Aqoursな日々   作:A×K

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千歌ルートからの~……果南!
いってみよー!


果南ルート
果南ルート① ~ハグかそれとも~


「……………」

 

携帯とにらめっこをする。

メッセージアプリの送信ボタンを押せないまま

かれこれ20分は過ぎただろうか。

 

「くぅっ…うううっ…!!」

まるで触らないものを何としてでも触るかのように指先に力を入れる。

しかし、まるで磁石のように反発しなかなか送信ボタンが押せない。

 

「…だ、ダメだなぁ…覚悟決めたのに…」

 

メッセージはこう打った。

【明日…10時に…淡島遊歩トンネルで待ってる】

 

この一言。

なのに送信が押せない。

 

「……えええい!」

目を瞑り指で送信ボタンをタップする。

そしてそのまま携帯をベットに投げ捨てそのまま自分のベットにダイブする。

 

(寝よう!返事なんか見れない…っ!)

結局、そのまま俺は眠りについてしまった。

 

1時間ほどすると…果南から返事が来た。

もちろん俺は寝ていたけど…。

 

【いいけど…どうしたの、悠?】

…まぁ、こんな風に返されるのは目に見えてるよな…。

と思ったのは朝起きてからだった。

 

 

────────────────────

 

次の日……

 

 

俺は連絡船に乗り淡島へと向かった。

…ダイビングショップの前に行くと…果南の姿はなかった。

 

(少し早く来すぎたかな…)

時刻は9時25分…まだ約束の時間までは30分以上ある。

 

(…先に行って待ってよう…)

ダイビングショップを横切り…俺は遊歩トンネルへと向かった。

 

 

────────────────────

 

【果南 視点】

「もー、悠ったら返事返してくれないし…」

お風呂から出て髪の毛を結いてる私は思わず愚痴が出た。

今の時間は9時25分…昨日の夜送られたメッセージに返事をしたが…逆に返事が返ってこない。

 

 

「後で会ったら説教するよねっ…もうっ」

…というのは冗談で…本当は彼がなんで私を呼び出したのかが気になって仕方なかった。

 

「…少し…早めに行こうかな…?

…ああ、でも…約束の時間の方が…いい、かなぁ…?」

心無しか私の服を選ぶ時間が…いつもより少し…早くなっていた。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

「……………」

 

遊歩トンネルの壁にもたれ掛かり静かに時間が来るのを待つ。

何人かが目の前を通り過ぎたが俺は目もくれずただずっと時間が過ぎるのを待ってた。

 

 

「悠…っ!」

「あっ……おっす…ごめんな、急に呼び出して…」

「もぅっ、ほんとだよ~…って、まぁそれは許してあげようかな……」

「…ん、ありがと…」

 

青い照明に魚のライトがチカチカと点滅する中俺と果南の間には沈黙が生まれた。

 

「…………………」

「………………………」

 

「……………………………」

「…………えっと……」

「…果南が……………」

 

ようやく口を開い始めた両者。

そこからポツリ…ポツリと言葉を繋げる。

 

「…絶対にスクールアイドルはやらないって…最初は言ってて…でも…ライブを見てくれて…考えが変わって…千歌の為にも…そして…自分がスクールアイドルをもう一度やりたいって思ってくれて…嬉しかったよ」

「も、もうっ…急にどうしたの…?

…思い出話をしに来たの?」

 

と、果南は苦笑いするが俺の口は言葉を止めることを一切しなかった。

 

「…スクールアイドル部以外でも…泳ぎを教えてくれたり…家に招待してくれて…美味しいご飯作ってくれたり…

…初めての…キスも…果南、お前だった…」

「悠………?」

 

俺の様子がおかしい事に果南もようやく気がついたようだ。

 

「その……ごめん、上手く言葉に出来ないんだ…

ただ…伝えたいことを…精一杯表現するなら…

まだ完全に泳げないし…年下だし……背もそんなに大きくない…けど……果南の…ダイビングショップの手伝いをしたい…!」

「……それって……」

「…っ……─────好きだ!果南!」

「っ…!!!///」

 

今できる最大限の想いを果南に伝えた。

彼女はその言葉を聞き…絶句した。

 

「…もし…果南が良ければ…ハグ、してくれ…

…ダメなら…遊歩トンネルから…出てくれ…」

イエスかノーか…答えは2つに1つ…。

 

両腕を広げると…果南は…。

 

「バカっ……答えなんて決まってるのに…っ!!///」

目頭を熱くしながら俺の元に飛び込んで来た。

 

「悠…っ…悠…っ!!!///」

「…良かった……嬉しいよ…」

「悠…っ…私も…嬉しい…っ…!///」

ただ俺の名前を繰り返す彼女の姿が愛おしかった。

 

「…ほん、とに…私で…いいの…?///」

「果南じゃなきゃ嫌だ」

「悠…っ……うっ…ああああっ…!!!」

泣きじゃくる彼女の頭をそっと撫でる。

いつの日か…撫でた時とは違う。

これからは…そばにいて…どんな事でも…受け入れて…。

 

困った時は助け合って…。

悲しい時は精一杯励ましてあげて…。

疲れてる時は…元気してあげて…。

 

今もこの先も…変わらぬ大好きのままでいたい。

「果南…好きだ…大好きだ」

「悠…っ…私も…っ…大好きっ!///」

少し背伸びをしてキスをする果南。

 

思えばファーストキスも果南だった。

そして……これは、正真正銘恋人としての…ファーストキス。

 

唇越しから伝わる想いは…十分すぎるほど伝わった。

 

「……へへっ」

「……好き…♡///」

「俺もだよ、果南」

「…ねぇ…?///」

「…ん?」

「…これからは…悠…くんって…呼んでいい、かな…?///」

「えっ…急だな…どうしてだい?」

「その方が…年下の彼氏くんって感じ…がして…///」

「なら俺もちゃん付けた方が…」

「お、男の子は呼び捨ての方が男らしいの!///」

「そ、そうなの…?」

 

「じゃぁ…決まりね…悠くん…っ!///」

 

 

 

 

遊歩トンネルに来る時は…1人だった。

しかし出る時は…2人で…手を繋いで…。

決して離さないくらい…強く強く握りあった手で…。




果南ルート②に続く!

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