今回は学校へ初登校!
ここでも賑やかな事態に巻き込まれる…?
「ねぇ~~~ほんとーにそこで合ってるの~?」
朝、千歌がジトーっとした目で俺を見てきた。
「嘘なんか言わないって」
因みに今は朝食を頂いてる。
「いや、だって…………ぶつぶつぶつ」
何やら独り言を呟いている。
俺が登校する学校を言ったらずっとこの調子だ。
「あ、いけない!そろそろ遅刻するよ!」
のんびりしすぎたのか時刻は8時前になろうとしてた。
「マジか、急ごう」
「はーいっ、いってきまーす!」
バタバタ身支度を済ませながら学校へ向かった。
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旅館十千万から学校へはバスで行く。
(因みに昨日歩いていったが、駅から十千万へもバスで行けると千歌から聞かされた…)
「あ、おはよう千歌ちゃん」
「おはヨーソロー!」
バスを待っていると声を掛けてきた女の子が2人。
千歌ちゃんの友達?だろうか。
「あ、おはようっ。曜ちゃん、梨子ちゃん」
しかし2人の視線は直ぐに俺の方を向き。
「「…………彼氏?」」
細い目をしながらじーっと見られた…。
「あは、あははは……」
これには千歌ちゃんも苦笑いを浮かべた。
「えーっと…東京から来た冴木 悠って言います。
今は十千万で住まわせてもらってる状態で」
「あ、千歌ちゃんが言ってた人ってこの人だったんだね」
「そうそう!」
「…?」
俺の知らないところで俺の話をされていたようだ。
「私も前は東京に居たのよ」
「あ、桜内さんもですか?」
「うん、何かと話が合うと思うしよろしくね」
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そしてバスの中。
今は乗ってる人は俺を含めた4人しかいない。
「はい質問!」
渡辺さんが勢いよく手を上げる。
「どうしたの?」
「冴木くんはどこに向かっているのでありますか?」
「どこって……学校だけど」
「学校…で、ありますか?」
渡辺さんは敬礼をしながら学校名を!と質問してきた。
「えっと、浦の星学院ってとこ?」
「「え?」」
2人が同時に首を傾げる。
シンクロだったら高得点貰えるくらいタイミングバッチリだった。
「…なんかおかしなこと言った?」
「えっと…冴木くん、落ち着いて聞いてね」
桜内さんがゆっくり事情を説明しようとする。
しかし、その善意は見事に打ち破られる。
【次は、浦の星女学院~浦の星女学院】
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─────バスは坂を上り次のバス停へ向かった。
その姿を見届けながら口を開いた。
「女学院ってどーーゆーーことーーーーー!?!?」
「「「あ、あははは……」」」
3人が苦笑いを浮かべる。
「え、俺間違えてるって可能性は…」
「ないと思うよ、内浦にある高校はここくらいだし」
「それに、浦の星って名前のつく学校もここだけだし」
「ついでに女学院だし」
梨子→千歌→曜からのジェットストリームアタックを喰らう。
「はぁ…なんかすごい見られてるし」
無理もない。
本来''居るはずのない男子''が通学しているこの状況では。
「ってことは俺は学校着いたらどこに向かえば…」
その質問にうーん、と悩む3人。
しかし、答えは意外な場所にあった。
「…ねぇ、校門に仁王立ちしてる人がいるんだけど」
「あれは…」
「鞠莉ちゃん?」
いかにも帰国子女っぽい女の子が腕を組み待っていた。
「ふっふっふ、登校初日に女の子3人束ねて学校に来るとはユニークでシャイニーですネー!」
思わず渡辺さんに耳打ち。
「いつもあんな感じなの?」
「う、うん…いつも」
鞠莉さんは3人は教室にと言うとそのまま教室へ向かった。
「おっと、悠は私と一緒にカモン、カモン?」
しかし、俺は鞠莉さんに手招きをされ別室に案内された。
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連れてこられたのが理事長室。
鞠莉さんはそこに座っている。
「あの、鞠莉さん…」
「ohっ、マリーでいいわよ?」
「………まっ、鞠莉さん」
「いけずね~」
ぶーぶーと頬をふくらませながら椅子にもたれ掛かる。
「あの…ここって女学院ですよね?」
「そうよ?」
「なんで俺がいるんですか?」
「教えて欲しい?」
「は、はい…」
「んーーー……''なんとなく''よ♪」
「り、理由になってないですよ…しかもどうやって俺の事を…」
「悠のママからよ」
「…え?」
「本当なら、沼津にある高校に行く予定だったのをこちらにしてもらったの……俗に言うヘッドハンティングってやつかしら?」
「いや、だって女学院ですよ、ここ!」
「そこは理事長特権♪」
……まさかこの人、自分が理事長とか言ったりしないよな。
「That's right♪」
当 た っ て ま し た