梨子ルート① ~連弾~
俺は音楽室で…1人、ピアノを弾いていた。
誰も居ない中…静かにピアノの音色だけが響く。
………………すると…。
「…綺麗な音がすると思ったら…やっぱり悠くんだった♪」
「ん……っ…ああ、梨子」
弾いてる手を止め…音楽室に入ってきた梨子に視線を送る。
「ふふっ、先にピアノ弾かれちゃってた♪」
「…もう一節…弾かせてくれる?」
「もちろんっ、悠くんのピアノ…私は好きよ♪」
「…ふっ…ありがとう」
椅子に座り…静かにピアノの音に耳を傾ける梨子。
そして、俺は止めていた手を…再び動かした。
演奏してる楽曲は…''いつくしみ深き''
結婚式などで使われる…賛美歌だ。
「………っ………ふぅ……」
波が徐々に静まるように…ピアノの音が鳴り止んだ。
そして、ただ1人…拍手を送る梨子。
「ふふっ…素敵な演奏だったわ♪
…でも、どうしたの?…賛美歌なんて…」
「…これを…梨子に送る曲…って言ったら…変、かな」
「…えっ?」
俺の言葉に耳を疑う梨子。
「…思えば…一番最初に…デートした時から…好きだったのかも、しれない……」
「…悠…くん…?」
「…この曲…覚えてる?」
そして、梨子が話す前に一節…再びピアノを奏でる。
北海道にAqoursのメンバーと言った時に…演奏した。
''待ってて愛のうた''…今思えば…この曲をどうして作って…あそこで演奏したのかも…分かる気がする。
「…ごめんな、待たせて…俺が本当に好きなのは……梨子、お前だよ」
「っ………………!!//////」
信じられないような顔で口を押さえる梨子。
「…一緒に、ピアノ…弾こっか!」
「……はいっ…!///」
2人で座るには…少し小さいピアノの椅子。
でも…こんな距離感はデートの時…以来かな。
「……なに弾きたい?」
「ふふっ…悠くんの好きな曲で良いよ♪」
「…じゃあ、恋人として…もう一度、賛美歌…弾こうか」
その問いに梨子が嬉しそうに頷いた。
連弾なんて…初めてやったが、驚くくらい息ぴったりに演奏が出来た。
「…どうしよう…私…今すごい幸せ…///」
「…俺も、幸せだよ」
「ねぇ…悠くん」
「…ん?」
「ありがとう…こんな私を…好きになってくれて///」
「こんな、じゃなくて…梨子がいいんだよ
他の誰でもない…桜内梨子が好きなんだ」
「…ふふっ…面と向かって言われちゃうと…照れちゃうね…///」
そう言いながらも照れくさそうに笑う梨子。
そして、ピアノを弾くのをやめ…梨子の顎を少し持ち上げる。
「…ふぁ…っ…///」
「…だから、これからはずっとそばにいろよ」
ピンッ……と一音鳴ったのを合図に…俺と梨子はキスをした。
「こんな…口付けされたら……もう貴方の事しか…見れないよ…///」
「梨子…こういうの好きだもんな」
「…もっとせがっちゃうかも…///」
「何度でもしてやるよ」
「…もう………馬鹿……///」
「……馬鹿でも好きだろ?」
「……大好き……///」
恥ずかしそうに…呟く梨子だった。
───────────────
その日の夜…。
俺は梨子の家に泊まった。
…と言っても、十千万の隣だし…すぐなんだけどね。
「さっぱりした~…」
「ふふっ、いい湯加減だったでしょ?♪」
「ああ、おかげで暖まれたよ」
飲み物を差し出され、一気に飲み干す。
「…そう言えば…泊まるのは…初めて…だね///」
「…そういやそうだなぁ…」
「…あ、あまり…ジロジロ見ないで…///」
…それは本棚とかのことを言ってるのか?
というか…梨子の趣味は既に分かっているのだけど…。
「見ないよ」
「ほっ………」
「…さて、と…この後はどうする?」
「んー…特にすることは無いし…寝ましょう?
…あっ、そうだ!♪」
どうやら何か提案があるようだ。
「明日、お出かけしましょ?♪」
「いいねぇ、正真正銘恋人としてのデート?」
「うんっ!///」
こうして…次の日の予定を立て…俺と梨子は一緒のベッドに入った。
「…悠くんの腕…大きいね…///」
「…ドキドキする?」
「…ドキドキ…しっぱなし…///」
「あはは、これから慣れていかないと大変だよ~?」
「じゃあ…慣れるために…これからも…いっぱい…いっぱい…やってね…?///」
そう言うと口付けをし、背中向きに眠りについた梨子。
俺も梨子を後ろから抱きしめ…そのまま眠りにつくのであった。
次回はお出かけ編!
電撃G'sを買い忘れたA×Kです。
曜ちゃん……( •︠ˍ•︡ )
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