Aqoursな日々   作:A×K

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時期はついに大晦日…
Aqoursのメンバーと悠くんが1年を振り返ります。


第85話

「ついに今年も終わりだね~…」

 

モゾモゾとコタツに潜りながらミカンを頬張る千歌。

さっきからずっとこんな調子だ。

 

「だなぁ~…なんかあっという間の1年だったわ…」

その横でゴロゴロする俺。

千歌が足でちょっかい出してくるが気にせずテレビを見る。

 

「あ、そうだ…この後曜ちゃんと梨子ちゃん来るんだった」

「え、そうなの??」

 

「うんっ、一緒に年越し迎えよって誘ったの!」

 

それをするなら他のメンバーも…とも思ったが

次の日の初詣の兼ね合いもあるそうだ。

…初詣行くって俺初耳なんだけど…。

 

「あっ二人とも、もう家の前だって!行こ!」

そう言うと勢いよくコタツから出た千歌。

その後をコタツから出たくなかったがゆっくり追う俺だった。

 

────────────────────

 

「ヨーソローっ!♪

今年も1年お世話になりましたっ♪」

「悠くん…なんか寒そうだね…」

「しばれるよぉ…ホント…」

 

(しばれる…?)

(悠くん、北海道に馴染みすぎてるよ…!!)

 

ちなみに寒いという意味らしい、聖良から聞いた。

 

「それに比べたらしいたけは寒くなさそうだなぁ…

マイタケとえのき茸は元気よく走り回ってるし」

「もー!悠くんその名前はぶっぶーだよー!」

 

(千歌ちゃんが…ダイヤさん化?)

(ちょっと…可愛いかも…)

「だめ?」

「ダメだよー!」

 

俺と千歌のやり取りを首をかしげて見る3匹の犬だった。

 

────────────────────

 

「そう言えば、悠くんのお母さんはまだイタリアなのかな?」

「みたいだなぁ…正月くらい帰ってくればいいのに」

 

携帯を見てみるが帰るという連絡は来なかった。

…いや、もしかしたらびっくりさせようと突然来るかもしれない。

 

「今年は色々あったもんね~…」

ガキの○いを見ながら呟く千歌。

 

「そうだな~…スクールアイドル部が出来て…ライブしたり…みんなと出かけたりしたもんな~…」

 

「曜ちゃんと梨子ちゃんの一番の思い出はなーに?」

千歌からの突然の質問に、えっ…としばし考える2人だった。

 

「…私は、やっぱり地区大会…かな…私の中ではアソコがAqoursとして結束が強くなった瞬間かなって…思うし…」

「あはは…そう言えば、あの時に曜に怒鳴ったっけ…あの時はごめんな」

「ううん、悠くんのおかげで今の私があるわけだし…♪」

 

「私は~…ライブで歌えなかったときに悠くんにアドバイス…まぁ、音楽室で一緒に歌った時かな、あの時に勇気を貰えたから…今もライブで自信もって歌えるわけだし…」

「まさか後々俺もライブで歌うこととなるとはね…」

 

「ちっちっち……2人とも、いい思い出だけど…肝心なこと、忘れてるよ!」

ふっふっふ…と悪役っぽい笑みを浮かべる千歌。

 

「肝心な……」

「こと……?」

2人の頭には?が浮かぶ。

ちなみに俺にも分からない。

 

「それはもちろん…悠くんに会えたことだよ!

もし、悠くんが東京にそのまま居たら…もしかしたら、他のスクールアイドルのサポートをしてたのかもしれないし…内浦に来なかったらこうはならなかったし…これはもう、運命だよ!」

「あはは…千歌は大袈裟だなぁ…」

「ホントだよっ!

…千歌が一目惚れしたのは…悠くんに出会った瞬間…なのかなぁ…///」

 

「そ、それを言ったら私も!///」

「わ、私だって!///」

 

「…3人とも?」

「あっ……こ、こほん…他のみんなにも聞いてみようよ!」

先程の話し合いをなかったことのように携帯にメッセージを打ち込む千歌。

 

 

────────────────────

 

 

一番最初に返事が来たのは果南だった。

【私はこうやってスクールアイドルをしてる理由をくれた悠の言葉かな……ああやって、真っ直ぐに気持ち伝えて…気づかせてくれて…すっごく嬉しかったから、ね…♪】

 

「くぅ…果南ちゃん…バブみが凄い…!」

「いつも思うけど、千歌ちゃんのその言葉はどこから覚えるの…」

「尊い…!」

「梨子?」

 

次に黒澤姉妹から来た。

【私は…10人でライブをした事、ですかね

最初提案が出た時は…悠さんがセンター…大丈夫でしょうかと心配でしたが…きっと私の高校生活で忘れられない思い出になりましたわ

 

ルビィも同じだけど…9人で、悠さんに向けて送ったライブ…かな

あの時の曲ね!すっごく好きだから今でも口ずさんだりするんだっ♪】

 

「…あったなぁ…まさかAqoursのみんながそんなことをせ考えてくれてると全然分かんなかったよ…」

「悠くんはバク転の練習と振り付けで忙しかったからね」

「衣装も頑張ったんだから!♪」

「…幸せ者だなぁ…」

 

「あ、善子ちゃんからも来てるよ?」

【ヨハネよ!】

「テレパシーかよ…」

【…まぁ、東京巡りかしらね

悠…いえ、マイリトルデーモンのおかげで楽しめたわ

こう…頼りになるって言うか…男らしいところも見れたって言うか…】

 

「そう言えば、東京巡りしてる時に誰かにあったんだよな…」

「え、誰々?」

「うーん…それがさ、京都?っぽい方言の人だったんだけど…どっかで顔を見た気がするんだよねぇ…」

「悠くん、それだけじゃ抽象的すぎるよ~」

「あはは、やっぱり…?」

 

そんな談笑をしていると花丸からもメッセージが来ていた。

 

【まるは…初めての講堂でのライブずら

それまで…スクールアイドルとか、歌うってこと…絶対に出来ないって思っていたずら

でも、ルビィちゃんや…千歌ちゃん…みんなのおかげで出来るって気持ちに変わったずら!

正直…スクールアイドル部に誘われた時も…かなり、迷ってたずら…今だから言えることだけど…】

「講堂でのライブ…確かに満員の時は驚いたな」

「地道な努力が実った瞬間だったよね♪」

 

あのライブの少しあとにダイヤから聞いたのだが

講堂でのライブの満員人数を400人と位置付けていたそう。

…果南が来て、ちょうど400人目だったそうだ。

 

 

【思い出?

…うーん…色々あるけど…やっぱり私はみんなでお泊まり会した時かしら~?

悠のことを夜b………】

「わ、わー!わー!!!!!!」

いきなり携帯の上に身を覆いかぶせる千歌。

…見せたくないような内容だったのだろうか?

 

──────────────────────

 

「うーん…やっぱり書く内容がアグレッシブだったかしら?」

(まさか見て高揚したとか…今更言えないよ…///)

(やっぱり千歌ちゃんも気がついてたんだね…///)

(と言うか、あの状況を気が付かない方が無理だよ…///)

 

────────────────────

 

「さてと…そろそろ年越しだけど…みんな寝る気は無いみたいだね」

「どうせなら初日の出も見ようかなって!」

「今夜は寝かせないであります!♪」

「でも、寝不足や夜更かしは体に毒だから無理はしないようにね?」

 

「あはは、他のメンバーも寝る気は無いみたいだな」

先程からダイヤ等から1年のお礼のメッセージなどが来ていた。

 

「あ!カウントダウン始まるよ!」

テレビには新年まで10秒と表示がされていた。

食い入るように秒数を数える3人。

 

3………2………1…………

 

「「「ゼロ~!♪」」」

「ん、3人とも今年もよろしくな」

「こちらこそっ!」

「今年もよろしくねっ」

「悠くんっ!♪」

 

3人の初笑いはなんとも眩しいものだった。




次回は初日の出と初詣編!

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