そしてTwitterのスクスタプレゼント企画で桜坂しずくちゃんのミニ色紙が当たったので虹ヶ咲はしずくちゃん推していきます。
「はいっ、悠くん。
お給料~♪」
「えっ?」
ダイビングショップの手伝いをしてたある時、果南が茶封筒を渡してきた。
「い、いや…俺手伝いでやってるだけだよ…?」
「お父さんがね、悠くんのおかげで結構客足増えてるから少しでもって!」
確かに、土日は基本果南のダイビングショップの手伝い。
学校終わりでも時間があればちょくちょく足を運んでいる。
泳ぎはダメだが接客などは板に付いてきたとは思っている。
「そ、そうなの……?
…じゃあ…ありがたく貰うよ」
「うんっ、初めてのお給料なんだし有意義に使いなよ♪」
とは言われたものの…これと言って欲しい物も無い。
お給料の使い道は…とりあえずこの後、考えるか。
そして変わった事と言えば…もう1つ。
「悠くん~♪」
「わわっ…果南…胸押し付けすぎ…っ」
果南の家に泊まる回数が増えたという事。
付け加えるなら甘える回数も増えた。
「悠くん、胸が好きなの知ってるもん♪」
「あ、あのなぁ~…」
「あははっ、その困ってる顔も好きだよっ♡」
「……ず、ずるいぞ…果南…」
「あっ、恥ずかしがってる~♪
可愛いんだから、もう♪」
時にお姉さんという感じを醸し出す時もあれば。
仔猫のように甘えてくる時もある。
付き合い始めたが…面白い彼女だ。
「ほら、寝るよ果南」
「明日はそんなに忙しくないみたいだから学校終わったらフリーで大丈夫だよっ♪」
「んじゃ、夜にまた家に行くよ」
もっぱらこんな会話も増えてきた。
十千万よりも果南の家の方が断然に行く回数も多い。
(こりゃ本格的に移住も考えないとな…)
「ん、悠くん…どうしたの?」
「ん?…あぁ、果南と付き合ったこと…母さんに
報告しないとなって」
「私もしないとな~…」
「果南のお母さんは…今どこに?」
「東京だよ、最近は年に1〜2回くらいしか帰ってこないんだ~」
「へぇ~…まぁ、俺も人のことは言えないな…」
「でもね、お父さんは大賛成だったよ♪」
「期待には応えないとな」
「悠くんならできるよ♪」
おやすみのキスをし、俺と果南は一緒に眠りについた。
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次の日の朝…。
「おーい、悠くん~?」
時刻は7時。
一足先に起きた果南が悠の事を起こしていた。
「んん…っ…あと10分…」
「昨日も手伝い頑張ってたもんね…♪
…んー…寝かせてあげたいけど…学校遅刻するわけには行かないもんね…おーきーてっ♪」
「やだ…ぁ…」
反抗するように寝返りを打つ。
すると、果南があることを閃いた。
「起きないと…こうしちゃうぞ~っ!♪」
自分の胸をこれでもかと悠に擦り付ける。
びっくりした顔をして悠が目を覚ます。
「なっ………な、ななっ…なにやってんのっ!?!」
「あっ、悠くん起きた♪」
「う、うっ…この感触…」
「あぁ…ごめん?…何も付けてないから…」
「…違う意味で遅刻しそうだよ…」
「変な事言ってないで早く顔洗ってきなよ♪」
「…おう」
心地よい目覚めのような
複雑な目覚めのような…なんとも言えない心情で顔を洗い朝ごはんを食べる悠だった。
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放課後になり、1人商店街を歩く。
「初給料ねぇ…欲しいものかぁ…」
学校で使う物や服といったオーソドックスなものはすぐ浮かぶが…。
「とりあえず…コーヒーでも飲むかぁ…」
1人喫茶店…やば珈琲に入りコーヒーを舌づつみ。
しかし、ここで気がつく。
(これって初給料の有意義な使い方かっ!?)
冷静になり喫茶店のテーブルで初めての給料の使い道を考える。
…と、言っても結論はすぐに出た。
「やっぱり果南に何かあげたいなぁ…」
お世話になってる気持ちと…彼氏としてなにかプレゼントを…と考えていた。
──────────────────
「……これ…気が早いかな…」
喫茶店を出てすぐに目に留まり手に取ったのは…指輪。
ペアリング…なんて、まだ早いかと思っていたが…。
「…果南…こういう似合いそう」
不思議と指輪を付けてる果南を想像すると…凄く似合ってるのが目に浮かんだ。
「…えっと…すいませーんっ」
店員を呼び自分のサイズを確認する。
そこから逆算して…大体の果南の指のサイズも把握する。
(……あ、合ってますように…)
祈るような気持ちで包装された指輪をカバンに入れ果南の家へと向かった。
バスに乗ってる道中…渡し方について考えた。
「…普通に渡すのが…1番、かな…」
オシャレにどこかに隠して本人をそこに誘導して発見させて驚かせて………なんて、そんな器用なこと出来ないし…。
「…やっぱり直接渡そう…2人きりの時」
【次は~淡島マリンパーク…淡島マリンパーク】
「やべっ、通り過ぎちまう!」
急いでバスを降りて連絡船の乗船場に向かう。
多分、果南はまだダイビングショップの手伝い中だろう。
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「おかえり、悠くんっ♪
…?…なんだか、ソワソワしてるけど…?」
表のデッキのところで頬杖を付きながら果南が呟いた。
「…水着姿がその…健康的ないやらしさが…」
「あははっ、悠くんも男の子だもんね~♪
…ごめんごめん、大丈夫だよっ…他の人には見せないもん♪」
「そんなことあったら困るっつの…」
「意外と~…悠くんってヤキモチ焼き?♪」
「こんな可愛い彼女…独占したいに決まってるだろ」
「…あ、あはは…嬉しいよ…///」
からかってたはずの果南がいきなり顔を赤くする。
……あれ、これ渡すのに良い雰囲気じゃない…?
「…あの、さ…果南…」
「…ん、どうしたの?」
「…少し…目を瞑って…?」
「…えっ………こ、こう…?」
言われた通り…目を瞑る果南。
そして…ゆっくりと近づき、手を持ち上げる。
「…ゆ、悠くん…???」
「まだ…開けちゃダメだよ」
静かに取りだした指輪を果南の薬指に通す。
…そう…''左手の薬指''に。
「…えっ…?!///」
目を開けていいと言う前に果南が目を開けてしまった。
「…良かった、サイズぴったりだ」
「ゆ、悠くん…っ!?///」
「初給料の使い道は…お互いの心に残るものがいいなって……それで探してたら…ペアリング、見つけた」
「で、でも……っ!///
恋人同士…右手の薬指じゃ…っ!///」
「………果南」
「は、はいっ!///」
「これは…俺からの幸せの前払い
…この左手の薬指に…指輪をしたからには…絶対にお前と結婚する
1度嵌めた指輪…絶対に取らせない」
「悠くん…っ…!///」
「…なんて…少しキザだったかな?」
「ううん…待ってるよ…未来の旦那さん…っ///」
夕陽が海を照らす中…俺と果南は口付けをした。
この日交した約束…そう遠くない約束。
いつか…彼女を最愛の妻として迎える日まで…
彼女に似合う男になろう…そう心に決めた俺だった。
次回で果南ルートラストです!
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