やはり私が半妖なのは間違っている   作:TKN

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私の奉仕部入部はまちがっている?

「青春とは嘘であり、悪である。

青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺く。

自らを取り巻く環境の全てを肯定的に捉える。

何か致命的な失敗をしても、それすら青春の証とし、

思い出の1ページに刻むのだ。

彼らは青春の2文字の前ならばどんな一般的な解釈も

社会通念も捻じ曲げてみせる。彼らにかかれば嘘も秘密も罪科でさえも青春のスパイスでしかないのだ。

ならば、友達作りに失敗した人間もまた青春ど真ん中でなければおかしいではないか。しかし、彼らはそれを認めないだろう。所詮は彼らのご都合主義でしかないのだから。それは欺瞞だろう。嘘も欺瞞も秘密も詐術も糾弾されるべきものだ。

彼らは悪だ。

ということは、逆説的に青春を謳歌していない者の方が正しく正義である。

結論を言おう……

リア充爆発しろ。」

 

国語教師の平塚静は額に青筋を立てながら、私の作文を大声で読上げた。

こうして聞いてみると、自分の文章力がまだまだと気付かされる。

小難しい単語を並べれば頭が良さそうに見えるんじゃないかという、どこぞの売れないラノベ作家が考えそうなこすっからい思考が見透かされている気分だ。

平塚先生は読み終わると額に手を当てて深々とため息をついた。

 

平塚「なぁ、比企谷。私が授業で出した課題は何だったかな?」

 

比企谷「……はぁ、『高校生活を振り返って』というテーマの作文でしたが」

 

平塚「そうだな。君の過去は君の両親から聞かされているが、もう少しマシな作文が書けただろう?」

 

平塚先生はため息をつくと悩ましげに髪を掻き上げた。

 

平塚「なにも、高校生活が楽しいだけじゃないのは私もよく分かっている。しかし、そうやって過去の出来事を引きずってても何も解決しないぞ。」

 

比企谷「無理ですよ……。私だって昔のことは忘れたいです。でも、忘れようとしても震えが止まらないんです。」

 

実際、私は何度もやり直そうとした。けれど、やり直そうとしても体が震えてしまう。もうあんな経験はしたくない。逃げたいと……

 

平塚「ふむ……。確か君は、部活に入ってなかったよな?」

 

比企谷「はい。」

 

平塚「比企谷、部活に入る気はないか?」

 

部活?あんな入ってても意味の無い、時間の無駄にしかならないあの部活に入れと?

 

平塚「なに、部員は1人しかいない。しかも女生徒だ。

私だって一応は、教師だからな。生徒が本気で嫌がることなどしないさ。」

 

部員が1人だけって、それって部活と呼ぶのだろうか。

でも、女生徒1人だけの部活か……。それなら私でも入れるかな……。いや、無理ですね。はい。そもそも、女性ともなかなか話せないコミュ障の私が二人きりの部室など拷問に等しいほどの空間だ。

 

比企谷「お誘いは嬉しいですが、お断りさせて頂きます。同年代の女子とも話せない私ですよ?2人きりの空間なんて耐えられませんよ。」

 

平塚「そう言うと思ったさ。なに、事は試しだ。仮入部という事でいい。ついてきたまえ。」

 

そう言うと平塚先生は、私の腕を掴んで立ち上がった。

手を振り払おうとしたけたど、私の力が弱いためか振りほどくことが出来ない。というか、同じ女性に対してでも弱いなんて……。やっぱり枷を外す訓練しないとだめかな。そんなことを考えていると平塚先生が言っていた部室に着いた。

 

平塚「着いたぞ。」

そう言うと、先生はからりと戸を開けた。その教室の端っこには机と椅子が無造作に積み上げられている。倉庫として使われているのだろうか。他の教室とあまり大差がない内装。しかし、その教室の中で一人の少女が本を読んでいた。同じ女子なのに、不覚にも見蕩れてしまった。

 

??「平塚先生。入る時にはノックを、とお願いしていたはずですが。」

 

平塚「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」

 

??「返事をする間もなく、先生が入ってくるんですよ。」

 

平塚先生の言葉に、彼女は不満げな視線を送る。

 

??「それで、そのぬぼーっとした人は?」

 

ちろっと彼女の覚めた瞳が私を捉えた。

私は彼女を知っている。

2年J組、雪ノ下雪乃。彼女は定期テストでも実力テストでも常に学年一位に鎮座する成績優秀者。

 

平塚「かの、彼は比企谷。入部希望者だ。」

 

比企谷「入部希望者って、仮入部だって言ってたじゃないですか。」

 

平塚「仮入部も入部も大差変わらんだろう。」

 

私に抗弁の余地も許さず、平塚先生は話を続ける。

 

平塚「というわけで、見ればわかると思うが彼はコミュニケーションが苦手な生徒なんだ。彼のコミュニケーション能力の向上が私の以来だ。」

 

さりげなくこの先生、生徒のことバカにしたよ。

私だって一応は、気軽に話せる友だちがいるんだからね!ヒメちゃんとかことはちゃんとかアオちゃんとか……3人ぐらいしか思い浮かばないのは何故だ……。

 

雪ノ下「それなら、先生がもっと彼のことを気にかければいいと思いますが。」

 

平塚「私だって出来ることならそうしたいが最近は小うるさくてな。生徒の為と言っても、贔屓だと言われてしまうんだ。」

 

雪ノ下「お断りします。そこの男の下心に満ちた下卑た目を見ていると身の危険を感じます。」

 

雪ノ下は別に乱れてもない胸元を掻き合せるようにしてこっちを睨みつける。雪ノ下さんの慎ましすぎる胸元なんて見てないんだけどなぁ。見た感じ私の方がまだまだ大きいし。

 

平塚「安心したまえ、雪ノ下。その男はコミュニケーション能力がないと言ったろう?彼は行動に起こすことすらできない小心者だよ。そのあたりは信用してくれていい。」

 

比企谷「平塚先生、それもうただの悪口ですよね。そうですよね?」

 

雪ノ下「小心者……。なるほど……」

 

比企谷「聞いてない上に納得しちゃったよ……」

 

平塚先生の説得(悪口)が功を奏したのか、はたまた私の小心っぷりが信用を勝ち得たのか、どちらにしても嫌な結果には変わりない。

 

雪ノ下「まぁ、先生からの依頼であれば無碍には出来ませんし……。承りました。」

 

雪ノ下さんがほんっとうに嫌そうに言うと、先生は満足げに微笑む。

 

平塚「そうか、なら後は頼む」

 

そう言うと平塚先生は、教室をあとにした。

教室を出ていく時に、私にウインクして満足げに出ていったのだ……。可愛いなちくしょう。

にしても、こんな美少女と二人きりなんてムリだよォ。助けて小町ぃ……。

 

雪ノ下「そんなところで突っ立ってないで座ったら?」

 

比企谷「え、あ、はい。すみません。」

 

本当にどうしよう……。というかここ何部なんだろう。

 

雪ノ下「何か?」

 

比企谷「あぁ、悪い。なにも説明もなく連れてこられてな。ここって何部なんだ?」

 

私がそう言うと雪ノ下さんは、読んでいた本を閉じて私の目を見た。

 

雪ノ下「持つものが持たざるものに慈悲の心をもってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。」

 

ボランティア?ここはボランティア部か何かなのだなのだろうか。そもそも、ボランティアする前に私を助けてくださいお願いします。

 

雪ノ下「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ。」

 

奉仕部だと……?奉仕って聞くとちょっとアレな気がするんですが。しないか、しないね。

 

雪ノ下「いきなり核心をつくようなことを言うのだけれど……。貴方、女性よね?」

 

何故わかった……。私の男装は完璧なはずだ。サラシもまいてカラコンもつけてカツラもつけて……。普通の人ならわからないはずなのに、なんでわかったのだろうこの子は。

 

比企谷「な、なんでそう思うんだ?」

 

雪ノ下「さっき、平塚先生が貴方のことを彼女と呼ぼうとしていたからよ。かつ、貴方の腕が細いこと。その腕は女性の腕だわ。」

 

平塚先生、許すまじ……。まぁ、バレたことは仕方がないここは素直に正体を明かした方がいいか。

 

比企谷「正解だよ、雪ノ下さん。私は本当は女性なの。」

 

私はそう言うと、カラコン、カツラを脱いでみせた。

 

雪ノ下「思ってた以上に、女性らしいのね。」

 

女性らしいってなんだ。私は正真正銘の女性だぞ!

威張るところじゃなかったですね……。

 

雪ノ下「自己紹介の時に、比企谷八幡と言っていたけれどそれも、偽名?」

 

比企谷「そうだよ。私の本当の名前は比企谷奏《かなで》って言うんだ。これからよろしくね」

 

ここから、私……比企谷奏の奉仕部生活は始まるったのだ




読んで下さり誠にありがとうございます。
よんでて、お気づきになったと思いますが少々いや、多少俺ガイル1巻の文面を真似しています。
これから、少しずつ自分なりの作品にしていこうと思っています。
評価、感想を是非お願いします。

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