「自分の胸に手を当ててみなさい、リトルデーモン」
「あはは…なんの事か………花丸さん?なんで身構えてるのかな?」
「更新遅れた作者さんにはお仕置きが必要ずら」
「え、ちょ……あの落ち着こう?」
「国木田奥義、マルインパクト~!」
「ぐおおおぉおあお!」
「綺麗なスリーパーね…ホントに堕天しちゃう?」
「お、落ちるの意味がちが………ぐへ…」
「それで、本当の理由は?」
「アーケード版のラブライブが楽しくて…」
「次やったらまたマルインパクトずら」
※更新遅れてすいませんでした…!
たくさんのお気に入り登録ありがとうございます…!!
「うぅーーん………」
お手上げ状態で机に突っ伏す千歌。
もうこの状態を見るのは何度目だろうか。
「やっぱり詞作りは難しい?」
「初めてだもん~…だから悠くん呼んだんだよ~…」
そう、俺は千歌の部屋に今いる。
もちろん女の子の部屋に入るのは初めてだったので最初は抵抗もあったが、案外入ったら慣れてきた。
「もっとこう…キラキラドキドキするような曲を作りたかったんだけどなぁ…」
現状、詞作りはタイトルすら決まってない状態。
行き詰まってはミカンを頬張る千歌。
「ありのままを書いてみたら?」
「……ありのまま?」
「そうそう、今の自分たちの気持ちとかそのまま詞にぶつけてみたりさ」
「…そっか、うん、そうだよね!」
何かヒントを見つけたのかアイデアをまとめる千歌。
「良かった、参考になれたかな?」
「ありがとうね、悠くん!」
「どういたしまして」
不意に千歌の頭を撫でる。
「ちょ……ゆ、悠くん…?」
顔が赤くなる千歌。
正直俺も何故こんな事したのか分からなかった。
「え、あっ…ご、ごめん!」
パッと手を離す。
部屋の中には気まずい雰囲気になった。
「あー…お、俺なんか飲み物持ってくるね!」
「あ、う、うん!…ありがとう…」
────────────────────
半ば逃げるように部屋を出た。
「な、何やってたんだ…俺」
さすがに引かれたか…と、自分のした事を後悔する。
「はぁ……」
少し外の空気を吸おうと窓を開けた。
「あれ…悠くん?」
「あ、梨子」
向かいのベランダには梨子がいた。
今日の帰り道で聞いたのだが、梨子の家は十千万の隣らしい。
「詞作りはどうかな?」
「うん、まぁ進んでるよ」
「そっか、私も早く曲作りたいなぁ」
「…そういえば、梨子はなんでスクールアイドルになろうと?」
「…私ね、ピアノをやってて…それは悠くんも知ってるでしょ?」
梨子はコンクールでも賞を取るくらい才能がある。
「でも…音がね、聞こえなくなったの」
音…?
共感覚とでも言うのか?
「だから、内浦に来てすぐにね、海に入ろうとしたの」
「それは…音を聞くために?」
その問いに梨子は静かに頷く。
「その時に千歌ちゃんと出会ったの…その時にね、この人となら私の探してる音が分かるんじゃないかって…ううん、千歌ちゃんとならきっと私の知らない世界を教えてくれるんだって」
「…なるほど、じゃあこれからは2人じゃなくて俺も協力するよ」
「悠くんも?」
「当たり前だろ、俺も部員だぞ?」
「ふふっ、そうだったね」
────────────────────
「おまたせ、千歌」
「………………………」
「千歌?」
呼んでも返事がない。
黙々とペンを走らせる千歌。
どうやらアイデアが浮かんだようだ。
静かに机に飲み物を置き、その真剣な顔を眺めていた。
(ホントにスクールアイドルに憧れてんだな…)
「ん……あれ、悠くん?」
「あ、ごめん作業の邪魔しちゃったかな?」
「ううん、そんな事ないよ…悠くんが居ると落ち着くっていうか…」
「え?」
「な、なんでもないっ!」
そう言い、グイッと飲み物を一気飲みする千歌。
「ぷはぁ……あ、そうそう!結構進んだよ!」
ノートを見せてくる千歌。
曲のタイトルは 青空Jumping Heart
「……………………うん、なるほど…」
詞の頭から最後まで隅々まで見る。
「ど、どうかな…?」
「OK!これで1度曲作ってもらおうか」
「ホントに!?やったー!」
喜んだまま机に突っ伏す千歌。
余程気力を使ったのか、そのまま寝そうな勢いだった。
「ほらほら、そのまま寝たら風邪ひくよ?」
「悠くん~…おぶって~…」
…おぶれ?女の子を???
さすがにハードルが高すぎる。そんなことしたこともない。
「はーやーくー……」
突っ伏した状態から仰向けの状態になった千歌。
もはや駄々っ子のようだった。
「はぁ……ほら、いくぞ?」
もうこうなってはやるしかないと千歌を持ち上げる。
俗に言うお姫様抱っこだ。
さすがにやる方も恥ずかしさMAXだったが、誰も見てないと言うのと千歌からのお願いだったのでやることに…。
「悠くん力持ち~…♪」
満更でも無さそうな千歌。
女の子はやっぱりこういうのはやって欲しいものなのか?
「ほら、ちゃんと布団かぶれって」
「えへへ…ありがとう、悠くん」
「何改まってんのさ、これくらいしてやるよ」
「悠くん…やさし~……………スゥ…スゥ…」
「はや……」
結構疲れていたのだろう。
静かに部屋を出ようとする。
「おやすみ、千歌」
「……スゥ…スゥ」
…気付かれないように、頭を数回撫でて部屋を後にした。
曲はオリジナル設定で今のタイミング出しました。
作中に出てくる曲は基本オリジナル仕様です。
次回は1年生と会議です。