西野さんちのメ級   作:ユグノート

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第3話 本当に深海棲艦なんです

 

 

 

 

「ボケ~」

 

 

「どうしたの西野さん‥‥いつも以上に死んだような顔してるけど?」

 

「え?ああっ!いや、何もないよ。」

 

朝の騒ぎからなんとか遅刻せずに出勤した西野

しかし、朝から頭を使い過ぎたので少しフリーズしていた。それを見た隣のデスクの東田さんが心配していた。

 

「そう?何かあったら言ってよ。」

 

「うん、ありがとね。」

 

こんなところあの上司に見つかったらまた何言われるかわからないからね。

 

 

「おい、昨日の騒ぎって鎮守府の方からだよな。」

 

「お前も聞こえたのかあの爆発音。あくまで噂だけどよ、戦闘があったらしいぞ。」

 

「マジかよ。鎮守府は何やってんだよ。」

 

「大方、その鎮守府を狙った奇襲ってネットじゃ上がってるぞ。」

 

 

今日は皆何かの話で持ちきりらしい。

なになに?今朝はニュース見てないから知らないんですよ。

 

「そういえば。西野さんの家の方向って鎮守府がある方だけど大丈夫だった?」

 

「何が?」

 

「何がって‥‥昨日何やら爆発があったみたいで、目撃者によると砲撃戦だったらしいの。ニュースでもやってたよ。」

 

「いやー今朝は寝坊しちゃって‥‥へぇーそんなことが‥‥」

 

少し思い出した。昨日花火か何かと思ってたあれのことだろう。

 

「まぁ、敵も小規模だったらしいからすぐで撃退されて被害も出てないらしいけどね。」

 

う~ん、襲撃事件ねぇ‥‥

 

 

ま、まさかあの子、ホントに‥‥

 

 

 

 

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「うんん?」

 

その頃西野さんの自宅では彼女が唸っていた。

 

 

彼女は西野に読んでおくようにと出る直前に渡された本を読んでいた。タイトルはメイドの歴史。

 

「つまり、メイドとは主人の身の回りのお世話をするお役目というわけですね。つまり、艦隊旗艦とその配下のような関係をイメージすれば良いのでしょうか?」

 

人の感覚がイマイチわからない彼女は彼女なりの理解の仕方で必死に理解に努めていた。

 

「この家事とは何のことでしょうか?うーん‥‥うん?」

 

 

彼女はある事に気が付いた。

人の気配である。入り口の方に人がいるようだ。

 

 

「西野さん‥‥ではないですね。」

 

この時、彼女は出かける時に西野に言われた事を思い出した。

 

 

『そ、それじゃあ行ってくるから大人しく留守番しててね。』

 

『あの‥‥留守番とは?』

 

『えっ?そうね‥‥私がいない間この家を守る仕事よ!』

 

『守る‥‥わかりました!私、身を呈してでもここを死守します!』

 

 

「フフフ‥‥」

 

 

 

 

 

「アニキ~早くしようぜ。」

 

「まぁ慌てるなって、どうせこの時間はここの奴はいないんだ。ゆっくり仕事ができるぜ。」

 

西野宅に侵入を試みようとしているのはアニキと呼ばれたスキンヘッドとその舎弟の両耳にピアスをした男だ。

 

 

「まっ、どうせいたとしてもここの住人は女だしな。」

 

「ギヒヒッ、ノープロですね!」

 

ガチャ

 

「よしっ!開いたぞ!」

 

西野宅に侵入する二人、中には誰もいない。

 

 

「さぁ~てと、どこから探すかな。」

 

「アニキ!後ろ!」

 

ところが二人の後ろ、丁度退路を塞ぐ形で彼女が立っていた。

 

 

「フフフ‥‥入る所を間違えてますよ?けれど残念、アナタ達の帰り道はもうないのよ。」

 

 

「あん?住人いたのか?邪魔されないように痛めつけて‥‥」

 

 

彼は彼女をただの少女と思った。が、しかし不運なことに彼女は深海棲艦、たかだか人間二匹でどうこうできる相手ではなかった。

 

彼女の左腕に大きな口の装備が現れる!

 

「ヒィー!な、なんだ!」

 

「あ、アニキ~!?」

 

 

ぎゃあああああああああ!

 

 

 

 

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「あー今日も疲れたな‥‥」

 

仕事が終わりマンションに帰って来た西野さん。

 

 

そのマンションの入り口近くでは、

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい‥‥」

 

「今日からまっとうに生きます今日からまっとうに生きます今日からまっとうに生きます‥‥」

 

スキンヘッドとピアスの男達がぶつぶつ何か呟いていた。

 

 

「ただいま~」

 

「おかえりなさい西野さん♪」

 

「何も問題はなかった?」

 

「はい♪あ、そういえば、今日部屋を間違えた人がいました。」

 

「へぇ~で、その人にどう応対したの?」

 

「はい、正しい所を教えて差し上げました。」

 

「そっか。(表のは思い過ごしかな?)」

 

「あっしまった。」

 

彼女は何かを思い出したようだ。

こほんと改まる。

 

「お勤めご苦労様です西野さん。お食事の準備ができております。」

 

「おおっ!なんかメイドさんっぽい!」

 

「えへへ♪」

 

キッチンから彼女が持ってきたものを見て西野は絶句した。

 

 

「どうぞ!」

 

「いや、どうぞって‥‥」

 

彼女が持ってきたのは黒い塊に黒いドロドロした液体だった。

 

 

「な、ナニコレ‥‥」

 

「え?消化しやすくする熱した鉄に燃料です。」

 

えーーー?

 

 

「はぁ‥‥これは‥‥」

 

「西野さん?」

 

「一から教育した方が良いかな。」

 

「え?!わ、私どこかおかしかったですか?」

 

「鉄なんて普通食べないよ!」

 

「そうですか?」

 

そう言って彼女は黒い塊を掴むとガリガリ噛み砕いていく。

 

ええっ!本当に食べちゃうの?ああでも彼女は人じゃないし‥‥深海棲艦の食生活ってどうなってるのよ!

 

 

「ああもう!とにかくアナタは人間の常識から教えますね!」

 

 

 

 

 

 

 

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