「おーいっ!悠くんこっちこっち~!♪」
時も巡り…去年同様俺と千歌は夏祭りに来ていた。
先程まで曜と梨子も一緒だったが…気をつかってくれたのか今は俺と千歌の2人きり。
「おいおい、あんまりはしゃぐと転ぶよ~?」
「その時は悠くんに助けてもらう~♪」
若干ハイテンションで、露店を回る千歌。
その手にはチョコバナナやらかき氷やらラムネが抱えられていた。
「(千歌とこうして夏祭りに来るのも…2回目、か…)
……願わくば…これから先も…こうやって来たい、な…」
「悠くん~?どうかしたの~?」
「ううん~なんでもないよ!」
千歌の後を急いで追う。
この願いは…俺次第だし…きっと千歌も同じことを考えてくれているだろう。
そう思うと自然と笑みが零れた。
「悠くん楽しそうだねっ♪」
「千歌と一緒だからね」
「そ、そういうこと普通に言っちゃうもんな~…///」
「へへっ……あ、そろそろ花火上がるみたいだよ?」
「一年ぶりだ~っ!♪」
神社の境内に座り空を見上げる。
あの時と同じ…花火が無数に空を彩る。
「………」
「………………?///」
無言で千歌の方を見つめると千歌が顔を赤くしこちらを見つめる。
考えてる事は────1つ。
「……………千歌…」
「…悠くん………///」
花火が空に上がり続ける中俺と千歌は唇を重ねた。
聞こえるのは花火の音と…少し荒くなった千歌の息遣いだけ…。
「…なぁ、千歌…」
「…な、なぁに…?///」
「───────好き、だよ」
「あっ…………………//////」
「あの時の…言葉…
今度は…ホントの…心からの…好きって気持ち
ちゃんと…彼氏としての…好きって言葉」
「悠くん…っ///」
「もう少し…こうしていたい…」
「うん…私、も…っ///」
花火が打ち終わるまで俺と千歌は手を重ね合わせながらずっとキスをしていた。
お互いの好きという気持ちを…伝え合うかのように。
────────────────────
「……そういえば、ね?」
「うん?」
夏祭りの帰り道、千歌が腕に抱きつき喋り始めた。
「初詣に行ったよね?
あの時におみくじ引いたら…小吉だったのっ」
「それは…またなんとも言えない運勢だな…」
「でもねっ?
恋愛は…''衝突もある''
結婚は……''身近な人に縁、あり''…って…」
「あははっ、変なの矛盾してるし」
「…ゆ、悠くんは…結婚…したい…?///」
「……い、言わせんなよ…」
「お、男の子なんだしそこは真っ直ぐに想いを伝えてよー!///」
「だあああああ!したいにきまってんだろ!!」
「なっ…────────//////」
千歌の数歩先を歩きビシッと指を差す。
「いいかー、よく聞け!
俺がちゃんと十千万を継いで千歌のお母さんや志満さんや美渡さんに認めてもらったら千歌と結婚する!
言ったからには絶対にやり遂げるからな!」
「悠くん……///」
「…だから…その…''何があっても…俺のそばにいろ''」
「……っ…!……うんっ!!//////」
時には喧嘩したり意見が不一致することもあるだろう。
でも俺と千歌なら…喜ぶ時も…怒る時も…悲しい時も…楽しい時も…全て分かち合える…考えすぎだろうか?
「……いや、お前のその笑顔が何よりの証拠…だよな」
「えっ??」
「なんでもない、千歌は千歌らしくいてくれよな」
「うんっ!」
そう、太陽のように明るい君と…これからもずっと…。
千歌ルート
Fin
千歌ルート完結です!
(各ルート完結ごとにR版に動きが…?)
次回は誰のルートになるのでしょうか!
お楽しみに!
評価・感想・お気に入り登録よろしくお願いします!