Aqoursな日々   作:A×K

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沼津・内浦観光から帰ってきましたー。

なんと100話をラブライブ本戦の決勝戦に繋げたい…!
というわけで今回は分量多めに行きます。

悠くんの居ぬ間に!


第94話

【千歌 視点】

 

「むむむ~……………」

悠くんが東京に向かってから私は自分の部屋で唸っていた。

いざ作ろうと考えては見ると難しいものだ。

 

「こういうのもいいよねぇ~…」

パラパラと雑誌をめくっているとフルーツチョコレート等

普通のチョコレートとは一風変わったチョコレートがぎっしりと載っていた。

 

「…うーん…私らしいチョコを作りたいなぁ…」

「わぅ?」

 

しいたけがお座りしながら首を傾げる。

「私らしさってなんだろーねー、しいたけー」

「わんっ」

しいたけがトコトコと歩くとみかんの箱に前足を置いた。

 

「みかんかぁ~そーだよねぇ~…うーん…………あっ!」

めくっていたページにふと目が止まった。

「これ…これだよ~!」

 

早速バタバタと支度をし始める。

悠くんが帰ってくる前に……!

 

「でも~…これできるかな…お、オラン…ジェッタ…???」

もちろん、初めて聞くようなチョコレートだ。

「と、とにかくとにかく!やってみよう!」

 

意気揚々と作り始める私だった。

 

 

 

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【曜 視点】

 

「うーん…チョコレートかぁ」

携帯で何個かレシピサイトを見てみる。

 

この時期になるとさすがにチョコレートのレパートリーも多くなる。

「ふむふむ……なるほどねぇ」

こういうのは本格的に作ったことがないから…自信ないけど…

 

「何かこう…特別なのがいいよねぇ…」

すると、あるサイトにたどり着いた。

 

 

「…………………うっ」

思わず目元がピクピクとしてしまう。

 

わ、私…渡辺曜はこういうのには耐性がないであります…。

「か、髪の毛に…血……さ、さすがにそれはぁ~…」

悠くんは喜ばれないよねぇ…。

千歌ちゃんに聞いてみ……う、うーん…今回はそうはいかないもんなぁ…。

 

「…こ、ここは無難にクッキーとかにしておこう…」

難しいなぁ…バレンタインデーって…。

 

 

 

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【梨子 視点】

 

「ふんふんふーん…♪」

鼻歌交じりでキッチンでチョコを溶かす。

 

「初めて男の子にチョコレート作るなぁ…♪」

 

指先にチョコを付けて味を確かめてみる。

「うんっ、いい感じ♪」

 

…あっ、こういうのは…あれかな?

昔見た本にあったシーンを思い出す。

 

あのシーンは…確か…チョコを唇につけて舐めあって…。

「…わ、わわわっ…私何想像してるんだろ…///」

 

焦げ付かないようにチョコを見守るのを再開する。

……ふ、2人きりなら…いいかも、とちょっぴり思った私だった。

 

 

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【果南 視点】

「うーん…」

カエル館の前で海を見ながら考え込む。

決して、チョコレート作りが滞ってる訳では無い。

 

「沼津の魚介を使ったチョコレートなんてどうかなぁ~…?」

アジでも入れてみようかな?なんてね…♪

 

「ここはシンプルにハート型…かな…///」

両手でハートを作ってみる。

「あ、あはは…何やってんだろ…///」

 

男の子にチョコレートを渡す時って…こんなにもドキドキするんだね…///

 

「…あっ、そうだ…♪」

 

 

何か思いついたら果南…果たして、それはチョコレートの事か…それとも別のことか…。

 

 

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【善子 視点】

「くっくっく……………黒魔術により砕いたアーモンドを…投入!」

 

何故かいつものマントを身にまといチョコレートにアーモンドを入れる。

「尖ったチョコレートにしてやるわ…ふふっ、これでマイ・リトルデーモンのハートにも一突きね♪」

 

不敵な笑みと共にチョコレートを作る。

「あとはこの薬を~………さ、さすがにやめようかしら…」

このバレンタインデーという日は…多分ヨハネにとっての…最大のXデーになると思うわ…。

 

「ふふっ……ヴァルハラは…近い!!」

この後、知らず知らずにチョコレートが固くなり頭を抱える善子だった…。

 

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【鞠莉 視点】

「うぅーん、シャイニーなチョコレートってどう作るのかしらねぇ~?」

珍しく難しい顔をする。

 

確かにチョコレートって作ったことはあんまり無い。

「んー、もう少し刺激的なチョコレートにしようかしら~?」

彼のことはよく知ってると思っていたけど…意外にも好みとか知らなかった。

 

「んー……これは大一番に一歩遅れをとっちゃうかしら?」

「…と、言ってもみんなも同じくらい足踏みしてるんだろうなぁ~…?」

 

色々と悩んだ結果、チョコレートという概念に囚われないようにした。

 

「となると…やっぱり、洋菓子とかかなぁ?」

 

 

…ちなみに、自分の部屋のベットから一歩も動いてない鞠莉だった。

 

 

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【ダイヤ 視点】

「…ふぅ」

冷蔵庫に手作りのチョコをしまい、一息つく。

 

「…ルビィは大丈夫でしょうか…」

さすがに個々の戦いとはいえ…実の妹。

気にならないわけがない。

 

「…少し、だけなら…」

様子を覗きに行くことにした。

 

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【ルビィ 視点】

「うゅ……上手くできない…」

デコレーション…難しいよぅ…。

 

「これで…5回目の失敗…」

どうしよう……。

 

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(ふむ……やはり、手を煩わせてますわね…)

「…ルビィ、どうしたのですか?」

 

「お、お姉ちゃんっ??」

 

驚いた顔でルビィがダイヤの顔を見た。

「…ふむ、最後のデコレーションですわね

…少し、手伝いましょうか?」

「ええっ…でも……っ」

 

「いいのですわよ、困った時はお互い様ですわ

…それに、やはり放ってはおけないですわ」

「お姉ちゃん…」

 

この時、ダイヤにはひとつの思いがあった。

もし、ルビィが彼と幸せになるのであれば…私はその支えになれればいい、と。

それが姉として出来ること…だから。

 

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【花丸 視点】

「メッセージカードは…これで…完成、っと…」

 

製造過程も最終段階に入ったところで大きく伸びをする。

「悠さん…喜んでくれるかなぁ…」

 

何度も何度も作ったチョコとメッセージカードを見直す。

誤字脱字は無いのはわかっていたが…やはり何度も見てしまう。

 

「…これが、まるが今精一杯伝えられる気持ちずら」

最後にメッセージカードをぎゅっと胸の中で抱きしめるのであった。

この思いが…伝わりますように、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

【そして、その次の日…バレンタインデー当日】

 

「ふぁ…ぁ……」

「眠そうだね、悠くん?」

 

「あー…まぁ、昨日は色々あったからなぁ…」

「えー、なになに!聞かせてよ~!」

 

「えっと…母さんと…あと…あっ」

「…?…どうしたの?」

 

「(あっぶね…絢瀬さんと東條さんと矢澤さんのこと言うとこだった…)あ、あはは…まぁ、色々と…」

言葉を濁しているとバスが来た。

じーーーっと千歌に見つめられながらバスに乗車した。

既に先客もいたようだ。

 

「おっはヨーソロー!」

「あ、曜ちゃんおはよ!♪」

「おー、曜…昨日、月さんとあったよ」

「あっ、私の方にも連絡来たよ!♪」

 

「月さんってだーれ?」

「ああ、それを言うとこだったんだけどさ…」

バスの道中、昨日、月さんと会って東京を巡ったことを話した。

もちろん、μ'sの人と会ったことは内緒だ。

月さんにもそう口添えしてある。

 

「なーんだ、曜ちゃんって従姉妹いたんだ~」

「そういえば、千歌ちゃん会ったことないんだよね

いつか会えるよ♪」

 

そうこうしてるうちに浦の星に着いた。

…と言うか、千歌も曜もソワソワしてる…なんかあったのかな?

 

「あっ、わ、私ちょっと部室行ってから教室向かうね~!」

「分かったであります!♪」

「お、おう?」

千歌が学校に着くや否や、さっさと部室に行ってしまった。

 

「朝から部室なんて何の用なんだろうな?」

「さ、さぁー??」

「……?」

 

 

 

────────────────────

 

それは昨日の夜、ダイヤの制約で決まった。

明日のバレンタインデーは各々で渡すタイミングは決める、との事。

もちろんみんな満場一致で賛成をした。

 

学校に着いた時でも…昼休みでも、部活の時でも…いつでもいいと言うルールらしい。

 

 

「…と、言うのを聞いて部室に来たはいいものの…」

部室において置くのも…あぁ、ダメだ…それだとムードが…。

 

「…わ、渡すタイミング考えないと…」

結局やることも無く部室をあとにする。

 

「渡すタイミングより部室に行った言い訳をしないと…はぁ~…」

廊下には溜め息をする声だけが響いた。

 

────────────────────

 

 

「おはよっ、悠♪」

「おお、果南…おはよ、どうした?」

教室に着くと果南が居た。

 

「…はいっ、これ♪」

「…え、っと…これは…?」

渡されたのは小さな箱。

 

「…あ、開けるのは…いつでもいいからね!///」

「…お、おう?」

足早に教室を後にする果南…顔が赤かったのはきのせいか?

 

(果南ちゃん…今渡すなんて…!)

「今開けよー」

「えっ、い、今開けるの?」

「?…なんかまずいのか?」

「い、いや~…大丈夫だよ?(まぁ、これで悠くんもバレンタインデー当日って気がつくよね…)」

 

開けると……そこにはチョコレートで出来た小さな魚が入っていた。

「…チョコ?」

「ちょ、チョコだね~…♪」

「………あーーーーーーーーーーーーーー……………………」

 

何度か確認をして頭を抱えながら頭を突っ伏す。

「ゆ、悠くん…?」

「あぁ…そっかぁ…今日はそういう日かぁ~…」

「…ふふっ、やっと気がついた…はい、私からも…チョコレートのプレゼントでありますっ♪」

 

ニコッとしながら曜も箱を渡してきた。

「よ、曜も…用意してくれてたんだ…チョコ」

「初めて作ったから…上手くできたか分からないけど…よく味わって…ね?///」

「お、おう…ありがとう…」

 

何故か朝から授業前に小さな魚の形をしたチョコと船の形をしたクッキーを食べることになった。

もちろんどっちも美味しかった。

 

 

 

 

 

授業中…俺はひとつの考えにたどり着いた。

 

 

 

 

「(このパターンって…そう、だよなぁ…)…なぁ、梨子?」

気になって梨子にも聞いてみる。

…まぁ、この考えが間違ってないのは確かだと思うが…。

 

「な、なにっ、かな???」

ドキッとした顔で梨子がこちらを見る。

…あー、梨子もそうだなぁ、これ…。

 

「…いや、なんでもないよ」

「そ、そっかぁ~……♪」

あえて、深くは問いつめなかった。

まぁ、本人の問題もあるだろうし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、昼休み…教室のドアからひょこっと3人が顔を出す。

 

「あの~………悠さん…居ますかぁ…?」

「ずら…ぁ?」

「ギランっ………マイ・リトルデーモン発見!」

 

「おぅ、よしまるビィ…どうしたの?」

「だからその呼び方で~!…って、まぁそれはいいわ…

お昼ご飯、一緒にいいかしら?」

「珍しいね…もちろんいいよ?」

「良かったぁ~…♪」

「じゃあ、屋上で食べるずら♪」

 

こうして1年生組に連れられ屋上で昼飯を食べることに。

 

「…ホントはお昼ご飯を一緒に食べたいって言うのは…建前ずら」

のっぽパンを食べながら花丸がボソッと呟いた。

 

「えっ、そうなの?」

「えぇっと…これ、ルビィからです…!///」

「ヨハネから…マイ・リトルデーモンに慈悲深きプレゼントよ…受け取ってくれるわよね?」

「まるからも…チョコの…お渡しずら♪」

 

「さ、3人とも…」

ずいっと渡された3つの箱に思わず目をこすって現実を確認する。

 

さっき辿り着いた1つの答え…それは。

────Aqoursのみんながチョコレートを用意してるんじゃね?………と。

どうやら…その予想は的中をしたようだ。

 

「食後に食べるよ…ありがとうね、3人とも」

「えへへ……良かったぁ…」

「ぜひ食べたら感想を聞かせて欲しいわ、リトルデーモン」

「まるからもお願いするずら!」

 

「あ、あはは…大層なコメントは出来ないよ…」

 

花丸のメッセージカードは…思わず目を背けちゃうくらい照れる内容だった。

善子のチョコは……甘かったがアーモンドがめちゃくちゃ多くて…尖ってた…それは、すごく。

どんくらいって言ったら、それはもう光の護〇剣くらい。

 

 

 

────────────────────

 

 

 

放課後……部活の前に、ダイヤと鞠莉に呼ばれて理事長室に向かった。

 

「なんとなく~……要件は分かってます」

「あら、そうなの~…って、まぁこの流れならさすがの悠でも分かるわよね~…」

「こ、こほんっ!

…なら、説明は不要ですわね…」

赤い顔をしながらダイヤが箱を渡してきた。

「そ、そう言えば…ルビィからも貰いました?」

「うん、貰ったよ…すごく美味しかった」

「それなら、良かったですわ」

ニコッと笑うダイヤ。

その姿を見ながらニコニコとしながら状況を見つめる鞠莉。

 

「ふふっ、悠はモテモテね~

…という私も渡すんだけどね~♪」

「う、うん…だと思ったよ…」

あれか、プロ野球選手とかがバレンタインデーにたくさんチョコを貰う気持ちってこんな気持ちなんだね。

 

 

「とってもシャイニーで刺激的なチョコレートよ~♪」

「し、刺激的…?」

「是非…今食べて欲しいですわ」

「わ、分かった…」

理事長室に座りダイヤと鞠莉のチョコを舌づつみする。

確かに…なんかこう…刺激的な味だった。

なんとも表せなかったが…刺激的だった。

 

ダイヤのも美味しかったが…食べるとこをマジマジと至近距離で見られるのはさすがに緊張した…。

 

 

────────────────────

 

 

 

「だあああああ…お腹がチョコ…」

「(ううーん…もうみんな渡したかぁ…梨子ちゃんがここにいるってことは…)…あはは、悠くんおもしろ~い…」

「ふふっ、悠くん今日は一日大変だったね…♪」

 

横になる俺の頭を撫でる梨子。

そしてお腹をつんつんする千歌。

さすがにこれ以上食べるとチョコにでもなりそうだ。

と言うか、鼻血が出ない俺は鼻でも強いのだろうか。

 

「ね、悠くん…?」

「んん………?」

梨子が顔を寄せる。

その口には…チョコが咥えられていた。

 

「…えっ、と……梨子?」

「ふぁーに…?」

「…そういう…こと、だよな?」

その質問に梨子が頷く。

 

「…んっ…」

咥えられたチョコを口に含む。

「…ん、なんか…すっげー甘い…」

「…り、梨子ちゃんの…甘さも入ってる…なんて、ね…♪」

「あ、ず、ずるーい!///

…わ、私も食べさせてあげるねっ…はいっ、悠くん…

あーん…///」

 

「ち、千歌…っ」

抱き寄せ、口に…みかんチョコ?を近づける千歌。

まるで小さい子供が母親から食べ物を渡されるようであった。

 

 

「ん、ふふっ…美味しい?///」

「な、なんか…千歌の味がする…」

「あははっ、変な悠くん…♪」

 

 

 

 

 

 

そのあとは梨子から…千歌からと交互にチョコを貰った。

寝る前に…思ったことがひとつ。

 

 

 

 

 

「あっ、やべ…お返しどうしよう…」




俺史上1番長く書いた気がする…!!

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次回!本戦!!

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