「うわーん!曜ちゃーん!」
「ぶっぶーですわー!!
あーた、曜さん推しだからってなに甘やかした文書にしてるんですか!?」
「お、お姉ちゃん…怖い…」
「すいませんでしたぁあああ!!」
「…朝起きたら……」
布団は既にもぬけの殻だった。
そして台所が騒がしい。恐らく朝ごはんでも作っているのだろうか?
寝不足な目を覚まし、台所に向かう。
「あっ、悠くんおはよ!」
「おはヨーソロー!…って、なんだか眠そうだね?」
「あはは…寝付けなくて…」
本当は2人との距離が近すぎて悶々してたわ!なんて言えるわけもなく。
「あははっ、悠くんって遠足の前の日に寝れないタイプでしょ~?」
慣れた手つきで料理をしながら話しかける曜。
……なんか、こんな姿も新鮮でいいかも。
「もう少しで朝ごはん出来るからね?」
「ありがとうな、千歌」
そう言うと曜の所に行く千歌。
「………やっぱり…悠くん、気付いてるよねぇ…?」
「…そりゃ、朝あんだけ密着して起きてたから…ねぇ?」
「その割には~…昨日の夜~とか言わないよねぇ…」
「…まぁ、悠くんも言うのが恥ずかしいとかじゃない?
……あとは、ドキドキしすぎて自分の中にしまっておきたい、とか?」
「あー、なるほど~…」
2人がこしょこしょ話で盛り上がっている。
そして俺を見ながら笑っている……なんで?
────────────────────
朝ごはんが済み、着替えて十千万の前で2人が来るのを待つ。
しっかり着替えを持ってきている曜。
…まぁ、泊まる気満々だったからなぁ。
「…しっかし今日も暑いなぁ…」
8月も少し過ぎた頃、夏でもさすがにジリジリとした暑さが体を襲う。
「多分、薄着なんだろーなー…2人とも」
と、待っていると突如鳴る電話。
携帯の画面を見ると、松浦果南の文字。
「もしもし、果南さん?」
「あっ、朝早くからごめんね?大丈夫だった?」
「大丈夫ですよ、どうかしました?」
「…うん、ちょっと声が聞きたくなって…」
電話ができたのが嬉しかったのか、しおらしい声になる果南さん。
「あはは、変な果南さんっ。
別にいつでも電話してくれて良いですよ」
「…そっか♪今度また泳ぐの教えてあげるからね」
「はい、ありがとうございますっ」
「……あっ、それと、ね……」
「…な、なんですか?」
突然の声のトーンが下がったのに少し焦る。
「…さん、付けなくて…いいからね?」
「………え?」
「ううん、それだけ。じゃね♪」
そう言い残すと通話が切れた。
…さんを付けなくていい?
…つまり…果南って…呼んでってこと、かな?
「…まぁ、本人に確認してみるか」
「悠くんー!お待たせー!」
「着替えで少し時間かかっちゃった…ごめんねっ」
「ううん、大丈………おぅ…っ…」
2人の方を見てみると…案の定薄着だった。
と言うか曜さん、こんな目の前でそのショートパンツは反則かと…。
ってか…千歌もスカート短くね?気の所為?
「もー…悠くん、なんか一言!」
「うぇえ?…あ、に、似合ってるよ…2人とも、めっちゃ可愛い」
「えへへ~可愛いだって、曜ちゃん~♪」
「2人で選んで決めてよかったね~♪」
2人でハイタッチを交わす。
やっぱり、女の子は可愛いって言われると嬉しい気持ちになるのだろうか…不思議なものだなぁ…。
「さっ、いざ行こうか!」
「ヨーソロー!」
ガシッと腕を組まれた…しかも、両腕。
「…あれ…デジャブ?」
なんか前にもこんなことがあったような~…考えすぎかな…?
────────────────────
結局、バスと定期船に乗る間もずっと腕を組んでいた2人。
…たぶん、これは一日ずっとこの状態だろう…。
すれ違う人達の視線とか結構痛かったけど…。
ダイヤさんが居たら雷どころかデス・メテオ落ちそうだな。
さらば俺のライフポイント1000。
「…それで、どこに行くの?」
「もうすぐ着くよ♪」
「これから行くのはね~」
曜が指さす先にあるのはとある施設。
「「伊豆・三津シーパラダイス!!」」
「…シーパラダイスってことは…水族館とか?」
「そうだよっ、1度は連れて来させようって曜ちゃんと話してたの!」
「悠くんは水族館とかは、好き?」
「うん、結構好きだよ」
まぁ、梨子と深海水族館には行ったけど……っと、他の女の子とあれこれ行ったって話をここでするのは無粋か。
「じゃあ、最初はナマコのふれあいコーナーだね!」
「…ナマ、コ……?」
「いきなりのワードにぽかんとしてるよ、千歌ちゃん」
「えー、ナマコ…だめ?」
逆にダメじゃないのか、千歌は。
そう思ったが聞かないことにしておいた。
「まぁ、最初なんだしやっぱりイルカとかアザラシとか色々メジャーな所でいいんじゃないかな?」
「ちぇー…分かったよ~…」
そうこうしてるうちに、伊豆・三津シーパラダイスに着いた。
「おー…大きい…」
「さぁ、中に入ろー!」
「ヨーソロー!」
テンション高めに入口に向かう千歌と曜。
あれか、テン上げ☆ってやつか?
そして入口に入るや否や
「あー!このカモメのぬいぐるみ可愛いー!」
「見てみてー!エビのぬいぐるみもあるよー!」
入口を入ってすぐの所にあるクレーンゲームに目を奪われる2人。
「「欲しい~…」」
──────────欲しいんだ。
特に千歌、エビって…マジのエビの形してる奴やん…。
「やるのは見たあとからにしない?
…取れても荷物になっちゃうし」
「取れるの!?」
「むしろ抱えて見て回りたい!」
目を輝かせながらこちらを見てくる2人。
……これもデジャブ?
「わ、分かった分かった…ちょっと両替してくるから」
1000円を両替機に突っ込み、100円玉10枚にぎりしめる。
やるのは久々だが、苦手ではない。
「よしっ……やるか」
「悠くん、ファイトー!」
肝心の1発目、掴めたものの直ぐに落ちる。
2発目、同じく落ちる。
「やっぱり、難しいのかな~…?」
「…いや、多分…分かったかも」
「…悠くん、目が本気だよ…」
掴むタイミングを少し早めて………ここだ!
カモメを掴んだまま進むアーム。
…そして。
「ゲットしたー!」
「すごーい!」
3回目にしてカモメを無事ゲット。
嬉しそうに抱きしめる曜。
「悠くん~!エビも~!」
「任せろっ」
しかし、ここから調子が崩れたのか6連続失敗。
「…やっぱり、難しいのかなぁ…」
「大丈夫だ、絶対取ってやる」
と言うもののコインはラスト1枚。
慎重に慎重にアームを動かしていく。
先程のミスも頭に入れつつ、ボタンを押す。
「掴んだ…っ!」
そのまま…そのまま…!
そんな願いが通じたのか、下の取り口に落ちるエビ。
「わーい!エビちゃんだー!」
「よかったね千歌ちゃん!」
「ふぅ…緊張した」
「ありがとうね、悠くん!」
「どういたしまして、取れてよかったよ」
「あ、そうそう!見てて思ったことがあったの!見ててね!」
エビの尾で顔を隠す千歌。
「じゃーん、エビ星人っ」
「「……………………」」
エビ星人 不採用
その後もエビとカモメを抱きしめたまま水族館を巡った。
…組んでた腕が離され、ぬいぐるみの方に行って少しヤキモチを焼いたのは…自分だけの内緒にしておいた。
曜ちゃんの私服は【たのもー!】渡辺曜
千歌ちゃんの私服は【オレンジマーメイド】高海千歌
をイメージしてください!
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