迎えた地区大会当日……。
控え室に居たAqoursのメンバー8人はいつも通りの賑わいを見えていた。
「梨子ちゃんも、同じくらいの時間に演奏会をするずら?」
「そうだね…無事に終わるといいけど…」
「なーに、梨子なら心配いらねぇよ
…あ、それとみんな…これ…」
と、あるものを差し出そうとしたその時…。
「みんなー!こっち向いてー!」
曜の掛け声で振り向くとシャッター音が聞こえた。
「えっへへ♪」
「びっくりした~…もー、曜ちゃん!撮るなら言ってよ~!」
「ごめんごめん♪…ただ、ありのままを撮った方がいいかな~って…その方が梨子ちゃんも、安心するでしょ?」
写真を梨子に送信する画面を見ていて気がついた。
「…あれ…背景の写真…」
「あ、気がついた?
…この写真、お気に入りだからさ♪」
前までは…千歌とツーショットの写真だったが
夏祭りに行く前に十千万で撮った浴衣姿の千歌と梨子と曜の写真になっていた。
「…へへっ…♪」
「曜…」
あの一件が嘘のように照れくさそうに笑う曜。
「…ん、んんっ…!」
「あぁ、ダイヤ…ごめんごめん…」
「いえ…っ…それで、悠さんは何を渡そうと?」
「あ、今ダイヤ少し羨ましく思ったでしょ~?♪」
鞠莉がひそひそ耳打ちするとダイヤの顔が赤くなった。
「そ、そそそそ、そんなことないですわ!?
ありえませんわ!!??」
「お姉ちゃん…バレバレだよ…」
「えーっと…これ…なんだけど…」
出したのはキチンと包装されたリストバンド8個。
「…リストバンド?」
「うん、みんなの色をイメージして名前も入れて貰ったんだ」
「なるほど…通りで最近部室に顔出すのが少なかったのですね」
「あはは…びっくりさせようと思って…」
「う~んっ!中々のサプライズね、悠♪」
「ありがとね、悠♪
早速付けてみていいかな?」
「もちろん!」
各々リストバンドを受け取り手首に付ける。
「善子のは…無しで」
「なんでよ!」
「あはは、冗談冗談…はい、これ!」
「…う…っ…ま、まぁ受け取ってあげるわっ」
「おーっ…なんか、1つになった!って感じだね♪」
「梨子も付けてくれてるかな?」
「…おっ、早速返事が来たよ!
ちゃんと付けてるって♪」
携帯の画面を見ると、そこには確かに梨子が手首にリストバンドを付けてる写真が添付されていた。
「…よし…じゃあ、そろそろ準備するか!」
「うんっ…!
…じゃあ…みんな…手を合わして…」
8人が手を重ねる。
「…大丈夫…心で繋がってるよ…
だってAqoursは9人で1つ…だから」
「梨子ちゃんも…ちゃんと繋がってる!」
「いい報告、させないとね♪」
「私達なら大丈夫ですわ」
「ここを突破して…」
「目指すは本戦ずら!」
「ガンバ…ルビィ!」
「や、やや…やってやるわ!」
「あはは、善子…緊張も程々にな…
大丈夫、間近で練習見てたから断言出来るよ。
お前達は出来る…もっと輝ける!」
「…うんっ!
いくよ……Aqours~…」
「「「サーンシャイーン!」」」
────────────────────
「みんな…今頃は…ライブかな…」
舞台の袖で1人、演奏会に向かう梨子。
その手首にはしっかりとリストバンドがあった。
「…大丈夫…1人じゃない…皆が…居るよ…」
そっとリストバンドを胸に寄せる。
「心には…Aqoursのみんなが!」
しっかりとした目で演奏会に向かった梨子。
離れていても…遠くにいても、心は決して離れない。
それが…この曲にも、繋がっていたのかもしれない…。
そう…【想いよひとつになれ】と……。
────────────────────
ライブの次の日…。
「あ、梨子ちゃーん!」
あの日と同じように迎えに来たAqoursの8人と俺。
千歌が梨子の名前を呼び駆け足で戻ってくる梨子。
「……あれ…?」
向かってきたのは千歌の方ではなく俺の方だった。
「悠くん…っ!」
「のわっ…!」
梨子が思い切り抱きついてきた。
「…ただいま♪」
「…ん、おかえり」
「あー!梨子ちゃんずるーい!」
「そ、そうですわ!ずるいですわ!」
「…お姉ちゃん?」
「ダイヤさん…本音が出たずら?」
「まぁ…俺も梨子と約束してたし…な?」
「うんっ♪」
「それで、演奏会はどうだったの?♪」
曜が質問した。あの時とは違い顔も晴れ晴れしていた。
「…皆と繋がっていたから…かな
すっごく、上手くいったよ!」
「あはは、それは良かった」
「…ライブは…どうだった?」
「そりゃあもちろん…!」
思い切りピースサインをする千歌。
「良かった~…」
「と、言っても結果はまだこれからだけどな」
「それもこれも、悠がくれたリストバンドのおかげかもね♪」
9人がリストバンドをかざす。
…なんだか、見てる方が恥ずかしくなってきた。
「さて、思い出話でもしながら帰ろうか?」
「今日は志満姉に言ってあるから十千万でパーーっと打ち上げするよ!
料金は悠くん持ちね!」
「なんでだよ!」
「ふふっ♪」
ライブの事、そして演奏会の事…話したいことは山ほどあったのか十千万に着いてからも話は尽きなかった。
「…ねぇ、悠くんっ」
「…ん、曜?」
「…ありがとね…悠くんに、また助けられちゃった」
「…俺は当然のことをした迄だよ」
「ふふっ、頼りになるね…♪」
そう言うと頬にキスをした曜。
「これからも…頼っちゃうかもしれないけど…
よろしくねっ悠くん!♪」
笑った曜の顔は太陽のように明るかった。
次回は…招かれざる客が来ます…!
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