今部屋にタワーができてる状態なうです←
ピピ……ピピ……ピピ……ピピ………。
「う……ぅん…っ…」
眠い目を擦りながら鳴ってるアラームを探す。
…しかし、見当たらず音だけが鳴り止んだ。
「…ふふっ、意外と朝…弱いんですね♪」
腕枕をした中に聖良が寄り添うようにこちらを見上げていた。
どうやら、アラームは聖良が止めてくれたらしい。
「…起きてるなら言ってくれればいいのに…」
「悠さんの寝顔が可愛らしくて…つい…♪」
「…なんか…良いな、こういうの…」
思わず抱き寄せる。
驚いた声を出した聖良だが、抵抗はしなかった。
「…んっ…そう…ですね…///」
「…2度寝…しそう…」
「だ、ダメですよ…ちゃんと起きてください…っ」
「…はぁい…」
抱きしめていた聖良を離し、頭に手をポンポンと置き、ベットを出た。
「いやー…理亞ちゃんが羨ましいよ…」
「…それは…どうして、ですか?」
聖良の厚意で朝ごはんをご馳走して貰ってる中…。
俺は唐突に話を切り出した。
「だって、こんなお姉ちゃんがいるなんて…ねぇ?」
「悠さんは…一人っ子ですか?」
「うん、だからこういうの…良いなって」
「じゃあ…今日は…悠さんのお姉さんになってあげますっ///」
「………え?」
「まだゴールデンウィークはありますし…その…一緒にお出かけ…したいんです!///」
「…うん、俺もしたい…な」
「…ふふっ…良かったです…///」
嬉しそうに笑う聖良。
俺にもこの光景が…当たり前のように思えてきた。
──────────────────
札幌の街を聖良と共に歩き回る。
東京とはまた違った良さがあり、聖良の説明のおかげで
より一層良さが伝わってきた。
「…そう言えば、お店の手伝いは大丈夫なの?」
「ええ、そもそも手伝いは時間に余裕がある時にしているので……それに…」
「…?」
「今は…悠さんと一緒に居る時間を…増やしたいので…///」
「…ん、俺も同じ気持ちだよ…」
…何故だろう。
こんな会話も違和感がない。
まるで…………俺と聖良が恋人のような気がしてきた。
(いや……のような…って言うのは…間違ってる、よな)
心のどこかで…分かっていた。
俺は……聖良のことが…。
「…ちょっと、お茶してこ?」
「はいっ♪」
2人で喫茶店に入る。
向かい合った聖良の目を見て…話を切り出した。
「……なぁ、聖良」
「…?
…はい?」
「……お前…大学出たら…どうするんだ?」
「……………………」
店員が持ってきた紅茶を目の前に…ただ、聖良が俯く。
「…すいません、まだ何も決めてなくって…」
「…いや、急な話だったよな…ごめんな、変な話をして」
「……いえ…」
2人で黙り込む。
…ええい、黙ってるだけじゃ…埒が明かない。
「…俺、さ」
「…はい…」
「浦の星…卒業したら…東京に就職するつもりでいる
…母さんにも…もう話はしてある」
「そう……なんですか……東京……」
「…聖良っ」
聖良の手を握る。
そして、驚いた目をした聖良に想ってる事を包み隠さず伝えた。
「…俺と……一緒に…住んでくれないか?」
「……えっ!?!?///」
聖良は吃驚した顔のまま言葉を失った。
顔は少し赤く…それでも目を逸らそうとはしなかった。
「…大学卒業したら…俺と一緒に東京で住んでくれ…
その…朝はお姉さんのようにって言ってくれてたけど…
俺はそんなの…嫌だ…だって…俺は…聖良のことが…
1人の女の子として…好きだから!」
「……………………っ……!!///」
「…ようやく…分かったんだよ…
なんで…聖良の声が聞きたくなったか…
なんで…聖良と一緒に寝たり…ああやって抱きしめたりするのが…当たり前のように感じてたか…
それは…どうしようもないくらい…聖良の事が好きだからだよ!
遠距離恋愛なんて無理だ!」
「悠…………さん……っ…///」
「…!
ご、ごめん!俺一方的に話して…!」
「……いいえ…私も…同じです…っ///」
頬を伝う涙…。
そしてより一層力を込めて握られる手。
「…ごめんなさい…私…悠さんに先に伝えてたんです///
昨日の夜…悠さんが寝た…後に…大好きって…っ」
「えっ……そうなの!?」
「ごめんなさい…今の私には…そう言う伝え方した…出来なくて…///
でも…今なら言えます…っ…悠さんの事が…大好きだって!」
「聖良…っ」
「卒業したら…会いに…行きます…っ
その時は…力いっぱい…抱きしめて…下さいね…?///」
「…ああ、ガンガン働いて
聖良の事…待ってるから!」
指切りげんまんをする俺と聖良。
ようやく…伝わった気持ちと…変わった関係。
それが嬉しくって…少し恥ずかしくって…。
でも、隣で一緒に歩いてくれる聖良を見てると…。
「…これが…俺たちの幸せ…だな…」
「?
何か言いましたか?」
「んいや、なんでも…次どこ行こっか?」
「あ、私おすすめしたい場所があるんです!」
「OK、そこにしよっか!」
幸せって…実は身近にあるのかも…と思う俺だった。
────────────────
【3年後……】
俺は東京のプログラム系の会社に就職した。
毎日多忙だったが…何とか過ごしていた。
ピーーーーンポーーン。
呼び鈴が鳴り、玄関を開けると……。
「…悠さん…っ!」
「うおっ………っ!?」
一目散に抱き着いてきた聖良。
「…ただいま…///」
「…ん、おかえり…聖良」
「約束通り…卒業して…東京に来ましたよ…///」
「…待ってたよ…ずっと…」
玄関先にはそこそこ大きめのバックがあった。
「…ははっ、準備万端だな」
「この後…また宅配で服とか来るのですが…場所は…大丈夫ですか?」
「当たり前だろー?
…この日のために…ちゃんと聖良の場所も取ってあるよ」
「…ふふっ…嬉しいです…///」
「…やっと…2人で居れる時間が…出来たな」
「…はい…っ…これから…いっぱい…いっぱい一緒に居てくださいね///」
「…聖良…っ」
「…っ///」
抱き着いてた聖良が唇を塞ぐ。
突然の事で押し倒されそうになったが、受止めた。
「…ごめんなさい…もう一個…嘘をついてました」
「…嘘?」
「悠さんが寝てた時に…大好きって言ったと言いましたが……実はその時に…キスも…///」
「…そ、そうだったんだ…」
寝ている時の俺…無防備なんだな…。
「…もう…私の全ては…悠さんの物…ですよ///」
「…うん、これから…ずっと…貰い続けるよ」
「…はいっ…大好きです……悠さんっ///」
2人の生活は…まだ始まったばかり。
決して楽でスムーズな道では無いだろう。
しかし、生活用品を整理する2人の顔は……………
どこか幸せそうだった。
聖良ルート
Fin
次回はーーーだーーーれっかなーーー←
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