前回のあらすじ
何故か和服少女が西野に襲いかかった。
「えっ!?ちょっと!」
何の冗談かと思ったが彼女は艤装を展開!殺意が漏れ伝わる。それに気づいた西野は最初の一撃をなんとかかわす。
(不味い本気だ!)
とっさに部屋の奥に逃げ込んだ。少女は西野を追って中に入る。しかし、西野はどこにもいない。
「どこ?」
少女はキョロキョロ辺りを探る。
そして、後ろ、いや、上から気配を感じた。
「ちぇ!バレた!」
上の隅に蜘蛛のように張り付いていた。
少女は艤装から砲撃を放とうとする。しかし‥‥
「よっと!」
「!?」
西野は自分から降りてきた。と思ったら消えた。
「早い!」
ものすごい身のこなしだった。
「ごめんね!」
いつの間にか西野は自分の後ろを取っていた。手刀で少女を気絶させよとうした。できれば傷付けず無力化させたいところがだった。しかし、
「ふん!」
少女もまた動きがよい。すぐさま艤装の腕で防御!防がれた西野は飛び退いて距離を置く。
「イツツ‥‥硬いな‥‥」
「はああ!」
少女の艤装による連続打撃攻撃!人がまともに食らえば骨が折れるだろう。
ところが、それを西野は受ける。正確には少女の打撃を巧みにいなしていく!
ここまで攻防が続いて流石に二人の息が上がる。再び距離を置き呼吸を整える。
「私の攻撃‥素手で防がれたのはじめて!」
「私も!こんなに重くてしんどいのを連続で受けたのはじめて!」
今はなんとか西野が防いでいるので膠着状態。しかし、やはり深海棲艦の力の強さ、体力が相手では西野の体力は長くは持たない。
(くっ!最近運動なんてしてないよ~。呼吸がキツイ。そろそろ手も痺れてきたよ‥‥。不味いね。)
相手も動きがよくてあの腕は攻守ともにとんでもない。このままだといつか殺られるよね‥‥
よーし‥‥一か八か‥‥
「はっ!」
少女は呼吸を整えてた少女が再び連続攻撃に出てきた。おそらくこちらの体力の限界を見透かされたのだろう。
好都合だ。
西野は先程のように少女の腕をいなすのではなく、腕を脇に通しそして根の部分を締める。
「!?」
そのまま相手の足を払い柔道の要領で相手を投げる。
「きゃっ!」
床に投げつけられはしたが少女にダメージはない。しかし、何をされたのか分からず少し困惑した隙を見逃さない。
彼女の腕を抑えそのまま組み伏せた。
流石にこの姿勢では力が入らない。いくら暴れても西野の拘束は解けなかった。
「流石に艦娘で柔道とかしかけてくる人はいなかったみたいだね。ねえ、君もしかして深海棲艦?」
「っ!?!?」
「その顔は何でバレたのって顔だね。前に一度だけナギサに見せて貰った事があるけどその装備が君のと似てた。」
「ナギサ‥‥姉様のことね。」
「姉様?」
「人間!姉様を解放して!襲ったことは謝るしなんなら私を好きにしていいから!」
「え、ええ!?ちょっと待って。話が読めないけど。」
「アナタが姉様を拐かしたのでしょう!!だから姉様は帰って来ない。」
「あ‥‥」
この子、ナギサの知り合いか‥‥
で、私がナギサをって考えたのか。うーん、私が原因なのはあながち間違いではないのだから否定はできない。
けれど‥‥
「拐かしたはちょっと酷くない?」
「うるさい!姉様は!姉様はどこなの!」
「ナギサなら‥‥」
「あの‥‥扉が開きっぱなしですが何かあったのですか‥‥‥‥本当に何があったのですか?」
「ナギサ、ナイスタイミング。」
「姉様~♪」
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ナギサの説得で少女が大人しくなったところでまずは自己紹介からはじまった。
「彼女は駆逐古姫、私達は古姫って呼んでます。そして、古姫、こちらは西野さん。私の命の恩人で今はご主人様です。」
「どうも‥‥」ぺこり
「彼女は私の‥‥そうですね。妹分のようなものです。」
「ああ、だから姉様なのね。」
「それで古姫、どうしてここに?」
「姉様の部隊が壊滅して姉様が行方不明になったって聞いて、それで生きてるって聞いたらいても立ってもいられなくて。」
「それでアナタまで行方を晦ましちゃ駄目でしょう。リ級が探してましたよ。」
「ごめんなさい‥‥」
「まあまあ、その子はナギサの事を思って来たんだしね。その辺にしてあげて。」
「そうですね。心配をかけてごめんなさい古姫。」
「姉様‥‥」うるうる
「それはそうと、古姫?アナタ、西野に危害を加えたみたいですね?その件に関してこれからお説教です。」
「ひいいい!」
あ、ナギサの顔がガチだ。助けるか‥‥
「いや、私は気にしないよ。死んでないし。」
「それでも!普通なら死んでますよ!と言うか流石西野さん古姫に襲われて無事だなんて凄いですね。」
「うん西野凄い!私、人間に投げられたのはじめて!」
あれ?私、人間じゃない子達に不思議がられてる?
「こほん、それはそうと。」
「あ、反らした。」
「古姫ちゃんはこれからどうするの?」
「そうですね。古姫も艦隊を任されてることですし、帰した方が‥‥」
「私‥‥姉様と一緒にいたい。」
「ですけど西野さんの事情も‥‥」
「え?いいよ。」
「いいんですか!私の時は悩んだのに!」
「いや、もう1人住ませてるから同じかなと。それに、こんなに姉思いの子を引き剥がすのは可哀想だしね。」
「西野!ありがとう!」
古姫は西野に抱きついた。
まさか少し前に殺されかけた相手に懐かれるとは。
「と、言うわけだけど。1人住人が増えるけどいいかな、我が家のメイドさん?」
「‥‥‥‥もう、料理の1人分追加ぐらいどうと言ったことありません!」
「今から三人分でも?」
「もちろん。お任せください。」
「おお、流石。」
「料理?姉様が?」
「はい。私はこれでも」
今度はナギサが西野の抱きつく。
「西野のメイドですもの。」
この晩はナギサの料理を堪能した古姫が興奮したりと楽しい食卓となった。
そして、翌日
「あ‥‥体がキツイ‥‥筋肉痛‥‥」
キツそうにデスクにうつ伏せる西野。それを見かねて東田がやって来た。
「西野さん、今日月曜日だよ。休日何してたの?」
「あはは‥‥色々あってね‥‥」
「湿布持ってるけどいる?」
「東田さん神~♪」
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「と、言うわけで古姫はウチで預かります。」
ナギサはリ級に古姫が見つかったとことその後の経緯を伝えた。
「そうですか。実は南方司令からの伝言で」
『もしアイツが軽巡棲姫と出会ってたらもうアイツの好きにさせておけ。』
「だそうです。」
「あの方がそんな事を‥‥」
「古姫様は十分戦果を出しておられますし、艦隊は解体して余剰戦力を基地防衛に当てたいとの事です。」
「そんなに切羽詰まってるの?」
「いえ、しばらくこちらからは仕掛けないで様子を見るとかで実働部隊を減らしているとか。」
「これはしばらくにらみ合いですかね。」
「そうだと思います。では私はこれで。」
「はい、司令達によろしく伝えて下さい。」