「今回はちょっとシリアス&短めずら!」
地区大会に向け、メンバーでアイデアを出し合っていた。
千歌が考えたテーマ…それは、''想い''だった。
スクールアイドルに対する想い。
そして…俺に対する想いも含まれているようだ。
「えへへ…悠くんのことを考えていたら、すっごくいい歌詞になった気がするよ♪」
「なんか照れるな…」
「あとはこれに曲をつけないとね!梨子ちゃん!♪」
「えっ!?……………あぁ、うん、そうだね…」
話を上の空で聞いていた梨子。
千歌からの問いに驚いた様子で反応した。
「…なんか考え事か、梨子?」
「…うん…少し、ね…」
消えてしまいそうな声で話す梨子にほかのメンバーも気にかけている。
「体調が優れませんか…?」
「それとも、なんか悩んでるとか…?
良かったら、話聞くよ?」
「私たちは仲間でーす♪
遠慮なく話していいのよ、リリー?」
こういう時の3年生はやはり心強い。
梨子も呼吸を整えてゆっくりと話し始めた。
「…今回の…地区大会…私は…参加出来ない」
──────────衝撃の内容だった。
梨子が…参加出来ない?
「…それって…どういう意味?」
「ごめんなさい…隠しているつもりはなかったんだけど…その日は…大事なピアノの演奏会があって…」
「…でも、ライブはどうするのさ…!」
考えよりも言葉が先に出てきた。
正直、冷静な考えなんか出来てなかった。
「ま、まって悠くん!
…もともと、梨子ちゃんはピアノとスクールアイドルの両立をするって約束で部活に入ってくれたから…」
「…でも、じゃあ…8人でライブをってことかよ…!?
そんなんじゃ……………!」
「Aqoursと呼べない…かしら?」
善子が代弁してくれた。
当たり前だ、9人揃ってAqoursなのだから。
「…本当に…ごめんなさい」
どんよりとした空気が部室に立ちこめる。
結局、是非は出ないままこの話は流されてしまった。
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「悠くん…怒ってたよね…」
「…事情は知らなかったんだし…仕方がないよ」
「でも、悠さんにとっては…大変ショックが大きかったのでは無いでしょうか…」
「そうずら…いつも悠さんはまる達のことを一番に考えていてくれたずら…」
「…大丈夫、きっと梨子ちゃんと話をつけてくるはずだよ」
「…うん、私も千歌と同感、かな
なんだかんだ言っても最後は悠がしっかりリードしてくれるからね」
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部室を出た梨子は音楽室にいた。
1人でポツリポツリとピアノを弾いていた。
「…ここにいたのか」
「…っ…!…悠くん…」
俺の顔を見るやいなや、顔を背ける梨子。
話しづらい…のだろうか。
「…怒ってる…よね…」
「…いや、俺も悪かった…頭に血が上ってた」
「ううん…言わなかった私が悪いの…
…ホント、ごめんなさい…でも…私…」
「…うん、梨子の言いたいことは…分かるよ
正直…9人揃ってライブをしてる姿が見たかったけど…
大丈夫、例え…梨子が演奏会に出てたとしても…心の中ではいつも一緒だよ」
「…悠くん…」
「…なんて…柄でも無いこと言っちゃったかな」
「…ううん、その言葉で…少し救われたような気がするよ…」
「…そっか………………良ければ、ピアノ、聞かせてくれないかな?」
「…うんっ、もちろん♪」
【…Aqoursのライブには、お前が必要なんだ。】
そう心の中では思っていた。
けど、梨子の決めたこと、そして部に入る時に決めた意思を…尊重しないと…。
そう頭の中で言い聞かせ続けた。
──────結局、地区大会は、8人で望むこととなった。
悠とAqoursのメンバーの喧嘩ってあんまり書きたくないけど…軽めに喧嘩っぽくなりましたね…笑
次回は梨子ちゃんともう1人…(?)のイチャイチャ回です!