Aqoursな日々   作:A×K

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と言う訳でただの通りすがりさんからアイデアを頂いた

果南×ホラー系

小説です!!


第64話

夜の8時。

千歌が先に風呂に入ってるので風呂待ちをしている時だった。

 

ガラガラガラ…

 

「…ん、こんな時間に来客か?」

玄関口から話声が聞こえるが…志満さんと…女性?

 

「…あっ、悠くん?千歌は、まだお風呂かしら?」

「ええ、まだ入ってますよ」

「あらあら…果南ちゃんが来たんだけど…」

「えっ、果南が?」

 

千歌の代わりに玄関まで行くとそこには確かに果南が居た。

 

「…こんな時間にどうしたの?」

「…えっと……じつは…」

 

──────────────────

 

「携帯を学校に置き忘れた~?」

「しっー…!!」

 

話によると、学校のカバンの中に入れたつもりの携帯を教室の机の中に置き忘れてしまったよう。

 

明日の朝でも取りに行けば…と思ったが、ないとやはり不便。

取りに行こうとしていた所…なのだが…。

 

「…取りに行くのに…なんでここに来たの?」

「…えっと…その……うぅ…」

「…あ、もしかして…怖い…とか?」

「……………うっ……………」

 

図星なのか目線を泳がす果南。

なるほど、これは意外な弱点だ。

 

「悠…お願いっ、一緒に付いてきて~…」

「それは構わないけど…大丈夫なのか?」

「鞠莉には報告してあるよ…大丈夫大丈夫♪って返事が来たけど…」

「そう言えば鞠莉って理事長なんだよな…すっかり忘れてたわ…」

 

靴を履き、十千万の外に出るが…時刻は夜の8時。

残念ながらバスはもう走ってない。

 

「…どうやって学校まで行く?」

「…うーん…歩きしかないのかな…」

「それじゃあ労力使うだろ……ほら?」

 

自転車を持ってきて跨る。

「…え?」

「だから、後ろっ」

「…え、ええ…大丈夫だよ…っ」

「いいから、いいから…ほら?」

「…う、うん……………ありがとう…」

 

十千万から学校まで二人乗りで行くこととなった。

ホントはいけない事だが、夜で人通りも少なく見られることは無かった。

 

─────────────────

 

「…えへへ、なんか恋人っぽいね♪」

「ん、そうか?」

「こういうの…憧れてたんだ…♪」

「それはよござんした…っと!」

「きゃっ!」

 

坂道を下ると一気にスピードが加速した。

落ちないようにしがみつく果南。

背中越しに柔らかい感触が伝わってきた。

 

 

──────────────────

 

そうこうしてるうちに夜の浦の星女学院に着いた。

 

「…それで、どこから入るんだ?」

「鞠莉からは…1階の西棟の一番左端の窓がいつも鍵がかかってなくて空いてるよ♪って…」

「なんで鞠莉はそんなこと知ってる…」

 

とりあえず言われた通り西棟に向かうことになった。

 

 

 

「…ここか?」

「…う、うん…そうだね…」

さっきから果南の口数が少ない。

やはり怖いのだろう。

 

「…ほんとだ…空いてる…」

「やっぱり…入らないと…ダメ、だよね…?」

「…俺だけ行こうか?」

「ひ、1人は嫌~っ!」

「…はぁ、やれやれ…ほら、肩に乗っかって中入りなよ?」

「…う、うん…よいっしょっと…」

 

果南が学校内に入ったことを確認し俺も中に入った。

…入った瞬間に思った。

 

「……………めっちゃ…静か、だな…」

シーンとしてる校内。

廊下の先は真っ暗で何も見えなかった。

 

「…う、ううっ…」

「これは出るかもな…」

「え、ええっ!?」

「冗談だよ」

「も、もぅ!訴えるよ!

…あっ…もしかして…霊感とか…あるの?」

 

「……じつは…」

「…え、えええっ……………?」

「無いよ、ほら行くよ?」

「…も、もー!待ってよ~!」

 

携帯のライトを手にし、3年生の教室へと向かう。

 

「…な、なんで3年生の教室3階なの…」

「こういう時って長ーく感じるよね…」

「ひっ!な、なにか動いた!?」

 

「…窓が動いたね、多分外風が強くなってきたのかな?」

「…うう、早く出ようよ~…」

「大丈夫だよ、なんかあったら守ってやるから」

「…何も無いことを祈る…」

 

 

キーーーーっ………………

 

「な、なんの音っ…!?」

「…この教室からだな…」

 

思い切り教室の扉を開けるがもちろんそこには何も無く。

 

「…なんかが擦れた音か?」

「…ううう……………」

縮こまるように腕にしがみつく果南。

なんか見てて可愛く見えてきた。

 

「…ほら、3年生の教室」

「な、中まで一緒に来て…」

「はいはい…」

 

中に入るとすぐさま自分の机を確認する果南。

「あっ……………!…あった!」

「良かった良かった…じゃあ、戻るよ?」

「う、うんっ…!」

 

その時だった。

 

バンッ!

 

 

「ひっ!!!!」

「…なんだ?」

 

何かが落ちるような音がした。

 

「ゆ、悠~…」

涙目になりながら声を震わせて名前を呼ぶ果南。

そろそろ限界のようだ。

 

「大丈夫、何もいないからね」

…ちらっと横目で見たが…花瓶が落ちていた。

そして窓に''何かが''横切った…ような気がした。

多分、それを言ったら果南が怖がるだろうからあえて言わないことにした。

 

─────────────────

 

「ふふっ、果南ったら昔から怖いのと高いところ苦手もんね~♪

…花瓶が割れたのは…計算外だけど…ま、いっか♪」

 

一部始終を見た鞠莉は颯爽と帰って行った。

 

 

─────────────────

 

 

果南の家まで自転車で送っていくことになった。

夜の学校に行った後だと1人で帰るのはさすが怖いだろう。

 

時刻は10時を過ぎていた。

「…じゃあ、俺は帰るね?」

「あっ、ま、待って…!」

「ん?」

 

自転車で十千万まで戻ろうとすると果南に止められた。

「…遅いし…泊まって…いきなよ?」

「…えっ…でも…」

「ちょっと今日は怖くて…悠が隣にいないと…寝れない…かも…」

 

「…ん…分かった…果南がそう言うなら…そうしてあげるね」

 

 

千歌に連絡を入れて果南の家に泊まることに。

いつもより力を込めてハグをしながら眠りについた果南。

相当怖かったのか、離そうとしなかった。

 

顰め面をしながら寝てる果南の頭を優しく撫でると…

少し落ち着いて幸せそうな顔をしてるようにも見えた。




果南ちゃんを怖がらせてググッと距離を近づかせたい。
そのまま押し倒したい←危険

次回は…またまたまたあの人が登場します。

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