「はっ、やっとお許しをもらえたのか…!?」
「曜ちゃん~出番ずら~」
「…え?」
「ヨーソロー!」
「…あの、千歌さん?梨子さん?どうして腕を掴んでるのかな…?これって俗に言う無防備ってやつじゃ……」
「たぁー!」
「ぶふっ……!」
「どうかな?曜ちゃん必殺逆〇平チョップ」
「切れ味鋭く…ぐへ…」
毎度毎度更新が遅くなったり1日に2回も更新したりとバラバラで申し訳ねぇ…
今回は各キャラ視点です。
悠くんは出てきません←
「はぁ………」
今日の練習も無事に終わった。
悠くんはお風呂に入ってる。部屋には私一人。
「結局…悠くんにあんな事したの忘れてられてないよぉ…」
正直、自分でもなんであんなことしたのか今でも分からない。
唇を触ると、今でもその感触が残っている気がする。
「…もっと…したい…なんて」
彼のことを考えてると胸がドキドキする。
もっと頭を撫でて欲しい。甘えたい。
彼のそばにいるとそんな考えをするようになった。
「…でも、きっとそれは私だけじゃないんだろうなぁ…
みんな悠くんの事好きだもんね、それはそれで嬉しいな」
…あれ、私…今…''好き''って言った…?
「……これって………恋……?」
考えていたら恥ずかしくなった。
枕に顔を伏せ嘆く。
「うう~…どうしよう…誰かに相談した方がいいのかな…?」
キュッと枕を抱きしめる。
ただ一言、彼女は彼の名前だけを呟いた。
────────────────────
「ふぅ……」
自主練も終わり、ベランダに出て外の空気を吸う。
「悠くんは今何してるかなぁ…」
最近、自分の様子がおかしいことに気付いた。
ライブの衣装着て迫ったり、一緒に寝たり…。
「どうしちゃったんだろ…私」
考えるより体が先に動くのは私の性分なのは分かってはいたが、それとはまた別な感覚がした。
「…会いたいな」
闇夜に輝く月に、1人ポツリと呟く。
彼女はまだこの気持ちが''恋''とは気がついていない。
────────────────────
シャーと水の音が流れる。
髪に付いた泡を取り鏡を見つめる。
ふと、口ずさんだ歌。
彼と歌った歌。これがなかったら…もしかしたら私は歌うことに自信が持てなかったかもしれない。
「……悠くん」
自分の手を胸に当たる。
彼の出かけた時に…握られた手。
「あれって…デートってことで……いいの、かな?」
答えなど誰も答えない…が、自分に問いただしてみる。
彼といると安心する。元気も貰えるし励ましてくれる。
……………ホントにそれだけの感情、なのだろうか?
そう自分に言い聞かせていた。
「………あはは、でも私…地味だからなぁ……」
多分、彼がそれを聞いたらを笑い飛ばすだろうなと考えると自然と笑みがでた。
「湯冷めしちゃうし…上がろっ」
少しだけ暖かい気持ちになれたのはきっとお風呂だけが理由ではないだろう。
────────────────────
「……………………」
1人、携帯を見る。
自分で送ったメッセージを見てため息ひとつ。
「なんで私こんなメッセージ送っちゃったのかしら…そりゃぁ、心配だったし…体調不良になったら大変だとは思ってたけど…」
彼は頑張りすぎる時がある。
そして、よく私をからかう。
「だ、だいたいヨハネのことをバカにするなんて言語道断よ!
地獄に…堕天させてやるわ…っ」
【堕天するなら、善子と一緒にしたいな。
そうしたらずっと一緒だろ?】
「………………~~~~~~!!!」
1人脳内妄想をし、赤くなる。
「た、確かに!
リトルデーモンの事だからそんなこと言うと思うけど…!
そ、そんなんで乱されるヨハネじゃ…!」
…一体誰に向かって反論しているのだろうか。
彼といると調子が狂う。
スクールアイドル部に勧誘された時からだ。
話だけでもと言われて嫌がり逃げた時も
【ヨハヨハ系堕天使を捕まえにいくのか?】
【ヨハヨハ系ってなによ!】
【あはは、うそうそ。それより転んだら怪我しちゃうから1回止まろ?】
【なっ…余計な心配よ!
この程度でヨハネがっ……?!】
【あぶねっ…!………ほら、言ったろ?】
【…ふん!】
「なんてこともあったわね…」
「…ふふっ、リトルデーモンの虜にさせられちゃったのかしらね♪」
───────────────────
「………………………」
ベッドに横になり布団を顔に近づける。
(……あ、悠の匂い……)
まだ少し、彼の匂いが残っていた。
前まではこんなことなんて絶対してなかった。
…しかし、何故だろう?彼には…なんでも許せてしまう。
だから…あんなことされても…むしろ、もっとしていいと思ってしまった。
「…もっと…私に触れて…欲しかったな…」
あの時も…口ではああは言っていたが内心ドキドキが止まらなかった。
でもその反面、受け入れても…いいと思っていた。
「鞠莉や千歌…曜がしても…ドキドキしなかったのに…」
「…悠が男の子だから…?…それとも…」
考えれば考えるほど彼の声が聞きたくなる。
「……果南って…呼んで欲しいなぁ」
心に閉まっておいた本音が口に漏れる。
もちろん、私の方が先輩だからさん付けは、分かる。
けど…果南って呼んで欲しい。
届かない本音と彼の微かに残る匂いを胸に眠りにつく。
────────────────────
私の読んでる本に出てくる主人公は私の知っている男の人に似ている。
真っ直ぐで、優しくて、明るくて…。
私にはそれが羨ましかった。
地味で目立たない性格だった私には…それがとても羨ましく感じた。
「…でも、スクールアイドル部に誘われてからは…マルも少しは…変わった、かな…?」
ダンスなんて。って最初は思っていたが彼の親身なアドバイスで出来るようになった。
ライブでも…何かが自分の中で変わったのも感じた。
その変わったところを…彼は気づいてくれているだろうか?
「………答えは聞かなくても…決まってるずら」
''花丸ちゃんは変わったよ、すごく輝いてるよ''
多分、彼はそう言うと思う。
「でも、先輩は鈍感だから苦労しそうずら…」
本人にも他の人にも言っていないけど…マルも先輩のこと…気になっているんだよ?
パタンと本を閉じ、本棚にしまう。
奇しくも本のタイトルは…''恋''だった。
────────────────────
「ルビィ?そろそろ寝る時間ですわよ?」
「あ、お姉ちゃん。うんっ、もう寝るよ」
「そのノートは…いったい?」
「悠先輩がまとめてくれたやつを渡してくれたの!」
彼がまとめたノートにはダンスの振り付けや歌のアドバイスなどがこと細かく記されていた。
「…さすが、悠さんですわ」
「お姉ちゃん、悠先輩のことお慕いしてるって言ってたけど…ほんと?」
「…ルビィには嘘をつきませんわ
私は信頼しております、だから部も正式に認められるように努力すると信じておりました」
「…じゃあ、作詞も?」
「彼なら良い詞を作ってくれるはず…それだけですわ」
「なんかお姉ちゃん…悠先輩のこと話してる時嬉しそうだね♪」
「そ、そういうルビィはどうなのです?!」
「…ルビィはその…もっと、先輩のことよく知りたいなって…」
「それはいい事ですわ、ならもっとお話しないといけませんね」
「う、うんっ…ちょっぴり緊張しちゃうけど…頑張るねっ!」
(…事実、ルビィが男性の方とあんな風に話せてるのは初めて見ましたわ。
ルビィが思ってる以上に彼の存在は大きいはずですわ)
────────────────────
【─────彼はKeyになる。】
確かにそう言った。
ただし、確証はなかった…そうただの直感だった。
嬉しい誤算とも言うべきだろうか。
1度は解散した…3人が9人になって、Aqoursとして再スタート出来た。
偶然だろうか?……いや、彼が居たからこそ成しえた事かもしれない。
「まったく…悠はホントにアメージングね♪」
彼といると未来がどうなるか想像がつかない。
しかし、それが楽しい。
想像もできないようなことをやってのける。
そんな印象があった。
だからこそ…辛くなったり困難なことがあったら頼って欲しいと言う気持ちは、まだ彼に伝えてない秘密の気持ち。
膝枕した時も…弟ができたような気持ちになった。
「…もっと、マリーの事を知って欲しい…」
彼が手がけるライブがどんな風になるか胸踊らせつつ、彼への気持ちは秘密にしたまま胸にしまい込む。
悠、爆ぜろ!!!←←←←←←←←←←
コメント・評価・お気に入り登録
よろしくお願いします!!