「…………………………」
【──────────好き、だよ】
あの言葉の後、何事も無かったようにみんなのところに戻った千歌。
聞き間違いなんかじゃない、彼女は確かに''好き'' と言った。
「千歌が……俺の事を……?」
距離が近くなったのは感じていた。
しかし、好意を向けられていたのは初めて知った。
「…………………千歌…」
──────────返事は……まだ返せてない。
「…どうしろってんだ……」
天井を見上げ、ただ1人唇を噛み締める。
────────────────────
「…そっか、悠くんに言ったんだね」
「うん…ただ、聞いたあとから悠くんの様子がおかしくて…」
私は曜ちゃんに電話をしている。
夏祭りにあった出来事をありのまま話した。
「…多分だけど…モヤモヤした気持ちだけが先走ってるのかもよ?
…ホントの事を言ったら…多分いつもの様子に戻ると思うよ」
「ホントの事……分かった!今言ってくる!」
「えっ!?千歌ちゃん!?」
電話を切り、机に置く。
悠くんに想いを伝えなきゃ…その一心で。
────────────────────
「悠くん!入るよ!!」
「のわっ!?……ち、千歌…?」
結局考えてても何も浮かばず、布団に突っ伏していたら千歌が殴り込んで来た。
「悠くん!」
「は、はい?」
「何か勘違いしてるよ!」
「…な、何を?」
「悠くんの事が好きなのは私だけじゃないよ!」
「……は、はい?」
「悠くんの事が好きなのはみんな同じなんだよ!
…曜ちゃんも、梨子ちゃんも、果南ちゃんもみんなみんな…悠くんの事好きなんだよ!」
「……………えっ?」
耳を疑った。
曜も梨子も果南も…ダイヤも善子も鞠莉も…花丸ちゃんもルビィちゃん…も?
「ど、どういうことだよ…俺、そんな好意を向けられる事してないのに…」
「してるよ!…いつも悠くんには元気をもらってるし、励ましてもらってるし…ここまで出来たのも、悠くんの支えがあったからだよ?
それは、みんな思ってるんだよ?」
「……………でも…」
それって、みんなに返事をしなきゃってことじゃ…。
「…いいんだよ。
みんな抜け駆けするつもりなんてないよ。
みんな悠くんの事が好き。だから悠くんも、私達のことをずっと見てて欲しいの。」
「…なんでもお見通しなんだね、千歌は」
「悠くんの事が好きだからね!」
「…ははっ、全然知らなかったよ」
「そうなの!?………あ~…まぁ、悠くんだからね…」
「…どういうこと?」
「わかんないならわかんないままで良いよ~♪」
「なんじゃそりゃ?」
「ふふっ、いつもの悠くんに戻った♪」
「あっ………ごめん、もしかして落ち込んでる元気の無い姿見せちゃったかな…?」
「ううん、大丈夫だよっ♪」
嬉しそうに横に座る千歌。
思えば頭を撫でたり頬にキスされたりと心当たりがある点が様々あった。
……しかし、好意を向けられていると知ると…なんか照れくさい。
明日からどうやってみんなと顔合わせた方がいいんだろうか…。
「バカチカ~?曜ちゃん来てるよ~?」
「も~!バカチカってよばないでよ~!……って、曜ちゃん???」
「ヨーソローっ!………って、なんかお取り込み中だった?」
「ううん、今話終わったとこ~♪」
ずいずいと俺の前に曜を出す千歌。
心無しか千歌の顔が嬉しそう。
「えっと…千歌ちゃんから聞いたと思うけど…そういう、事…だから…」
「…曜…」
「私も…悠くんの事、好きだよ…っ♪」
へへっと照れ笑いを浮かべる曜。
「じゃーあー…曜ちゃん!」
「ヨーソロー!突撃ー!」
「おわわわっ!!」
2人そろってダイブする。
慌てて受け止めるものの布団に倒れ込む。
「…へへっ♪」
「…どう、かな…?///」
「…ど、どうと言われても…」
形からすると2人を抱き締めてる形になる。
「…でも、良かったなぁ
千歌もみんなが悠くんの事好きになってくれて嬉しいよ♪」
「…こういう時ってみんなライバルで…って感じなんじゃ…」
「そんなことないそんなことない!
…Aqoursの中心人物は悠くんだからね、それは絶対変わりないよ♪」
「悠くんったら、知らず知らずに絆メーターMAXにさせてたんだよ~♪
2倍期間だから?2倍期間だから?」
「……う、うん?」
結局、抱きしめられて安心したのか静かに眠りについた2人。
志満さんからは、あらあらと笑われてしまったが…。
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次回:悠の身に危機が…?