メンタルモデルになってネギ魔の世界に転生するお話   作:照明弾P@ハーメルン

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なんとか年内に投稿できた。今回はちょっと短め。具体的にいうと訳600文字減。次回は頑張りますんで。許してください。

艦これのアルペジオとのコラボイベントが嬉しいのですが、消費資材の量が凄くて辛い。なんとかE-3までクリアしたいのですが相手の超重力砲がなぁ。


#05

 タカミチ先生とドンパチやった日から一夜あけ、今の私は現在お昼の準備に取り掛かっている。

 今日は、学園長から朝から呼び出される事もなく、またする事も特に思いつかなかった為に、朝に起きたが二度寝を敢行。お昼頃まで布団の中でぐっすりだった。しかし、流石にお昼以降も寝て過ごすのは時間があまりにも勿体無いし、とりあえず今日はどうしようか考えながらお昼ご飯の準備をする事にしたのだ。

 

 そんな訳で、現在(いま)私はお昼ご飯を作っている。ちなみに今日の料理はチキン南蛮だ。作り方は簡単で、まずチキンに絡める甘酢を作る為に、酢、砂糖、醤油、みりんを鍋に入れたら煮立つまで混ぜて、その後は火を止めて別の容器に移して冷ましておく。次にタルタルソースだが、ゆで卵を潰したものにマヨネーズを加え、其処に刻んでからレンジで熱を入れた玉葱、刻んだだけのピクルスを加えてから混ぜ、塩、コショウ、レモン汁、牛乳を少し加えて味を調える。そして、漸くメインのチキンだが、鶏肉に塩、コショウ、薄力粉を塗した後、余分な薄力粉をよく叩き、それを溶き卵に潜らせ、180℃の油で両面が色よくカラッとなるまで揚げる。揚げたチキンを甘酢の入った容器に入れ、スプーンで甘酢をチキンに満遍なくかけて味を染み込ませる。味が染みたと思ったら、容器から取り出してお皿に盛り付け、チキンの上からタルタルソースをかけて完成。

 

「いただきます」

 

 完成したチキン南蛮をおかずに、私はお昼ご飯を食べ始める。さっそく作ったチキン南蛮を箸で一切れつかみ口の中へ。衣に染みた甘酢と、タルタルソースの濃厚さが、ジューシーなチキンの味を更に一段階引き上げる。おいしさの余り、箸が止まる事はなく、私の食事は20分もしない内に終わった。

 

「あー…美味かった」

 

 昼ごはんの出来に満足しながら、私は使った調理器具や皿を洗う。久々に作った料理だったが、おいしく出来ていてよかった。なんせ、前世では美味しかったが、胃に重たい料理である為に一度作った後は、全く作っていなかったからだ。しかし、今のこの身はメンタルモデル。どんなに食べても太らないし、胃もたれもしない。あれ?もしかしてメンタルモデルになった利点ってこれが一番かもしれない?

 なんてわりと真剣に思いながら、皿などを洗い終えた私は、食事も食べて気分も上がったので、今日の予定を考える事にした。

 さて、今日はどうすごそうかと考えるが、まずは私が目下すべき事を中心に考える。思い浮かんだのは、やはり昨日の反省で思った様に、殺傷系及び船体の能力(スペック)の確認だ。しかし、この確認をするにはどうしてもエヴァンジェリンの協力がいる。具体的には彼女が持つダイオラマ魔法球が必要だ。あの中でなら、気兼ねなく能力確認ができるはずだ。だが……

 

「彼女と顔合わせてないんだよなぁ……」

 

 そう。実はまだ彼女と顔を合わせてないのだ。昨日のタカミチ先生との手合わせの際、周りの人物を確認したが彼女らしき人物は見かけなかった。なので、まずは彼女に接触しなくてはいけない。そんな訳で、彼女と接触するべく、私は学園長に携帯で連絡をいれた。

 

「何かね?キリシマ君」

「こんにちわ学園長。直接会って聞きたい事があるから、学園へ入る事の許可と今から少し時間を空けておいて貰えないか?」

「ふぉ?聞きたい事かの?……ふむ。わかった。許可は出しておくから今から来なさい」

「感謝する。また後で」

 

 携帯を切り、普段の服装にナノマテリアルで生成したコートを着て、私は部屋を後にした。

 

 

          ◆

 

 

 来学者用の受付で、昨日と同じく学園長に呼ばれたと事務員さんに告げて、学園内に入りまっすぐ学園長室へと向かい、ドアをノックする。学園長のどうぞの言葉を聞いてから、私はドアをあけ部屋に入ると、学園長がお茶を飲んで待っていた。

 

「待たせたかな?」

「ほっほっほ。今お茶を飲み始めた所じゃったよ。ほれ。座りなさい」

「失礼するよ」

 

 学園長と言葉を交わし、彼の向かい側のソファに腰を下ろす。学園長はお茶を一口飲んでから、聞いた。

 

「さて……聞きたい事とは何かのぅ」

「いくつかあるが、まず一つ。私以外に外部協力者はいるのか?」

「おるにはおるが……何かあるかのう?」

「他の協力者の顔見せをされてない。裏の手伝いで、見たことない相手だからと攻撃したら、実は紹介してなかったけど協力者でした……なんて事は無くしたい」

「うむ。そういわれるとそうじゃのう。わかった。この後確認を取ってみよう」

 

 学園長とこうやって話す理由は、ずばりエヴァンジェリンに会う為だ。幸い、学園長にいった様に顔見せしてないから誤射しかねない。もしくはされかねないを理由に顔を合わせ、ついでに目下の目的の為の足がかりにしようと思っているのだ。そして、その結果は、学園長がいった通り。どうやらこの後確認してくれるらしい。ひとまず此処に来た目的の半分はクリアされた。なんかすんなり許可が貰えたので、ちょっと欲を出してもう一つ聞いてみる。

 

「二つに、本来の姿の確認を行いたい。どこか船体を展開できる水辺はないか?」

「すまんがそれは無理じゃ。麻帆良にはたしかに麻帆良湖という大きな湖はあるが、お主の船体を展開させたら湖の水が溢れてしまうわい」

「そうか……わかった」

「うむ。では今から彼女に確認を取ってみるのですまんが静かにの」

「宜しく頼む」

 

 欲を出して聞いてみたが残念ながら許されなかった。まぁ正直通るとは思ってなかったので構わない。

 学園長が携帯を取り出し、彼女に連絡を取る。暫くして携帯からエヴァンジェリンらしき声がする。

 

『なんの用だ爺』

「エヴァ。実は今からお主に会わせたい人物がおるんじゃ。すまんがワシの所まで来てくれんかのぅ?」

『嫌だね。面倒臭い』

「そういわずに。授業サボって屋上にぼーっとしておるのじゃろう?ワシの所に来るなら、茶と羊羹ぐらいならだすぞい」

『何……羊羹は何処のだ』

「この前お主がかっぱらっていったところのじゃよ」

『……いいだろう。今から向かってやる。羊羹の用意でもしておけ』

 

 そういって携帯が切られると、学園長はため息をつきながら携帯をしまい、ソファから立ち携帯の向こうの相手のいう通りに羊羹とお茶の準備をし始めた。

 

「相手のいう通り準備するんだな」

「そうせんと、あ奴は面倒じゃからのう」

 

 そういって羊羹を用意し、お茶の準備が終わった頃を見計らったかの様に、学園長室のドアが一言も無く開けられた。

 

「貴様の願い通りきてやったぞ爺」

「すまんのぅ。ほれ、羊羹は用意してある。とにかくまずは座りなさい」

「……ふん」

 

 開けられたドアから現れたのは金髪ロリことエヴァンジェリンだ。エヴァは私に目を向けてから鼻を鳴らすと、ズカズカと部屋に入り、学園長が用意した羊羹の前に座り、お茶と羊羹を楽しみだした。うん。すっげぇわ。暴君というか、わが道を行くというか。とにかく私の事なんてどうでもいいといった感じで、羊羹の味を楽しんでいる。いくら知識で彼女がそういうキャラだとしってはいても、目の前でその通りされるとなんというか驚くというかスゲーというか。

 

「……で? コイツが貴様のいう会わせたい人物か?」

「うむ。キリシマ君。彼女の名前はエヴァンジェリン・(アタナシア)(キティ)・マクダウェル。君と同じ、裏の仕事においての外部協力者じゃ」

「っと。初めまして。私の名前はキリシマ。宜しく頼む。あー……エヴァンジェリン」

「ふん。……爺。一体どういうつもりだ?コイツからは魔力も気も感じない。こんな奴の顔を見せる為この私と呼んだのか?」

 

 学園長の計らいで、エヴァに自己紹介をしたのだが、彼女の反応は冷たい。まぁ、彼女からしたら今言った事が私と学園長にいいたい事なのだろう。学園長はそうじゃのぅ……と言葉を漏らしてから、私の事をチラ見してきた。恐らく私の正体を話していいか確認したくて見てきたのだろう。私はそれに軽く頷くと、学園長は軽く咳をしてから口を開いた。

 

「実はの。ここにいる彼女は人ではないのじゃ。区分的に言えば……お主の従者、茶々丸君と同じ存在とでもいうべきかのぅ?」

「……何だと?」

「ワシも一昨日から彼女と顔を合わせたのじゃがな。見た目とは裏腹に、彼女はお主と同等かそれ以上の強さを持っておるのじゃ」

「ハッ! この女が私と同等? もしくはそれ以上だと!? 随分と言うじゃないか爺」

「しかしそう判断せざるを得ないのじゃよ。なんせあのタカミチ君を実力を隠したまま、軽くあしらってしまう程なのだから」 

 

 エヴァと学園長が私をそっちのけで話し合う。エヴァは学園長が彼女を私を同列、もしくはそれ以上と言うと不快感を露にするが、学園長のタカミチ先生を軽くあしらったという言葉を聞いて、眉を顰め私を見た。

 

「キリシマといったな」

「ああ。そうだ」

 

 エヴァが私に話しかけてきたので、それに応じる。

 

「貴様。本当にタカミチを軽くあしらったのか?」

「事実だ。私は確かに、彼を軽くあしらったよ」

「……本気を出すことなく?」

「ああ。そもそも私の本気はこの姿では無理だ」

 

 なんせ本気で戦艦の姿になったら、きっとラカンさん位のレベルじゃなきゃ対処しようがないだろうし。

 

「ほう……その姿では無理、ね……。なら貴様が本気になるにはどうすればなるんだ?」

「……海であれば。恐らく誰にも負けはしないだろうな」

 

 なんかエヴァが聞いてくるから答えたが……もしかするとこの後バトルなのか!?

 

「海ね……。まぁいい。爺、もう顔見せは済んだだろう? 私はもう帰る」

「ふむ。呼び出して悪かったのぅ」

「まぁ暇つぶしにはなった」

 

 あ、あれ? なんかバトルなのかと内心身構えてたけどエヴァも部屋から出て行っちゃったし、もしかして何もない系?

 

「さて、キリシマ君。君の要望通り、君以外の協力者にも会わせたし、今日はもういいかの?流石にワシもそろそろ仕事をせねばならんのじゃよ」

「ああ。時間をとらせてすまなかった。学園長、これで失礼するよ」

「うむ。またの、キリシマ君」

 

 エヴァが部屋をでていった後、暫くぼうっとしてたら学園長が仕事したい発言をしたので、私も用事が終わった事だしそそくさと学園長室から出て行く。部屋を出てどうやら本当に何もない様子なので、とりあえず帰って夕食の準備でもしようかと学園の正門へと足を運ぼうと廊下を曲がったときだった。

 

「待て」

 

 廊下を曲がった瞬間、背後から突然声をかけられる。私はすぐさま後ろに振り向くと、其処にはつい先ほど学園長室から出て行ったエヴァが立っていた。

 

「キリシマ。この後、この住所までこい。いいな?」

「……ああ」

 

 うん。バトル展開がないかと思った途端にこれだよ。よくわからないが、彼女が手につまんだ紙切れを離すと、紙切れは落下せずに私の手の中へと飛んできた。あれか。もしかして今のが魔法なのだろうか? 手の中に納まった住所を確認してから顔を上げると、そこにはエヴァの姿はなかった。

 とりあえず、どうやらこの後の予定は彼女の指示した場所に向かうことになったので、私はとりあえず受け付けの事務員さんから紙に書かれた住所を特定する事にした。

 

 

          ◆

 

 

 あの後、受付の事務員さんから紙に書かれた住所を聞き、その場所へと赴くと、其処には立派な建物。そしてその建物にはエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルと書かれた表札がついていた。どうやら、ここがあのエヴァンジェリン邸らしい。建物の前で彼女の家を眺めていると、突然玄関のドアが開けられ、そこから人物が現れた。

 

「……貴女はキリシマさんでしょうか?」

「……ああ。私がキリシマだ」

「初めまして。私、絡繰茶々丸と申します。マスターが中で貴女をお待ちしています。どうぞ中に」

「む。……では失礼する」

 

 ドアを開けて現れたのはエヴァの従者にしてガイノイドである絡繰茶々丸だった。彼女の話曰く、マスター(エヴァ)が家の中で私を待っているらしいので入れとの事。私はそれを拒否する理由もないので、言われるままに彼女の家へと入っていくのだった

 

 エヴァの家の中に入ってまず目にしたものは沢山の人形だ。たしか、彼女の別名は人形使いだったか? なんて思いながら部屋の景色を眺めていると、茶々丸が此方ですと、案内をしてくれる。私はそれに従い、玄関から廊下、地下に下りる階段を下りていき、地下のある一室に連れて行かれた。

 茶々丸についていき入った部屋にあったのは、テーブルの上におかれた一つの置物。……って、もしかして?

 

「……キリシマさん。こちらのテーブルの前に。中でマスターがお待ちです」

「ああ……っと、中で……? 一体どういうこt」

 

 もしかしてこれがダイオラマ魔法球なのかと茶々丸に聞こうとしたが、私におきた現象が彼女に聞こうとしたことの答えを出していた。突然身体が引っ張られる感覚を感じ、次に視界が真白に染まったかと思えば、気がつけば私の目の前には海辺が広がっていた。

 

「これは一体……?」

「漸くきたな。キリシマ」

「ッ! ……?」

 

 どうやらさっきのがダイオラマ魔法球だったようだ。この魔法具凄いなぁと思いながら海を見ていたら、後ろから声を掛けられた。再びすぐさま振り向くが、其処にいたのは先ほど私を部屋まで案内してくれた茶々丸と、そんな彼女を後ろに引き連れたグラマラスな金髪の女性。ただし服装とかは私の服装以上に肌の露出が多く、ぶっちゃけ痴女かといいたくなるレベルの際どいものだ。

 

「……だれだ?」

「私だッ! エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル!」

「……そ、そうか。……で? 此処は何処だ?」

「貴様……。此処はダイオラマ魔法球という魔法具で作った私の別荘だ」

「凄いものだな。魔法具とは。……で、何故私を此処に呼んだ?」

「外と違い、此処なら私が十全の能力を発揮できるのでな。それに今回、この別荘は海に囲まれた孤島として設定してある。この場所なら貴様のいう本気とやらもだせるだろう? だからここで、貴様の本気とやらを見てみようと思ったのさ。なんせ……私と同等かそれ以上なのだろう?」

 

 グラマラスなエヴァ、大人エヴァがニタリと笑いながら私にそう聞いてくる。うん。つまり学園長の言葉が癪に障ったから、この場所で白黒はっきり付けるぞコラァ!? って事ですね。わかります。

 

「……言っておくが、私の本気は只ではすまないぞ?」

「ハッ! それは私が貴様にいう言葉だよ。貴様には私の凄まじさを見せてやろう。不死の魔法使い、闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)と恐れられた私の強さ。存分に味わうがいい!」

「……そうか。なら、わかった。茶々丸だったか? 正直言って戦いの巻き添えを喰らいたくないならこの島から直ぐに離れろ」

「……それはどういう意味でしょうか」

「そのままの意味だ。エヴァンジェリン。今から私の本来の姿を見せてやる。そこで待ってろ」

 

 なんか何いってもこの戦闘は回避できそうにないので、諦めて戦うことにした。それに、ぶっつけ本番になってしまったが、船体を展開できるだけの広さはあるし、せっかく実践形式での船体能力の確認のチャンスでもある。私はエヴァと茶々丸に伝えるべき事を伝え終えてから、クラインフィールドで足場を作って海の方へ走っていき、エヴァと十分距離を取った所で、船体の展開を開始する。

 船体の展開を行う事で、ナノマテリアル保有量を表示させていた画面の数値が減少したと同時に、私の目の前、海から突然飛び出すように、私の本来の姿が現れる。旧帝国海軍、金剛型4番艦・霧島を模した私の船体(身体)。私は艦橋までクラインフィールドで足場を作って駆け上がり、艦橋に飛び乗ってから、大声でエヴァにむけて叫ぶ。

 

「これがッ! 私の本当の姿だッ! いくぞエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル! 霧の本気、受けてみろッ!」

 

 そうして、私とエヴァの別荘内での激戦が始まった。

 

 

 




誤字の指摘、感想、批評、書き方のアドバイス等々、頂けたら幸いです。
2月14日…文章の修正。

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