

 

''生きるのを諦めないで''

 

彼女は確かにそう言った。

視界が砂塵に埋め尽くされる。

赤と青のドレスが海へと消える。

その姿が消える前に、俺は確かに受け取った。

それは彼女が付けていたと思われる赤いペンダント。

ーーこれがなんなのかは知らない。

だが、彼女が託した最後の願い(のろい)を受け取ってしまった。

視界が晴れていく。

舞い上がった砂塵と、一層高く積み上げられた瓦礫。

その後には何もない。

地面は大きく抉れ、大部分は下の海へと落ちていく。

黄色と青の鎧を身にまとっていた2人の少女は瓦礫と共に海の底へと消えていった。

「…ハッ、意味わかんねぇ」

ふと、嘲笑にも近い笑いが口元より溢れ落ちる。

なんだってんだよ、俺は小町を迎えに来ただけなんだぞ!?それをノイズだなんだって…

「ふざけてんじゃねえッ!!!」

握りしめたペンダントを海の底に向かって振りかぶる。

これをそのまま降り落とせば二度と彼女達のことを思い出すことはないだろう。

何故かわからないが、そんな確信があった。

「…ちくしょう…」

唇を強く噛みしめる。

口の中に鉄の味が広がり、行き場の無い怒りが当たる先を見失い騒めいている。

へたりとその場に座り込み、殆ど消えた地べたを眺める。

視界が歪み、ぽたぽたと水滴が頬を伝う。

これは涙なんかじゃない、そう自分に言い聞かせ、立ち上がる。

…帰ろう。

どこに?どうやって?何故?もう帰っても家族はいない、ならここでいっそ…

そう言った負の感情が湧き上がってくる。

振り返ると、落ちれば必死の崖。

下は海になっており、万が一にもここから落ちれば生きて帰ることは不可能だろう。

足を一歩前に動かす。

もう一歩。

そして、最後の一歩を踏み出しかけたその時。

『''生きるのを諦めないで!!''』

ふと、彼女に言われたそのセリフが脳裏によぎった。

「っッ!!」

足が止まる。

それ以上先へは一歩も歩けないと、脳からの指令を無視するかのように、ピタリと止まってしまう。

ちくしょう…なんだよ!!なんでだよ!!死ぬことすら出来ないってのかよ。

「…くそったれ」

喉に絡んだものが一息に出てきた。呟いた矛先はどこにあるのかなんてわからない。

だが、その声には苛立ちが、怒りが、そして、ほんのわずか悲哀が混じってることに気づく。

…ああ、本当にカリカリしている。綯交ぜの気持ちだ。

定義することの出来ない感情の塊が勝手に吐き出される。

「ふざけんな。ふざけんなよ…何がツヴァイウイングだ、何がノイズだ、関係ないんだよ、俺にとっては」

誰に言うでもなく、壊れたロボットのように口にする。その言葉に引き寄せられたのか、はたまた生き残りがいたのか、俺は数体のノイズに囲まれていた。

ああ…流石にこれはもうダメかもな…

そんなことを思いながら、首にペンダントを吊るす。

いつもそうだ、いつも、俺は1人だった。

そこに何か解決しなきゃいけないことがあって、それが出来るのは俺しかいなかった。

なら、いつも通りやるべきだ。

俺の世界には俺しかいない。俺が直面する出来事にはいつも俺しかいないのだ。

ドクン、ドクンと心臓から流れる血流の音が激しくなる。

「だから、生きるのを諦めるな?そんなの関係ねぇんだよ。俺の目の前で起きることはいつだってなんだって俺の出来事でしかない。他人のくせして割り込んでくんな」

世界は俺の主観だ。

俺が選択して失敗したなら、それでいい。けれど、その結果を他者に横取りされるのはまるで違う。

それは救済者の振りをした簒奪者だ。

俺は振り返り、一歩踏み出す。

どうせ戻ってもあの化け物に灰にされるだけだ、なら、ここは…。

崖の上から仰向けになって飛び降りる。

他者に俺の人生を奪わせない。

俺は俺の選んだ結果の上に立っているんだ。

だから…これは。

「ーーーーーamenohabakiri tron」

その歌は本当に突然やってきた。

胸の内から流れる演奏に喉が勝手に声を出す。

身体が熱い。そして痛い。身体中を塗り替えられていくようなそんな痛みが身体を襲う。

気がつけば、俺は先程の少女同様、半裸に近い鎧を身に纏っていた。

何コレ…さっきはパニクって何も思わなかったけど、これめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…。あ、これ、足にブースター?みたいなの付いてんじゃん。こう?か?

鎧の足の部分からブースターを取り出し一気に崖を登る。

よっと…何だこれ、身体能力おかしくねえ?なんか昔こんな漫画読んだことあるぞ?

というか、骨折してたはずの足が全然痛くねえ…なにコレ?オーパーツ?

崖を登りきると、律儀にも待ち構えていたノイズの姿が。

あら…まだ帰ってなかったのか。

どちらにしろこれはマズイ、なんせコイツらは触れた人間全てを灰に変えちゃう化け物だ。いくら超人鎧を着込んだところで触られちゃえばなんの意味もない。

おい、ガ●ツ!!よこすならスーツだけじゃなくて銃も寄越せよ!!

するとブースターを取り出したところから何やらニョッキりナイフの柄ようなモノが飛び出ている。

あ、ここ取り外し式なのか。

俺が柄の部分を掴むと、ナイフと鎧が分離され、二本のダガーが引き抜かれた。

さて、まあ武器も揃ったことだし。

人並みだが仇打ちといこうか、人類の恐怖(ばけもの)さんよぉ。




しゃら〜ん〜♪しゃらららしゃんしゃしゃん〜♪終わるよぉ〜♪
はい、ここまでお送りしてきました。戦姫絶唱シンフォギアとやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。クロスオーバーss、今回もお別れの部分です。
いやー、どうでした?八幡もね翼さんについては複雑な感情を持っているようですが…なんていうかまだ作者の迷走ぷりが序章って感じよね。最新話とか超迷走してるし。これからどんどん迷走道を突っ走っていくんだろうな()。だめだめ、軌道修正はかけなきゃ!!
またね、今回の感想やこーした方がいいんじゃないかなー??や、して欲しいなー!!といったコメントはねドシドシ送って来て下さい!!
本当ね、なんだって構わないので、下ネタでも上ネタでも、口からコットンキャンディ出すやつのでもね、全然いいので!!お待ちしてます!!送り先はこの感想欄にお願いします。
また、次回投稿は未定ですが、なるべく早く投稿できるよう最新話も書いていかないとと思っております!!
それでは、今回はこの辺でお別れということにしましょう!!ここまで読んでくれた方に感謝を込めて、島田ミカでした!!
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