晴れて恋人同士になった2人…だが、災難はすぐに降かかる…。
「悠く~ん?あっちの部屋の掃除まだだよ~?」
「は、はーい!」
「悠くん~?それが終わったらこっちの片付けもしてね~?」
「は、はーーーーいっ!!」
千歌に指示されて部屋を行ったり来たり。
決して旅館の仕事のお手伝いをしている訳では無い。
それは遡る事…朝の出来事。
「悠くん、今日は真剣なお話があるわ~?」
「えっと…志満さん、なんですか?」
朝、志満さんと美渡さんと千歌と千歌のお母さんと俺の5人は同じ食卓に並んでいた。
その時志満さんから話があるというので聞いているところだ。
「悠くんと千歌が付き合うことになったのはすごくおめでたいし嬉しいのだけど…私たちの条件として…
悠くん、貴方はここの''跡取り''になってくれないかしら?」
「……えっ?」
「つーまーり、一応今のところ女将は志満姉さんってことになってるんだけど…2人とも高校三年生になったろ?
来年卒業したら、本格的に2人ともここで働いて欲しいってこと」
「つまり…支配人とかそういうことですか!?」
「そうっ♪千歌ちゃんは若女将になるってこと~♪」
ぱちぱち~と手を叩く千歌のお母さん。
「ち、千歌からも何か言ってやってくれよ~…?」
「……ごめんね、悠くん
これは…私の憧れでもあったんだ」
「…憧れ?」
「いつか…大好きな人と一緒に…この十千万をもっともっといい旅館にしたいって」
「…千歌…」
「悠くんが頑張ってくれるなら…若女将…ううん、高海千歌として…支えたいから///」
「……千歌……………分かった。
旅館の娘と一緒になるってことはそういうことだもんな
…やります、やらせてください!」
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……と、朝は意気込んで居たが…。
「い、いざやるとなると…重労働だな…」
「悠くんっ、お疲れ様♪」
作法や仕事の内容の暗記。
後は会計や掃除など…挙げたらキリがない。
「…千歌って凄いよなぁ…こんな仕事を易々とやりきるなんて」
「んー、昔からだからかな?」
「慣れって凄いなぁ…」
「…ねぇ、悠くん?///」
「…ん、千歌…?」
「休憩のついでに…少し甘えたい…かも///」
「…うんっ、いいよ…おいで?」
「えへへっ…わーいっ♡///」
嬉しそうに広げた両腕の中に千歌が飛び込んでくる。
「これから私達はどういう道を行くんだろうね…?///」
「わかんね……けど、ドキドキハラハラ…ワクワクするような道かもな」
「2人なら…乗りこえられる?♪」
「当たり前だろ?」
「えへへっ、悠くん大好き…っ///」
そのまま、奪うように千歌の唇を塞ぐ。
舌と舌を絡ませる音が部屋に響く。
「…ねぇ、悠くん?///」
「…んっ?」
「子供は…何人欲しい?///」
「…飛躍したなぁ…随分」
「えへへ…きっと将来…十千万の前で私と悠くんと…子供と…みんなで笑ってる姿を想像したら…なんだか、すごく嬉しくって…早くそうなりたいなぁ…って…///」
「その前に別れてるかもよ?」
「もーーーっ!悠くんの意地悪っ!///」
頬をぷくーっと膨らましながら怒る千歌。
さすがにからかいすぎたか。
「…そんなの…やだよ///
私はいつでも…ずっとずっと…悠くんのそばにいたいもん…///」
「…そうだな、俺も一緒だ」
「…出逢ってくれて…ありがとう///」
「こちらこそ…ありがとうな、千歌」
ぎゅっと握った手はずっと離れようとしなかった。
俺と千歌の心が固く結ばれてるかのように…。
「…へへっ、お仕事戻ろっか♪」
「だな、また怒られちまう」
「もう少しだよっ…続きは…また夜ね?///」
「…お、おうっ…」
いつの間にか色っぽい笑みを浮かべる千歌に
俺の胸の高鳴りは収まることを知らない。
(今の笑顔…反則だろ…っ)
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「んーーーっ、気持ちい~~♪」
旅館の勉強も終わり
ゆったり浴場の湯船に浸かる千歌……俺。
──────そう…''2人''で。
「…千歌…」
「あっ…///」
抱き寄せると千歌は恥ずかしそうに顔を背ける。
「さっきの続き…いいかな?」
「…ゆ、悠くんって…こういう時は…オラオラ系、だよね…///」
「……嫌い?」
「……嫌い…じゃない…///」
「いい子だ…」
「んっ……っ!///」
今日何回目かわからない口付け。
「あっ…頭…ぼーっとしちゃう…///」
「ごめんごめん、千歌とのキス…なんか気持ちよくってさ…」
「もぅ…でも、千歌も好き…♡///」
結局、お互い上せるくらいまでキスをしあった。
上がった時に美渡さんに怒られてしまったが…。
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次の日の朝…
今日は日曜日だしゆっくり寝……
「悠くんっ、悠くん!
あさだよっ♪」
───れなかった……
「んん…あと50分と25秒…」
「なんで秒まで刻むのっ!
…ああ、でも悠くんの寝顔可愛いからつい甘やかしたく…///」
1人で悶々としながら携帯のカメラで写真撮る千歌。
「…新手の起こし方かよ…」
「え、えへへ…つい…でも起きたんだから良し!だよっ♪」
「良しじゃなーいっ」
「わあぁっ!?///」
まだ半分寝てるような状態で千歌をこちらに引き寄せる。
「千歌もきょーはんだー…zzz」
「わ、わわっ…悠くんまた寝ちゃった…!!」
しかし、すぐ目の前にある大好きな人の寝顔と寝息を見ているとつい許してしまいたくなる。
「しょーがないなぁ…悠くん…もう少しだけ、だからね…///」
起きないように耳元で囁く。
気がつくと2人とも静かに寝息を立てていた。
次で千歌ルートはおしまいです!
その前に!
ルビィちゃんの誕生日特別編を次回更新します!
お楽しみに!
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