「あ、はい…ダイヤさん怖いっす…」
「ぶっぶーですわー!」
「ほら、千歌さんだってこう言って……ってそれは私のセリフですわ!」
「すいません…ほんとすいません」
「それで、今回は?」
「いや、仕事が忙しかったんですよ…果南さん」
「マルインパクトするずら?」
「い、嫌っす…」
「じゃあ堕天?」
「それも嫌っす…」
「まぁまぁ、次回から気をつけて、ね?」
「梨子ちゃんまじ天使…!」
ということで更新遅れてすいません…!
「ごめん、皆おまたせ」
「あー、遅いよ悠くん!」
「あはは、ごめんごめん」
「どこか用事あったの?」
「うん、まあ少しね…そっちは?」
「うんっ、順調だよ!」
自信満々に敬礼をする曜。
「やっぱり踊るのって楽しいね、ルビィちゃん」
「うんっ!」
顔を合わせて笑顔で答える花丸ちゃんとルビィちゃん。
「ヨハネともなればこれくらい当然よね♪
もうリトルデーモンのみんなもヨハネの虜ね♪」
ギランっと独特のポーズを取る善…ヨハネ。
「…………」
一方、どこか不安な梨子。
「…梨子?」
「あ、う、うん。私も大丈夫だよ」
「…そうか?」
どこか焦るように答える。
「千歌達頑張ったんだからね!」
「よーしよし、よく頑張ったな~」
頭を撫でる。
周りからの視線が若干痛い。
「仲良いずら~」
「ヨハネに挑戦状かしら…」
「あ、あはは…千歌ちゃんは昔から甘えん坊だからね…」
「ルビィも昔はお姉ちゃんにやってもらってたな…」
「……………」
「今日はこれくらいで解散しようか」
「そうだね、私は少し砂浜走ってようかな」
「あ、私も一緒に走るー!」
「マルはもう少し自主練しようかな…」
「ふっ、しょうがないわね。
ヨハネも手を貸してあげましょう」
「善子ちゃん、やっぱり優しいねっ」
「だからヨハネよ!」
「あはは…みんな練習のあとなのに元気だなぁ」
「……そ、そうだね」
「梨子はどうしたんだ、元気ないぞ?」
「あはは…ちょっと……ね……」
「良かったら話聞くよ?」
「じゃあ…少し場所変えよっか」
────────────────────
連れてこられたのは音楽室。
ピアノの前で座ると少しピアノを弾き始めた梨子。
静かに近くに座り、響くピアノの音に耳を傾ける。
流石賞を取るくらいの腕前だ。
聞いてて心が落ち着く。
「……ふぅ」
2分……いや、それ以上長く感じた。
「私………ね」
「うん?」
「歌うのが…あんまり得意じゃなくって…」
「…だから、元気がなかったのか?」
静かに頷く梨子。
「足引っ張っちゃったらどうしようって…」
「何だ、そんなことか」
「そ、そんなことって…!
私にとっては……!!」
「梨子は綺麗な歌声してると思うけどな」
「………えっ?」
「だーかーら、綺麗な歌声してるって」
「そ、そんなこと…」
「あるよ。
梨子がないって言っても俺はあるって言い続けてやる」
「…ど、どうしてそこまで言えるの?」
「試せば分かるよ……なにか有名なデュエット曲とか弾ける?」
「じゃ、じゃあ…この前ドラマで話題になったあの曲とか…?」
「ん、それならOK」
俺の返事を聞き、弾き始めた梨子。
それに合わせて歌い始める。
最初は戸惑ってた梨子だが、Bパートに入った瞬間梨子の歌声が聞こえた。
言った通り、綺麗な歌声だ。
これをこのままにしておくなんてもったいない。
いつしか、音楽室は2人のステージとなっていた。
────────────────────
そしてその2人をこっそり見る人物達が…。
「気になって来てみたけど…あの2人仲良さそうだね」
「私的には、悠くんが歌結構上手いのが驚きだけどね」
「女装して出てもらう?」
「千歌ちゃん、さすがにそれは無理って言うと思う…」
「冗談だよ~…でも梨子ちゃん、楽しそうだね」
「そうだね、これでいい自信につながってくれればいいんだけど…」
────────────────────
「………ほらな、歌えただろ?」
「そ、そうするなら最初からそう言ってくれれば…!」
「そうしたら、緊張するだろ?」
梨子の両肩に優しく手を置く。
「もう少しリラックスしろ、そしたら緊張も無くなる」
「あっ……うん…分かった」
手を置いて数秒後、ボディタッチしたことに気がつく。
さすがに嫌な顔される…かと思いきや。
「歌えたのは…その…悠くんのおかげっていうか…その…」
髪の毛をいじりながら喋る梨子。
心なしか顔が赤い。
「だから…ね、ライブの時も…しっかり見てて欲しいなって…」
「当たり前だろ、特等席から見させてもらうよ」
「約束だからね?」
「ん、約束だ」
指切りげんまんをし、どちらからともなく笑い合う。
「帰ろっか」
「そうだね、すっかり遅くなっちゃった」
「でもいい歌声聞かせてもらったし耳が幸せ幸せ」
「も、もー!掘り返さなくていいからー!」
帰ろうと学校を出た時、梨子が小さな声でありがとうと言った気がしたが…多分気のせいだろう。
その帰りのバスの中では2人とも熟睡していた。
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次回、ライブへのラストスパート編