「ヨハンネ~ー!!!」
「も、もはや原型を留めてないわね…」
「あ、梨子。
ちょっといいかな?」
「どうしたの、悠くん?」
「今度の日曜日、空いてる?」
「空いてるけど…どうかしたの?」
「この前果南さんのダイビング一緒に行けなかったからさ…どっか出かけようぜってお誘いだ。」
「ふふっ、覚えていてくれたんだね」
「当たり前だろ?…それで、行く場所なんだけど…」
「悠くんにエスコートしてもらうかなぁ」
おっと…いきなりハードルが上がったな…
だかしかし!こちらにもプランはある!
「OK、期待していてくれや」
「自信満々だね?じゃあ、日曜日ね♪」
「…はっ!!梨子ちゃんと悠くんの絆Pが上がった!」
「千歌ちゃん、何言ってるの?」
「えへへ…なんとなくそんな気がして…」
「今度私も一緒にお出かけしたいなぁ」
「じゃあ、3人でお出かけだね!」
「ヨーソローっ!」
「……な、なんか視線を感じる……」
───────────────────────
そして週末。
待ち合わせ10分前。
朝の自主練をしてから家で準備だの着替えだのして待ち合わせ場所に着いた。
「先に来て待ってるのが出来る男って………」
「先に来て…どうしたの?」
「のわっ、梨子!?」
「ふふっ、私もほんの少し前に来たんだけどね」
「あっちゃ~…聞かれてたわ…」
「私とお出かけするの楽しみだった?」
「そりゃな、可愛い女の子と出掛けられるんだから楽しみに決まってる」
「……も、もう…またそうやって…///」
「?」
梨子の顔が赤くなる。
…まぁ、今日も暑いからなぁ。
「それで、どこに行くの?
内浦じゃなくて沼津で待ち合わせして…」
「…ところで、家が隣り同士なんだし…一緒に沼津まで行けば良かったんじゃない?」
「……あ」
「…ぷっ…ふふ…梨子が豆鉄砲食らったような顔してる…」
「も、もー!笑わないでよ!」
「ごめんごめん、まぁ俺も朝は走ってたりしたからね
次からはそうしようね」
「…次?」
「ん?今日1度でお出かけがおしまいなわけないじゃん」
「…そっ、そうだよね!
行こっか!」
「OK、はぐれるなよー?」
────────────────────
梨子と一緒に目的地まで歩いてる。
連れてきたのは、水族館。
「…深海の、水族館?」
不思議そうに首を傾げる梨子。
「ふふーん、ただの水族館だと思うなよー?」
「な、なんかあるの…?」
「中に入れば分かるよ!」
ふっふっふ…梨子、きっと驚くだろうなぁ。
「わぁ………!!」
中に入ると、暗めの照明に水槽の明るさだけが目立っていた。
それだけじゃない、音楽も流れていて魚達が優雅に泳いでいた。
「すごい…」
「…深海と、音楽のコラボだって
音楽が好きな梨子になら喜んで貰えるかなって」
「うん…っ
海の音とか、色々な音を聞いてきたけど…ここの音もすごく落ち着く…。」
「へへっ、喜んでもらえて良かった」
「色々見て回ろ?」
「そうだな………ほら?」
手を出す。
梨子の頭にはハテナが浮かんでいた。
「中、暗いだろ?
転ばないようにさ」
「あ、ありがと…」
梨子の手を握る。
女の子の手だからやっぱり小さい。
その後、色々見て回ったが。
行く先々で梨子の驚きと感銘の声が聞こえた。
…心做しか、梨子の方が握る力を強めてたのは…気のせいか俺の思い過ごし…なのだろうか?
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その帰り道のバスの車内。
「今日は楽しかったなぁ」
「そう言って貰えるとこっちも誘った甲斐があったよ」
「次の曲作りに役立ちそうなのもあったし」
「あははっ、梨子らしいや」
「……ねぇ、悠くん」
「ん、どした?」
「……ううん、なんでもない。
少し眠くなっちゃった」
「着くまで休んでおきな…?
起こしてあげるからさ」
「ありがと…」
そう言うと肩に頭を寄り掛からせた梨子。
小さく寝息を立て始めたのが聞こえた。
その間…手を握っていたことに気がついたのは起こすときの事だった。
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次回:夏休み。そして猛アプローチ(?)