西野さんちのメ級   作:ユグノート

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第7話 やること無くて死にそうです

 

 

 

 

「~♪」

 

朝食の後片付けをこのメイドが慣れた手つきで行っているとそろそろ出勤時間になった西野が着替えから出てきた。

 

「あ、西野さんお忘れものは?」

 

「え?ああ!それそれ!」

 

ナギサに指摘されて朝食時に確認していた資料を鞄に入れる。

 

この後は今日は多分遅くなるとかその日の予定を伝えられて玄関までお見送りをするのがナギサの朝の日課だ。

 

 

「それじゃ後よろしく。」

 

「はい♪行ってらっしゃいませ西野さん。」

 

仕事に出掛ける西野さんを送り出すナギサの顔は常に笑顔だ。

 

 

 

その部屋を出てマンションの外へ出ると、

 

 

「「おはようございやす!」」

 

「おわっ!びっくりした~」

 

 

最近この辺りで見掛けるようになったスキンヘッドとピアスの柄の悪い二人の男だ。手にゴミ袋や箒を持っているのを見ると今朝も清掃をしているようだ。

 

「おはようございます‥‥」

 

「お仕事ッスカ?頑張ってくだせえ。」

 

「それにしても兄貴、朝からの一仕事は気持ちいいですね!」

 

「そうだな。いい事をするのって気持ちいいよな。そろそろガキどもが登校する時間だ。いくぞ。」

 

「ああ!あれっすね!」

 

「おう、あれだ。グヘヘヘ~」

 

 

何をする気なのか気になるが彼等が持っている黄色の旗が全てを物語ってるので聞かないことにする。

 

二人は掃除道具を片付けるとそそくさと去っていく。

 

 

(そう言えばナギサがうちに来たのと時期的に被るような‥‥気のせいかな?)

 

 

ナギサに送り出され、元気のいい不良?に挨拶をされて驚きつつバス停に向かう。

 

これが西野さんの新しい朝だった。

 

 

 

 

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「嗚呼、驚いた西野さんかわいい~♪」

 

西野さんを送り出した後ナギサは窓を拭いておりその一部始終を見ていた。

 

 

「キュキュっと~♪はい、ピカピカです。さて、次は‥‥」

 

窓を閉めて次の仕事は何かと辺りを見渡すナギサだが毎日掃除された部屋に汚れはおろかホコリ一つあるわけもなく綺麗だった。

 

 

「そう言えばする事ないから朝から窓拭きなんてしてたんだ‥‥」

 

この後の仕事と言えば買い物は‥‥買い置きしているのでしなくていいから晩ごはんを作るくらいだ。しかしそれまでは何もする事がない。

 

 

「暇ですね‥‥」

 

ソファーに座りただじっとしている。

ただ時計の音しか鳴っておらずシーンとなる。

 

ここまで暇なのははじめてだ。これまでは仕事に不慣れだったり人間の常識を勉強したりで時間が余るなんてことはなかった。

 

つまり私は一人前のメイドになったと言うことですね!

 

 

ということはこの暇は熟練メイドへと至る者に課せられた試練と言うわけですね!(そんなわけない)

 

よーっし!私は打ち勝ちますよ!

 

 

 

 

30分後‥‥

 

 

 

「暇死にする~~~」

 

もう耐えられなかった。

溶けてソファーにこびりつきそう‥‥

 

あ、そうなればソファーの掃除ができる‥‥何言っているのだ自分は‥‥

 

 

「西野さん‥‥」

 

西野が帰って来るまで軽く後十時間もある。今のナギサには一年待てと言われているようなものだ。

 

 

「朝の西野さん、眼福だったな‥‥」

 

朝の何気ないところであんなに素敵なのなら普段仕事をしている時等はどんなにカッコいいのだろうか。

 

「きっと、いえ絶対カッコいいに決まってる。」

 

一日の会えないほとんどの時間、あの人は何をしているのだろう。きっとそこには私の知らない西野さんが‥‥

 

 

ピンポーン♪

 

 

「‥‥誰です?人の妄想の邪魔をする人は。ハーイ!」

 

と言いつつもしっかりメイドとして反応してしまうナギサである。暇をしていた体は喜んで玄関へと向かった。

 

 

「郵便ですか?て、アナタですか。」

 

「ハッ!失礼致します。」

 

やって来たのはリ級だ。

 

 

「よくここがわかりましたね‥‥」

 

「捜索は自分の得意分野でございます!」

 

「‥‥まぁ、立ち話は何ですし入って下さい。」

 

 

 

 

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「それで?何かご用で?定期連絡は明日だった気がしますけど。」

 

「申し訳ありません。実は明日は別のよう‥任務が入ってしまった為どうしても‥‥」

 

「任務ですか。それは仕方ないですね。それでアナタが手に持っているそれは?」

 

「これですか、実はですね。今日はこれについて姫様からの意見を聞いて来いと言われまして。」

 

「何やら重装備ですね。新しい電探ですか?」

 

「いえ、これは開発群が新しく発明したハイド装置です。」

 

「ハイド?隠れるって意味かしら。」

 

「はい、なんでもそれを使えば特殊な電波が全身を覆います。するとステルス機能は勿論のこと、迷彩、それも完全に視界から消えるレベルのもので音や熱も探知されない完全に隠れられる優れものらしいです。」

 

「す、凄い!こんなの艦隊に配備できれば無敵じゃない!夜襲、強襲は絶対に成功するわ!」

 

「だと思ったのですが幾つか問題が‥‥」

 

「何かしら?」

 

「まず装置制限です。少し重くて大型艦にしか装備できません。またかなりのエネルギーを消費しますから例え姫でも戦闘行為が行えません。」

 

「何それ致命的じゃないの。」

 

「はい、なので総司令から夜戦、強襲の専門家であるアナタ様の意見が聞きたいと。」

 

「え‥‥」

 

大型艦にしか使えず装備している間は戦えないなんて、どう使えっていうのよ。戦闘目的以外、例えば偵察とか‥‥

 

でも大型艦にそんな事をさせるなんて‥‥

 

 

「試しに使ってみないと‥‥これは私も使えるのかしら?」

 

「はい、姫クラスであれば誰でも使えるかと。」

 

「わかりました。少し試させていただきますので預かってもいいかしら?」

 

「もちろんです!どうぞ!」

 

ナギサはハイド装置を受けとる。

 

「次の定期連絡までに私からの意見をまとめさせてもらうわ。」

 

「わかりました。では本日はこれにて。」

 

 

 

 

ナギサはリ級が居なくなった後に試しに装置を装備してみた。

 

「確かに少し重いわ。イ級とかに着けたら沈みそうだわ。」

 

装備を起動し鏡を見てみる。

 

「凄い!自分が見えない!」

 

試しに色々ポーズを取るがどれだけ動いても見えない。

 

 

「これが人間とかに効果があるか試してみましょうか?」

 

例え効果がなく見えてても私なら町を歩いてても問題ありませんね。

 

 

「早速お出かけです!」

 

 

 

暇で仕方のなかったメイドの元に突然舞い降りたオモチャ‥‥はたして、その威力はいかなるものなのだろうか?

 

 

 

 




後半へ続く~
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