果南ちゃん…ママ…(^p^)
「…じーーーーっ…」
「あの…果南?」
「なーに?」
「…どうして…そんなに見てくるの?」
「ふんだっ、しーらないっ」
今日の昼ごはんは果南と一緒に食べているのだが…どうも様子がおかしい。
明らかに…拗ねてる…よな?
「…えーっと…なんか怒ってる?」
「怒ってない」
「じゃ、じゃあ…お腹空いてるとか?」
「今食べてるから空いてない」
「…あっ、もしかして女の子の…」
「悠~……………?」
「…はい、すいません…」
理由が分からないまま縮こまる俺。
うぅ…女心って分からない…。
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(…はぁ…悠ったら…最近全然構ってくれないし…
前はもっとハグ~とかしてくれたのに…私のアプローチ不足なのかなぁ…)
ちらっと彼を見る。
目線が完全に泳いで合わせようとしてない。
(…とは言え…これは気がつくまで時間かかりそうだし…うーん…どうしたものかな…。
……………あっ、そうだ!)
「ねぇ、悠?」
──────────────────
「は、はいっ!?…なんでございまするか?」
「何、その言葉……まぁ、いいや…今日の夜って…空いてる?」
「…えっ……………?」
今日の夜という魅惑の言葉についドキッとしてしまう。
「…あ、空いてるよ…?」
「…そっか…じゃあ…十千万の前の砂浜に来てよ
今日は、そっちに泊まるからさ」
「えっ、急だね…大丈夫なの?」
「大丈夫だからお誘いしてるんでしょ~?」
「…あ、ああ…分かった…」
今日の夜…何かするんだろうか?
──────────────────
「…うーん…」
授業中も果南の様子がおかしい理由を模索してたが…全然分からなかった。
怒らせるようなこともしてない…と思うし…。
誕生日…は、まだ先だし…。
「悠くん?どうしたの?」
隣の席の曜が小声で話しかけてきた。
「…いや…実はな…」
「………なるほどね…女の子同士だから、何となく理由は分かったかも」
「えっ、ホントに…?!
教えて欲しいんだけど…」
「それは、悠くんがちゃんと果南ちゃんの気持ちを分かってあげないと…ね?♪」
「…う、うぅ…それもそうか…」
至極もっともなことを言われてぐうの音も出なかった。
(…果南ちゃんも構ってもらえなくて寂しいんだよね…私も…悠くんに抱きしめてもらいながら…頭、撫でて欲しいな…///)
船のストラップを大事そうに擦りながら1人考える曜だった。
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夜…十千万の前には果南が居た。
約束通り、カバンに泊まるセットを入れて持ってきたようだ。
「…じゃあ、行こっか?」
「わ、分かった…」
千歌は誘わないのか?と聞こうとしたが…多分、果南は2人で話がしたいのだろうと俺の直感が告げていた。
砂浜に着くと静かにさざ波が揺れてる音だけが聞こる。
果南は砂浜に座り込むと真っ直ぐ揺れる波を見つめていた。
「…それで…話って…」
「こうやって…二人きりになるのは…学校に潜り込んだ時以来…かな?」
「…そう、だな…」
「…ねぇ…悠」
「…ん?…どうしたの?」
「あの星…見える?」
「…あれ、かな…?」
上を指さす果南。
内浦は東京と違い、空に光る星座がきちんと見える。
……………そう言えば…ここに来てから星を見ることはあんまりなかったな…。
「あれはね、おおかみ座って言うんだよ…♪
星にも、ちゃんと星言葉って言うのがあるんだよ、知ってた?」
「…花言葉…みたいなものかな?」
「まぁ、そうだね…♪
おおかみ座の星言葉は…''さみしがり屋の好奇心''」
「…さみしがり屋の……好奇心?」
「…昼にね、話してた…事…決して、悠に対して怒ってんたんじゃないの…」
「…う、うん…」
「ただ…悠が構ってくれなくて…少し……ううん、結構寂しかったんだ…」
「…果南……………」
初めて聞いた果南の寂しいという本音。
「…だから…今日1日…その寂しさを…埋めて欲しい…なって…///」
「…好奇心って言うのは…?」
「…悠が、教えてくれたんだよ…?
…誰かを好きになって…その気持ちが、私の知らないドキドキして…でも、心があったかくなる…未知の感覚…でも、それがいつしか…悠に対する好奇心に変わってたんだよ」
「…果南………」
「…ねぇ…ハグ……して?」
少し泣きそうな顔をして両手を広げる果南。
「…ん…分かった」
優しく体を抱き寄せる。
果南がその胸の中で…小さく呟いた。
「…ずっと……そばにいたい…///」
その言葉は…波の音に消されるくらい小さく呟いた。
この時、寂しがり屋な彼女の一面を俺は初めて見たのかもしれない。
そんな姿は…年上だけど…どこか、甘える姿は…幼く見えた。
次回は果南&千歌と悠くんのお泊まり回です。
もちろん何事もないわけもなく…?
17日はスペシャル編曜ちゃん誕生日回です
(先に告知しておくよ!!)お楽しみに!
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