Aqoursな日々   作:A×K

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圧倒的補欠さん評価ありがとうございます!

スクスタはいつリリースになるんですかねぇ…


第32話

「…ううーん……」

 

「38.2………''夏風邪''ね~」

志満さんが体温計を見つつ呟く

 

ラブライブ予選の結果があと数日と言う時に…ついてない。

 

「悠くん~…大丈夫…?」

心配そうにドアから顔を覗かせる千歌。

 

「ああ…大丈夫だけど移すと大変だから…今日は安静にしてるよ…」

「…そっか…分かったっ、部活いってきまーす!」

 

少し寂しそうな顔をしたがいつも通りの元気な声で家を出る千歌。

 

「じゃあ、悠くん?安静にしててね~」

「はい…ありがとうございます…」

 

マスクをし眠りにつく。

少しでも体温を下げるために………。

 

 

──────────────────

 

「…ってことで悠くんは欠席だよ…んっしょっと…」

「夏風邪かぁ~…早く良くなるといいんだけど…いっちにーさーんしー…」

 

ストレッチをしながら悠くんの欠席理由を話す。

 

「全く…体調管理がなってないのですわ…」

「とは言いつつダイヤ~?心配そうな顔してるわよ~♪」

「ま、鞠莉さん!!…へ、変なことおっしゃらないで下さいますか…?」

 

「ねぇ、千歌。この後みんなでお見舞いに行ったら…迷惑かな?」

「私もそうしたいんだけど…多分悠くんの事だから断ると思うんだけどなぁ…」

 

「ダメだよ、みんなに移しちゃうよ…って言いそうだよね」

「リトルデーモンリリィ…随分と悠の事、分かってるのね…?……ふふっ、さすがね…まぁ、ヨハネもマイリトルデーモンのことは……い、いたたた!」

 

「善子ちゃ~ん?……悠くんの事、心配なのはみんな同じだよ」

「そうだね……よしっ!部活終わったらお見舞いに行こう!」

「ヨーソロー!」

 

「ふふっ、じゃあ色々と買ってかないとね」

「退屈しないように本とか渡した方がいいかな…?」

「花丸ちゃん…まさかあの本全部…?」

「ちょっと、多かったかな?」

「1…2…3…4…は、8冊くらいあるよ!?」

 

「さぁ、練習始めますわよ!」

「…ところでダイヤ?今日の練習は?」

 

「予め、悠さんから連絡をもらってますわ

…あの講堂でやったライブ…青空Jumping Heartを…9人で、と」

 

「つまり、私達の2年生と1年生で3年生たちにレクチャーってことだ!」

「そういうことみたいだね、歌うとことかも考えないとね」

 

「よーしっ、早く完成させて悠くん驚かしちゃうよー!」

「「「おー!」」」

 

──────────────────

 

 

 

 

 

「へくしゅ!!……しまった…風邪が、悪化したか…?」

携帯を見ると4時前だった。

 

体温は下がってる感覚があったが、まだ万全とはいかなかった。

「明日には治ってるかな…うう、こうして安静にしてるのも退屈だな…」

もともと体を動かす方が好きな方。

じっとしてるのは性にあわない性格だった。

 

携帯には千歌から[部活終わったよ!]とメッセージが入ってた。

 

「アイツの事だから…ただいま!大丈夫悠くん!?とか言って戻ってきそうだな…」

 

 

「ただいまー!」

噂をすればなんとやらだった。

玄関の方から騒がしい声と歩く音が聞こえた。

 

「悠くん、ただいまっ♪」

「おかえり、もうそろ帰ってくるかなって思ってたよ」

 

「顔色、だいぶ良くなったね…よかった~」

胸を撫で下ろす千歌。

「心配かけちゃったね…ごめんな?」

「心配してたのは私だけじゃないよっ、みんなもだよね!」

 

……ん?だよね?

 

「悠くん、大丈夫っ?」

「色々買ってきたよ~♪」

「食欲はありますか?しっかり食べないと早く治りませんよ」

「退屈しないように本も持ってきたずら!」

 

「み、みんな!?」

ぞろぞろと部屋に入ってくるAqoursのみんな。

 

「マイリトルデーモン…あんまり心配かけちゃダメよ?」

「悠がいなくて部活もいつもと違くて違和感がしたわ~」

「あぅ、悠先輩…これ、スポーツドリンクですっ」

 

「お見舞いに来てもらったよっ」

「…あはは、まぁ千歌の事だから考えるかもなぁとは思ってたけど…まさかホントに来るとは…」

 

「迷惑…だったかな?」

「ううん、全然。

むしろみんなの顔が見れて安心したよ」

 

 

「熱はありそうかな…」

おでこをくっつける果南。

不意の出来事に目を瞑る。

 

「…うんっ、ちょっとあるくらいかな

ちゃんと薬飲まないとね」

「…あ、ありがとうございます…」

 

「では、私たちは軽食でも作ってきますね」

「あっ、ダイヤさん手伝います!」

「ル、ルビィも!」

 

「私達はどうしようか?」

「リトルデーモン…着替えが散乱してるわよ…」

「あはは…着替える体力もなくて…」

 

「それはダメだよー!ほらほら、着替えて着替えて!」

脱がそうとする千歌。

 

「ちょ、千歌さん?…周りの目ってものが…聞いちゃいないね…」

為す術もなく服を脱がされる。

汗を相当かいていたのか服の重さが無くなり少しひんやりとした感覚が体を襲う。

 

「あら~♪意外と筋肉あるのね~♪」

「鞠莉さん、マジマジと見ないでください…」

「背中、拭くよ?」

 

「果南…うんっ、ありがとっ…」

「…こ、これが…リトルデーモンの服…」

「…善子ちゃん?服持って何してるの?」

 

「へっ!?…い、いや洗濯しようと思ってただけよ!

別に匂いがとか思って無いからね!?」

 

「…う、うん…ありがと…?」

 

さっきまでの退屈だった部屋の中が一転し、賑やかになった。

 

「それでね、悠くんっ。今日の練習でね!」

「うんうん、今日の練習で…?」

 

 

 

千歌はいつも俺が元気をみんなにあげてると言ったが…それは俺も同じだったのかもしれない。

俺もみんなから…元気をもらっている、そう感じれた。

 

 

───────────────────

 

 

みんなが帰宅し、部屋には千歌と梨子が残った。

明日から復帰することを約束し、果南は最後にハグして行った。

…移るかもしれないからダメって言ったけど聞かなかったしなぁ…。

 

「私、お風呂入ってくるから梨子ちゃん、悠くんの事よろしくね!」

「分かったっ、いってらっしゃい♪」

 

 

部屋をあとにする千歌。

 

「体はもう大丈夫そうかな…?」

「明日には復帰するって言ったからな…治さないとな」

 

ぎゅっ。

 

「ん…梨子…?」

突然、何も言わずに抱き着く梨子。

「心配…してたんだからね…?」

「…ん、ごめんな…」

 

「…千歌ちゃんから…聞いた、よね」

「何を?」

「もうっ…またそうやって知らないふりするんだから…っ」

 

「あはは、ごめんごめん…梨子も、俺の事…って話だろ?」

「うん…そう、それ…」

恥ずかしいのか抱き着いたまま少し俯く梨子。

 

「私も…音楽室で悠くんから励まして貰ったときや…一緒にお出かけした時から…好きになってたの…悠くんの事が」

「…全然分かんなかったなぁ…」

 

「ふふっ、悠くんは鈍いからね」

「……そうなのかなぁ…」

「そんなところも悠くんらしいけどね♪」

 

「…悠くん…」

少し体を離し顔と顔を近づける。

鼻と鼻がくっつきそうになるくらい近い。

 

「…り、梨子…?」

「…恥ずかしいけど…これが…気持ちだから…っ///」

 

そう言うと首にキスをする梨子。

くすぐったい感覚が首に集中する。

 

「り、梨子…っ」

「恥ずかしいけど…不思議、嬉しさで胸がいっぱいになるね…♪」

「…反則だっつの…」

 

お返しと言わないばかりに首にキスをする。

「ゃ…ぁ…///」

嫌とは言いつつも腕を頭に回し離そうとしない。

 

「…梨子の味がするな」

「な、なにそれ…変なの…っ///」

 

顔が真っ赤になる梨子。

こんな表情が見られると思ってもなかった。

 

「そ、そろそろ千歌ちゃん帰ってきちゃうから…やめよっか…?」

「…うん…でも…」

最後にもう一度キスをする。

 

「また、しような?」

「………うんっ///」

 

いつの間にかクセになりそうになっていた。

 

 

───────────────────

 

 

「千歌、そろそろ寝る時間だよ?」

「今日は悠くんと一緒に寝るんだ~♪」

「こーらっ、移ったら大変だよって言ってんでしょ~?」

 

「…ダメ、かな……?」

「うっ………」

枕を抱きしめながら見つめる千歌。

その目は完全に恋をしてる女の子の目だった。

 

「…わ、分かったよ…」

「わーい!じゃあお邪魔しま~すっ♪」

意気揚々と布団に潜り込む千歌。

 

「…悠くんの匂いだ♪」

「あ、あんまり変な事言うなや…」

「だってホントなんだもん♪」

 

ぎゅっと抱き着く千歌。

そんな千歌の頭を優しく撫でる。

 

「……うん…千歌ね、こうされると…すごく安心するの…

ドキドキも止まらないの…」

そう言うと俺の手を胸に当てる千歌。

触られてるのなどお構い無しのようだ。

 

「どう、かな…?

私のドキドキ…伝わってる…?///」

「…すごく伝わってるよ…」

と言ってる俺もドキドキしているが、ここは平然を装う。

 

「へへっ…悠くん、大好き…♪」

頬にキスをする千歌。

最近、千歌のスキンシップが激しくて悶々とする。

 

「…ありがとな、千歌」

頬にキスし返す。

 

「わわっ…悠くんからされたの初めてかも…なんだか幸…せ…♪」

ぎゅっと抱きしめる力を強くしたまま千歌は眠りについた。

 

 

 

 

 

 

「なんだか…大変なことになりそうだな…」

そう思いつつも、どこか嫌な気はしない俺だった。




キスの回数が増えてきましたねぇ!(歓喜)

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