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千歌「…おはよ、悠くん」
病室の静けさの中…一言だけ、挨拶の言葉が飛んだ。
もちろん、返事は返って来ない。
千歌「…あっ、時計…止まってる」
いつからか…分からないが、時刻が16時過ぎで止まっていた。
…ちょうど…悠くんが…雷に打たれ…。
千歌「…っ」
切なくなった千歌は、悠の手を取った。
千歌「…悠…くん…っ」
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【病室の外】
果南「…………………」
病室のすぐ外で何も言わずに壁にもたれかかっている果南。
近づく足音に果南は目をやった。
果南「…ダイヤ」
ダイヤ「私だけではありませんよ……」
聖良「…お久しぶりです、果南さん」
果南「北海道からありがとうね、聖良ちゃん」
聖良「…いえ、この位の事しか…千歌さんは…」
果南「…………………」
静かに果南は首を横に振った。
果南「…むしろ…前より酷くなってる…少し痩せた感じ気もするし…」
聖良「…千歌さん…」
ダイヤ「…ふぅ、お2人とも、少し良いですか?」
果南&聖良「………えっ?」
ダイヤに連れて来られたのは……談話室だった。
お茶を片手に…対面で座ったダイヤは静かに口を開いた。
ダイヤ「…なぜ、千歌さんがあそこまでショックを受けてるか…分かりますか?」
果南「そりゃ…悠の事が好きだから…」
聖良「…私も、そう思います」
ダイヤ「もちろん、それもあります…が…
…良いですか、ここからは本当に大事なお話です」
果南「…ダイ、ヤ…?」
聖良「……………………」
ダイヤ「雷に打たれて……地面に倒れ込んだ悠さんを発見したのは
─────────千歌さんなんです」
果南「…えっ」
聖良「…そん、な…」
ダイヤ「携帯電話に連絡を入れても既読が付かず、心配になった千歌さんは傘を持って浦の星までむかっていたそうです
…そこで目にしたのは…雨に打たれながら…地面に倒れてる…」
果南「…で、でもっ…!」
聖良「……………」
ダイヤ「千歌さんは、酷く後悔をしていました
私がもっと早く迎えに行ってたら…朝、雨が降るよと伝えていれば…と
…これは、千歌さんと2人だけで話をした時に聞いたものです
他言はなるべく…控えてあげてください…それが千歌さん本人の為でもあります」
梨子「…千歌ちゃん、夜は悠くんの部屋にいるみたい」
ダイヤ「…梨子さん」
梨子「すいません、盗み聞きをするつもりはなかったんです
…でも、夜…千歌ちゃんの部屋を見ると…明かりが消えてて…
隣の…悠くんの部屋が付いてて…」
曜「辛いのは…私達も同じ…だけど、このままっていうのは、きっと悠くんが望んでないって…私たちは思うんだ」
果南「…それって…」
聖良「…私たちに出来ることは…一つだけ、ですね…」
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【病室】
千歌「あっ…虹…珍しいね、悠くん
きっと、方向的に…淡島の方…かな?」
手を握り、何度も頬を擦り付ける千歌。
千歌「……信じてる、から……」