Aqoursな日々   作:A×K

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理亞ルートの2話目です!


理亞ルート② ~AqoursとSaint Snow~

「はぁ……はぁ…」

「はぁ…はぁ…」

 

鹿角姉妹は…さっそく内浦の洗礼を受けていた。

本人たちもここまで遠いとは思ってもみなかったのだろう。

バスも使わず…徒歩で千歌の旅館まで歩いたのだ。

 

「ま、まさかこんなに距離があるなんて…」

「バスに乗ればよかった……というか、姉さま

なぜ内浦なのですか?…東京に行くはずじゃ」

「……あっ、千歌さんの旅館ですよ!」

「あっ、姉さま!」

 

待ち焦がれた十千万に着いた鹿角姉妹。

既に旅館の前では千歌と悠が待っていた。

 

「おーいっ、こっちこっちー♪」

「…随分遅かったね、それに汗だくだし…」

「すいません…まさか、徒歩だとこんなに距離があるなんて…」

 

「「徒歩で来たの!?」」

「ちょ、耳元でうるさい」

「あぁ、ごめんなさい………」

 

年下相手に縮こまる千歌。

理亞は相変わらずか……。

 

「とりあえず中入ってゆっくりしなよ?

…あ、千歌。2人とも汗かいてるし…お風呂はいってもらった方がいいかもな?」

「はーいっ♪」

 

千歌に連れられ、中へと入る鹿角姉妹。

聖良は【お気遣い…ありがとうございます…♪】と会釈して行ったが…理亞は…。

 

「…ふんっ」

「そんな顔してると、可愛い顔が台無しだぞ?」

「うっさい」

あれれ…相変わらず手厳しい…。

そのままツンとした態度で中へと入ってしまった。

 

 

「んー、どうしたもんかなぁ」

「oh、何が~?」

「…ん?…あぁ、鞠莉か」

「私達も居るよー!」

 

曜、鞠莉、果南、花丸、ルビィ、ダイヤ…梨子に善子とAqoursのメンバーが次々と十千万にやってきた。

 

「難しい顔して、どうしたのさー?」

「ん…いや、なんでもないよ」

「…理亞ちゃんと聖良さんのこと?」

「…ルビィは鋭いな…うん、そんな所…」

「…あんまり、しつこく接してるとほんとに怒っちゃうわよ?」

「うぐっ………」

 

図星を突かれ…ぐうの音も出ない。

(んー…聖良はいいとして…マリーとしては…理亞っちも本当に悠のことが嫌いっ!…って訳じゃないような気がするのよねー)

「…さてとっ、中で準備始めようか?」

「「「はーいっ」」」

 

 

──────────────────

 

(浴場)

 

「姉さま…今回の来たかったのって…」

「隠していても…仕方ありませんね

…今回は…沼津に来るつもりでした」

「なら最初から…っ!!」

 

クスッと笑らう聖良。

 

「そんなこと言ったら…理亞は絶対に来なかった…でしょう?」

「……ぅ………………」

「特に…あの方と会うとなると…余計に…違いますか?」

「…そんな……こと……っ」

 

「昔から、嘘をつくのが下手ですね、理亞」

「…っ…………」

「出て…あの人を知れば…分かりますよ…ね?」

「…わかり……ました……」

 

分かってなどいない…けど…私は返事をしてしまった。

…男なんて…誰でも…同じ、だから…。

 

 

─────────────────

 

 

「ではでは~!鹿角姉妹またの名をSaint Snowの沼津・内浦初訪問を祝って~…………」

「「「かんぱーい!」」」

 

千歌の掛け声とともにグラスを高々とあげるAqoursメンバー。

 

「皆さん、今日はありがとうございます

突然の押しかけにも関わらずこんなに振舞ってくれて…」

「いいのいいの♪賑やかな方がみんな楽しいからね♪」

 

「はいっ、理亞ちゃんお皿っ♪」

「あ、ありがとう…ルビィ…」

 

ルビィの嬉しそうな笑顔に思わず照れる理亞。

うんうん、やっぱこの顔じゃなきゃな。

 

「ささっ、悠さん…遠慮なく…」

「お、おう…悪いな…聖良」

「…ふふっ、今日は私ではなく…理亞に構ってあげてください♪」

「…理亞に?」

「話せば分かりますよ♪」

 

そう言うと聖良は千歌や果南の話の輪に入ってしまった。

(…どゆこと?)

 

と疑問を持ちつつもルビィや鞠莉、花丸や理亞の話の輪に入ることに。

 

「楽しいか、理亞?」

「…ま、まぁまぁ…」

「そっか、学校はどうだ?」

「…別に………いや、あんまり…」

「そうなのか?なんかあったなら話聞くけど…」

 

(ルビィ達は席を外した方がいいかもね?♪)

(オフコース♪そうしましょ♪)

 

「…そっか、新しく入ってきた部員と上手くいってないか…」

「…なんで…そんなこと聞いたの?」

「んー?…いや、まぁ…話せば…楽になるかなーって」

「…実は……もうひとつ…聞いて欲しいことが…」

「ん?」

「…ううん、あとにする」

「……あと?」

「…ありがと、話…聞いてくれて」

「どういたしまして…これくらいならいくらでも」

 

そう言うと…気のせいか寂しそうに席を立つ理亞だった。

 

 

 

───────────────────

 

宴会のようなノリのパーティーも終わり、俺と聖良と理亞は砂浜を歩いていた。

 

「…んじゃあ、あと2日くらいこっちに居るってことか?」

「えぇ、是非とも沼津を巡りたいので」

「………………………………」

 

「千歌達も喜ぶよ」

「はいっ」

「………………………………」

 

「…………ん…………っ?」

「…理亞……………?」

歩いていた足が止まる。

 

「…2人に…聞いて欲しいことがあるの…」

「…俺と…」

「私…に?」

 

「…私…もう1回…姉さまとライブやりたい…!!」

「…っ……!」

余程の衝撃発言なのか…聖良が言葉を失った。

 

「わがままかもしれない…けど…あの決勝を…乗り越えないと…私はまだ上を目指せない…だから…姉さまと…!!」

「Saint Snowは……あの決勝で終わったんですよ…」

「…つまり…解散したってこと、か…」

 

聖良は高校を卒業したし…自分の将来もあるだろう

不思議な話ではない…事実、Aqoursの3年生も…卒業。

事実上の解散したわけだし。

 

「…でも…っ………………お願いします…!!!」

深々と頭を下げる理亞。

正直、こんな姿見たことがない。

それほどまで…思い詰めていたのだろうか。

 

「…やってやれよ、聖良」

「ゆ、悠さんっ…?」

「ぁ………っ」

「聖良だって、あの決勝…本当は消化不良なんだろ?

それに、俺個人として…2人のライブ、もう1回見たいし」

 

「…………………………ふふっ」

話を聞き終わり…クスッと笑った聖良。

 

「やっぱり隠し通せませんか……」

「姉さま…っ…」

「1度…だけですよ」

「っ……はいっ!!」

 

「よっしゃ、決まりだなっ

…じゃあ、提案なんだけど…さ」

「「……???」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「作詞とか作曲…振り付け…全部俺が作っていいか?」

「「…………………えっ?」」




次回、ラストライブ!
理亞最終話です!

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ルビィ(R版)作らなきゃ…

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