曜ちゃんめちゃくちゃ欲しい…!!
「ふむ……………」
屋上に集まり、練習の前に完成した歌詞を渡す。
ペラペラとノートの上から下まで見るダイヤさん。
しかし、みんなの話は途中途中しか耳にしか入らない。
「……ん………ぁっ……」
カクッ、カクッと寝落ちする回数も増えてきた。
正直、寝不足で授業もままならない。
何度梨子に起こされたことか。
「悠?スリーピーね?」
「…あ、鞠莉さん…大丈夫っす…大…丈…」
「ノンノン、寝不足は体に毒よ?
…少し寝なさい?」
そう言い、鞠莉さんは自分の膝をポンポン叩く。
女の子座りしているとはいえ、男の頭を置くのは…如何なものかと…とは思ったが、寝不足には勝てない。
「…ごめんなさい…」
「ノープロブレム♪大丈夫よ」
余程眠かったのか、それとも鞠莉さんの膝枕が心地よかったのか…直ぐに眠りについた。
────────────────────
「…やはり、悠さんに頼んで正解でしたわ
これならいいライブ………あら?」
「しーっ……お疲れのようよ?」
「鞠莉さん…っ
なんてことをしてるのですか…!」
さすがに寝ているからだろうか、ダイヤも小さな声で話す。
「…悠、疲れちゃったのかな?」
「昨日から寝てないって言ってたし…かなり作詞作り頑張ったんだね」
「本当は授業中も起こしたくなかったけど…やっぱり眠かったんだね…」
「鞠莉ちゃん、ずるーいっ
私だって悠くんに膝枕されたいのに~!」
(あれ…されたい方なんだ)
と心の中で突っ込む曜であった。
「リトルデーモン…無理しすぎよ
体に毒ってあれほど言ったのに…」
「善子ちゃん、いつの間にそんなこと言ってたずら?」
「た、たまたまよ!」
「ですが…悠さんを寝かせたまま練習は…」
「そうね…可哀想だけど、起こしましょうか」
ユサユサと悠を揺する鞠莉。
「……ん、鞠莉さん……?」
────────────────────
体を揺らされる感覚に目を覚ますと鞠莉さんが手を振った。
「グッドモーニング♪
可愛らしい寝顔だったわよ♪」
「…あ…鞠莉さん、すいません…」
急いで頭を離す。
「あら、もっとやってても良かったのに~」
「あはは…また今度に…」
「悠さん、大丈夫ですか?」
「あ、はい…大丈夫です」
「分かりました、では練習を始めますので、見ていてください」
一応、俺は練習や活動の監督役になっている。
と言うのも、千歌や曜、梨子に花丸などが推薦でそのような役職になった。
(ううーん…鞠莉さんの膝枕…気持ちよかったな…)
9人で歌詞に合わせて振り付けを言い合っていたが、俺の頭の中は膝枕のことでいっぱいだった。
正直、膝枕なんて初めての経験だった。
眠気と戦いつつも、アドバイスをしたり振り付けのサポートをしてるとあっという間に夕方になっていた。
────────────────────
「ううーん………眠い…」
「ちょ、悠くん…足元おぼつかないけど…」
曜が心配そうに見つめる。
「あはは…徹夜作業はしない方がいいね…」
「私も衣装作りが徹夜になることも…まぁ、多少はあるからなぁ…」
「曜~…助けてくれ~…」
助けるもなにも、することはないだろ…と思いつつそんな冗談を言うと…。
「じゃあ…私の家、くる?
少し休んでいきなよ…ちなみに、悠くん。
もう十千万のバス停過ぎてるよ…」
「あぁ……?」
後ろを見ると、思いも虚しく目的地が離れていく。
「まじかぁ…曜のとこ行ってもいいのか…?」
「うん、お父さんいるけど大丈夫だよ」
「じゃあ、お言葉に甘えるわ…」
こうして、バスに乗ったまま、曜の家へと向かうのであった。
ちょっと短めだったかな…。
次回は曜の家にお泊まりです!何か一悶着ある(?)かもです!
コメント・評価・お気に入り登録よろしくお願いします!