「はぁああぁああ〜〜…」
川を眺めながらため息をつく悠。
セイラーン「なんですか、その幸の薄そうなため息は」
「いや、前途多難だなぁって…善…ヨハネにも悪い印象持たれたかなって…」
リ・リアー「姉さま、コイツ女々しい」
「俺だって感傷に浸る事くらいあるわい!!」
セイラーン「まぁ、こんなもんですよ…ははっ」
「…えっ、俺、今鼻で笑われた?」
リ・リアー「そんな事より、こんなところで油売ってていいわけ」
「…って言われてもなぁ…」
ただ何となく川や街…遠くに見える山だけを見つめる。
「……って!!!俺住む場所どうするの!?」
突然我に返ったように、聖良に問い詰める悠。
セイラーン「自分の手持ち、確認しましたか?」
「手持ちって……携帯…は、この世界に居ても必要ないし…というか電源つかないし…財布は…………」
中身を見ると…。
「な、何か結構入ってるんだけど!?」
セイラーン「しばらくは生活には困らないと思いますよ」
「……えっ、錬金術?」
セイラーン「違います」
「じゃ、じゃあ…悪さしたとか…っ!?」
リ・リアー「…はぁ」
セイラーン「世界線です」
「…あんまりそういうの、言わない方がいいんだからな…?」
リ・リアー「仕様だから」
「もっとダメ!!」
セイラーン「とにかくっ、まずは宿探しです!さあ、歩いた歩いた!」
「うぅ…と言ってもここら辺にあるのかよ…」
リ・リアー「ここから歩いて十数分の所に、1軒」
セイラーン「リアーは位置情報の把握に長けてるんですよ」
「あー、千里────────」
ゲシッ。
「いった!」
リ・リアー「人の事、言えてないから」
「うぅ…はい…」
……………………………。
「…ん、なんかいい匂いが…」
セイラーン「た、確かにしますね…っ…」
リ・リアー「姉さま、お腹空いてるの?」
セイラーン「す、少しだけ!ほんの少しだけですがっ!」
「あれは…」
???「いらっしゃいませ〜ずら〜♪」
大きな豚?猪?を連れた、女の子が何かを販売していた。
「…花丸…」
???「あっ、いらっしゃいませずら!♪」
ペコッと頭を下げる花丸がそこに居た。
「…えっと、キミ…名前は?」
???「…見ない顔ずら〜…あっ、オラの名前はハナマルずら!」
「ハナマル…そうだよね」
ハナマル「…???」
「あ、ごめんごめん、俺は悠
ここ最近こっちに来て───────」
ハナマル「あーーーっ!」
悠の隙間から何か遠くを見るハナマル。
それに続いて、悠も後ろを振り返ると…。
ハナマル「ヨハネちゃんずらーっ!」
ヨハネ「ハナマ…っ……って、あ、アイツは…!!」
チラシを手に持ったヨハネとライラプスがそこに居た。
ライラプス「ほら、行きなよ?」
ヨハネ「わ、分かって…あっ…!!」
つい、チラシを離してしまったヨハネ。
空中に舞うチラシをヨハネと悠とハナマルが目で追った。
「…手を伸ばせば取れ…………っ…!!!」
セイラーン「悠さん、何を!?」
しかし、その時だった。
ドックン。
「…っ!!!」
ヨハネ「…く、うぅっ…!!」
頭に響くような雑音が悠とヨハネを襲った。
嫌な空気と共に…どこかで大きな破裂音がした。
「あ、がっ……ぁ…っ!」
セイラーン「悠さん、気を確かに!!」
リ・リアー「姉さま、これって…っ」
セイラーン「やはり…''アレ''に関すること、でしょう…」
しばらくすると、雑音と大きな音は鳴り止んだ。
子供A「怖かった~」
子供B「音…どんどん大きくなってるね…」
ヨハネ「い…つっ……ど、どういうことよ…もぉ…」
ライラプス「よく分からないんだけど…最近、変なんだよね…ヌマヅ」
ヨハネ「は、初耳よ、そんなの!」
「はぁっ…はぁ…っ…」
セイラーン「…落ち着きましたか?」
「…あぁ…」
リ・リアー「凄い汗…」
「何か…黒い物が見えた…こっちに、手招きして…」
ハナマル「大丈夫…ずら?」
腰を下ろして、しゃがみこむハナマル。
「…あ、あぁ…ごめんな、心配かけて…」
ヨハネ「と、とにかく帰りましょ…!」
ハナマル「…あっ…」
ライラプス「良いの、話さなくて?」
ヨハネ「……い、良いっ!」
ライラプス「…ふーん」
ハナマル「喧嘩するほど仲が良いずらね~♪
…こっちは、そうでも無い、ずら?」
「………だってよ?」
セイラーン「はい」
リ・リアー「所詮使い駒」
「ひ、ひでぇ…」
ハナマル「それにしても…ヨハネちゃん、久しぶりずらね~!
いつ帰ってきたずら?」
ヨハネ「…ほ、ほんの少し前よ…ついさっき」
ハナマル「歌手になる夢は叶った?」
ヨハネ「も、もちろん…っ!!」
ハナマル「すご~いっ!♪」
ヨハネ「…あ、あはは…」
ハナマル「…さっきの変なの…ビックリしたよね
どうしてあんな事が起こるのか…誰にも分からなくて…
最近、果物も不作だし…森は騒がしいって聞くし…」
(…これが、迫り来る脅威…なのか?)
セイラーン(ゼロとは言いきれません、そうと断言も出来ませんが)
ヨハネ「と、とにかく…っ…アタシ、帰るわね!」
ハナマル「もしかして、忙しかったずら…?」
ヨハネ「ま、まぁそんなところ!じゃ、じゃね!」
ハナマル「またね~っ!」
(…逃げるように帰って行ったな)
昔何かあったんだろうか?
「…あ、いけね、宿探し中だったんだ!」
ハナマル「宿?それならここをまーーーっすぐ進んだところにあるずらよ」
「ホントに?助かった!」
ハナマル「知り合いの旅館だから、あったらよろしく伝えておいて欲しいずら~♪」
「…知り合い?…旅館?」
…………………つまり。
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