_○/|_ 土下座…
「…うーん」
悩む場所は家(と言っても十千万だけど…)に戻っても変わらなかった。
「今日中くらいに何とかしなきゃ…」
悠長に待ってる暇はない。ライブまでかなり時間が惜しい。
「…はぁ」
「悠くん…ため息ついてどうしたの?」
「あっ、千歌…」
風呂上がりの千歌が様子を見に来た。
「あはは…さっぱりでさ…人にアドバイスした割にはダメだなぁって…」
「そんなことないよ!」
ぐいっと、接近する千歌。
女の子が使うシャンプーはこんなにもいい匂いがするのだろうか。
「…ち、千歌?」
「悠くんだってやればできるよ!」
「…う、うん…頑張るよ…ありがとうな、千歌」
千歌なりの励ましなのだろう、少し気持ちが楽になった。
「よし……」
自分の思ってるフレーズ、ワードを次々と出していく。
歌詞としておかしくないか、よく確認し気がつけば少しではあったが、歌詞が出来ていた。
「…………?」
「じーーーーーーっ………」
集中して気が付かなかったが、千歌が隣で顔を覗かせている。
前のめりになってるから腕に柔らかい感触がする。
多分本人は気がついてないとは思う。
「…あの、千歌…?」
「悠くんって指キレイだよね~」
「えっ…そう?」
言われても自覚はあんまりない。
むしろ、初めて言われた。
「だから頭撫でるのも上手いのかな~…?(チラッ」
横目で見ながら体を少しくねくねさせる千歌。
…ん?
「…つまり?」
「ううん~…上手いのかな~って(チラッ」
「…よしよし」
「えっへへ~♪」
女の子は頭を撫でるという行為は好きなのだろうか。
今度誰かで試してみ………たいが、何されるか分かったもんじゃないのでやめておこう。
「悠くん、もっと~♪」
「千歌は甘えん坊だな」
「甘えん坊は………嫌い?」
俺の手を自分の頬に添わす千歌。
「嫌いって…そんな事はないぞ、安心しろ」
「…えへへ、そっか…♪」
少しうっとりとした顔で手をスリスリする千歌。
…何かあったのだろうか?
「…どうしたんだ、千歌
お前らし──────────」
チュッ。
「……………え?」
頬ではあったが柔らかい感触がした。
「…頭撫でてもらったお礼♪
あとは…歌詞作り頑張れるようにってエールだよ♪」
「…ち、千歌…」
流石の俺でも頭がこんがらがる。
しかし、呆然としてる俺をよそに千歌は立ち上がり…。
「じゃあ、私は寝るね?
また明日ね、悠くん♪」
手を振りながら部屋をあとにした。
「…………………………」
ポーっと頬を触りながら先程の出来事で頭がいっぱいになった。
────────────────────
【千歌 視点】
ううぅ…………。
(やってしまった……!)
「うわぁーん!悠くんに嫌われたらどうしよう…!!」
さすがにいきなりあんなことしたら変な風に思われちゃうかなぁ…。
「逃げるように部屋に戻ったけど…うう、明日からどうやって顔合わせれば…」
思わずダイブしたベットにあった枕を抱きしめる。
「…なんであんなことしちゃったんだろ…悠くん…」
ぎゅっと枕を抱きしめる力が強くなったことを感じた。
「…もしかして……私…」
……ううん、考えるのは…ここまでにしておこう。
そう自分に言い聞かせ、眠りにつく。
明日には…きっと、普通にいつも通り話せてるはず…。
────────────────────
時刻は深夜2時。
さすがに眠気もピークに達してきた。
「ううん…眠い…」
携帯を開くと、メッセージが1件入っていた。
「……善子からぁ?」
その差出人は意外にも善子からだった。
【私の優秀なリトルデーモンへ
作詞作りはどうかしら?
難しくて、なかなか作業が進まないと思うけど…
あんまり根詰めるのは体に毒よ?
完成、楽しみにしてるわね♪
ヨハネより】
「…あはは、堕天使が俺の体心配してどうするんだよ」
でも、善子もなんだかんだ言って気にしてくれてるんだな…。
「明日、お礼言わなきゃな」
再びペンを握り、ノートと向き合う。
順調に進めていく中でふと気がついた。
「これをみんなが歌って…踊るのかぁ…
それって…めっちゃ凄いことだよなぁ…
そんな事に携わったって…昔の俺じゃ想像出来ないな…」
1人、苦笑いをしペンを走らす。
結果、完成したが時刻は5時過ぎまでかかってしまった。
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