Aqoursな日々   作:A×K

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冬休み編突入!!


第76話

「ふっゆや~すみ~!♪」

「楽しみずら~♪」

 

12月も半月が過ぎようとしてた頃…千歌と花丸が鼻歌交じりで冬休みが来るのを今か今かと待ちわびていた。

 

「…冬休みまでには…作っておかないとな…」

「ねぇねぇ、花丸ちゃん、曜ちゃん!

冬休みはどこに行こっか!?♪」

「うーん、そうだなぁ…」

「まるはどこでも大丈夫ずらよ~♪」

 

「…あの、3人とも…?」

「やっぱり、東京~?」

「でも、それはAqoursのみんなで行ったずらよ~?」

「…あの、ですから…」

 

「じゃあ、どこか違う場所?

同じ静岡の富士山とか?」

「んもー、せっかくならもっと遠いところとか~…」

「だまらっしゃーーーーーーい!!!」

 

「ずらっ!?」

「よぅっ!?」

「ちかぁっ!?」

 

ダイヤの雷で少し驚いた俺は3人の方を見た。

というか、千歌と曜の驚き方はなんだ…名前が出る習性でもあるのだろうか?

…おい、いまユーはショックって言ったやつ、誰だ。

 

「貴方達、前にも言いましたが冬休みの宿題を…!」

「あっ、それは大丈夫だよダイヤさんっ!」

「…はい?」

「ちゃんと終わらせるずら♪」

「やっぱり、早く終わらせて…みんなと遊びに行きたいもんね!♪」

 

「…それには俺も同意だな

終わってなくてみんなの手を煩わせるのは夏休みの時だけで十分だ」

「…ゆ、悠さんがそういうなら…分かりましたわ…っ」

 

(うっわ…悠にだけ甘々だよ…梨子ちゃん)

(あはは…分からなくもないでしょ?果南ちゃんも)

 

「…それで、千歌はどこに行くのか決まったのか?」

「うーん…まだ全然…どこがいいのかなぁ…」

 

結局、千歌は唸るままで冬休みの予定は白紙のままだった。

 

─────────────────

 

その日の夜。

 

「…こっちの歌詞は…8割方完成してて…あとはこのライブ用の歌詞も今日7~8割くらい進めとかないとな…」

 

1人部屋でペンを走らす。

ライブ用の…それも本線の優勝を争うために作る曲。

何度も何度も…書いては消してを繰り返す。

自分の気持ち…伝えたいこと…Aqoursの皆の…個性や特徴…発揮できるものは全て発揮させたい。

 

 

その時だった。

 

 

prrrrrrrr!!

 

電話がなった。

嫌な予感はするが、とりあえず出てみることに。

 

「…もしもし?」

【good afternoon~!♪

フランスパリからシャンゼリゼ~♪】

 

ピッ。

 

「…ここはやっぱりこのフレーズの方が~…」

 

Prrrrrrr!!

 

「…もしもし…」

「はぁ…はぁ…敗北者……?

取り消せよ…今の言葉…!」

「凄い世界観が潰れるからやめておけ…そんで、要件は何かな…母さん」

 

フランス色に染まった母親が声のトーン高く話し始める。

 

「Youはあと1週間弱で冬休みよね~?

なんかスケジュールあるのー?」

「貴方はいつからジャニー喜〇川になったんだよ…

無いよ、Aqoursのみんなと出かけるって言うのは決まってるんだけどね」

 

「お、なら好都合

今度さ、週末に日本戻るからさ…せっかくならお出かけ先、用意してあげようかなって」

「…えっ、用意?」

 

「帰るって言っても、仕事はするけどね

北海道なんだけど…ホテルの副支配人が知り合いでね

頼めばAqoursのみんなとYouを入れて10人くらいなら予約も入れられるし…どうかなーって」

「…北海道…か…」

 

「ん、まあ千歌ちゃんとかと話してみなよ

予約して欲しかったらメールなり電話なりで連絡してちょ」

「…やけに至れり尽くせりしてくれるけど…なんか目的があるの?」

 

「んー…まぁ、Aqoursのみんなとどうなってるのかなーって

高校生活中は良いけど…そろそろ決めなさいよ、本命さんを」

「…あぁ…気づいてたのね」

さすがに怒るのかなと思ったけど、母親は大きく息を吐き、言葉を続けた。

 

「まぁ、千歌ちゃんだけじゃなくて曜ちゃんや鞠莉ちゃんを見てて思ったわよ…こういう時って女の勘は鋭いのよ?

…ま、アンタはお人好しで優しくて…モテるとは思ってたけどね」

「あはは、誰に似たんだろうね」

「一言余計なのは治らないみたいね?」

「あはは…ごめんごめん」

 

「…ま、今度ほかのメンバーさんも紹介してよ

とりあえず要件はそんだけだよ…渡辺さん待たせてるし、そろそろ切るよ?」

「ん、分かった…ありがとうね、おやすみ」

 

 

電話を切り、画面の消えた携帯を見つめる。

「…本命さん、か…

…思えば…春になれば3年生の3人は…卒業、なんだよな…」

そう思えば思うほど…歌詞を早く作りたいという気持ちになった。

 

「…喜んでくれかな…みんな」

その歌詞のタイトルは…''待ってて愛のうた''

俺からAqoursに送る…世界でひとつの…オリジナル曲。

歌詞も、演奏も、歌も…1人で手がける。

 

梨子ちゃんにバレないように、音楽室でピアノの練習も密かにしている。

 

「…よしっ、頑張るか!」

グッとペンを持っての力を込め、再びノートにペンを走らせるのであった。

 

 

────────────────────

 

 

「…えっ、北海道?」

「うん、母親がな…みんなの分の宿泊先とか手配してあげるからどうかって」

 

「そ、そんな!そこまでしてもらうなんて申し訳ないですわ!」

「北海道かぁ~…雪とか降ってるのかな~?」

「今は結構降ってるみたいだよ、積もってるみたいだし」

 

「ルビィ…雪見てみたい、な…♪」

内浦は滅多に雪が降らないらしい。

 

「私も、賛成かな

悠のお母さんがそこまで言ってくれるなら…好意に甘えてもいいのかなって♪

挨拶もしておきたいしねっ」

 

「千歌も賛成~!」

「北海道かぁ…初めての場所だしワクワクするね!♪」

「でも、行くとしたら…どれくらい行くのかな…?」

「…一応、母親的には5泊6日の予定だとさ」

 

 

「……はぁ、皆さんにダメと言っても無駄のようですわね…

大変申し訳ないのですが、悠さんのお母さんがそこまで言ってくださるのなら…皆さんで北海道に行きましょう」

「…ん、じゃあ頼んでおくね」

 

「よーしっ、早く冬休みにならないかなー!♪」

「えへへっ、行く時は飛行機なのかな?」

「ひ、ひっ、飛行機…!?」

「果南~?今更行かないは無しよ~?♪」

 

 

 

こうして、12月の冬休みは北海道に行くことになった。

…ん?…もしかして…クリスマスも…北海道で過ごす…のか?




次回は出発編から到着編までです!

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