Aqoursな日々   作:A×K

95 / 145
ラブライブ本戦、はじまります!

※今回は台本調になってます。
時々カッコの前に名前が入りますのでご了承ください。


第95話

「…よし、じゃあ行こうか?」

 

その一声に千歌は深呼吸をし、目をぱっと開いた。

「…うんっ!」

 

既に十千万の前には曜や果南、ダイヤや善子…Aqoursのメンバーが集まっていた。

 

「2人とも、待ってたよ♪」

「えへへ、なんだか緊張しちゃって…♪」

「まぁ、気持ちはわかりますわ…ルビィもこんな状態ですし」

 

「が、がががっ…がんばルビィ…っ!」

横目でルビィを見ると、腕が震えながら必殺がんばルビィをしていた。

まぁ、無理もないだろう……今から本戦に向かうと思うと意識せずにはいられない。

多分、ダイヤや果南も表に出さないだけで内心緊張しているのだろう。

 

「こーーらーーーっ!」

そんな中、後ろから大きな声で呼ばれ全員がビクッと驚いてしまう。

 

「このあと私達も応援に行くんだから行く前からそんな暗い顔見せんなー!景気悪い!」

「み、美渡姉…っ?!」

「あらあら、美渡ちゃんったら張り切ってるわね~」

 

しいたけのリードを持ちながらメガホンを片手に美渡さんから強烈な激励を受ける。

「こら、リーダー!」

「えっ、あ、お、俺?」

 

「もっとリーダーらしくしろ!」

「わんっ!」

指を差しながら指摘をするとそれに乗っかるようにしいたけが吠えた。

 

「…え、ええつと……胸張って…内浦に帰ってこようぜ、みんな」

「…悠くん」

「…そうですわね、皆さんでやりきったと思えるくらい自信をもちましょう」

「ここまで来れたんだから大丈夫ずら!」

 

「よーーしっ!みんな行っくよー!」

抑えきれない感情とともに千歌がおっきな声でおー!と言うとみんなもつられる様に声を出した。

 

 

「ふぅ、らしくなったじゃん」

「美渡ちゃんって変なところ不器用よねぇ~」

「そ、そういうところは言わなくていいから!」

 

 

Aqoursが乗り込んだバスを見ながらそう呟いた志満さんと美渡さんだった。

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

電車を乗り継ぐこと…1時間半。

 

「ついに来たな、東京」

「うん…何だか、お出かけしてきた時とは違う感覚…」

「緊張してる?」

「ううん、悠くんがいるから…へっちゃらだよ♪」

 

喜びを噛み締めるような笑顔で千歌がそう呟いた。

 

「お2人とも?行きますわよ?」

「ん、分かった」

「はーいっ♪」

 

千歌の背中はどこか頼もしく、大きく見えた。

それだけ…成長した姿が間近で見られたのはリーダー冥利に尽きる。

 

 

────────────────────

 

会場に着いて、控え室に案内されたAqoursのメンバー。

 

「改めて確認致しますわ

本戦は、北海道地方・東北地方・関東地方・東海地方

近畿地方・中部四国地方・九州地方の7地区から選ばれたスクールアイドルによって頂点を争いますわ」

「その内の北海道地方が…Saint Snowで…」

「東海地方が…我ら、Aqoursってことね…」

 

「えぇ、ですが他の地方のスクールアイドルの方々ももちろん強豪で……」

言葉の途中でダイヤの口が止まった。

 

「…やっぱり、他のグループから結構見られていたね」

曜がそう呟いたからだ。

その言葉にみんな沈黙してしまう。

たしかに9人もいるグループは珍しいだろう。

中にはμ'sの真似とまで言う人までいた。

 

「……うゅ……」

「ルビィちゃん、大丈夫だよ…っ」

花丸に宥められるルビィ。

しかし顔は不安そうで縮こまっていた。

 

(…やっぱり、本戦の会場に来たらみんなまた顔が強ばってる)

なにか一言、場の空気を和ませることを言おうか迷ってた…その時。

 

 

 

?「あっ、ここじゃない?Aqoursの控え室!」

?「ちょ、ちょっと待ってください!ノックくらいしてからじゃなきゃ…!」

 

がちゃっ!と勢いよくドアが開いた。

みんな何事かと一斉にドアの方を向いた。

 

?「わああああ!ほんとに9人いる~!」

?「ほ、穂乃果…だからノックはしないととあれほど…」

 

千歌「穂乃…果……って……え、ええええええ!?!?」

この世の物では無いものを見るような目で千歌が目を見開いた。

続けざま黒澤姉妹が抱きつき合いぴぎゃあああと叫んだ。

 

絵里「ふふっ、来たわよ♪」

「他のメンバーが来るなんて聞いてなかったぞ…?」

希「話したらな、見に行きたいって穂乃果ちんが言う事聞かなくってな?」

「なるほど…あの子が穂乃果って子なのね」

 

昔出会いたての千歌によく似ている…髪の毛もオレンジだし。

 

穂乃果「私、高坂穂乃果!貴方は?」

千歌「たっ、ただただ、高海千歌です!!!」

裏返りそうな声で自己紹介をする千歌。

未だに現実が受けいられない様子。

 

?「穂乃果…相手の方が困ってますよ…

すいません、突然押しかけて…園田海未と申します」

ルビィ「お、おねぇちゃ…!」

ダイヤ「ゆ、夢ですか…!?

伝説の…スクールアイドルの方々が…!!」

 

2人で頬をつねりあう。

その直後、夢じゃないと喜びあっていた。

 

希「ふふっ、仲良しグループやんね♪」

「…あれ、そういえば背のちっちゃい子は?」

にこ「いるわよ」

 

東條さんの後ろからひょこっと顔出す矢澤さんと…もう一人の人。

?「はじめまして~、南ことりです♪」

にこ「はい、差し入れ…って、ほんとに9人もいるのね…」

 

曜「あ、ありがとうございます!」

果南「えっと…悠、顔見知りのようだけど…どういうこと?」

「あー…えーっと、実はな…」

 

 

────────────────────

 

 

果南「へえぇ~そんなことが…」

千歌「もうっ、それならそうと言ってくれればいいのに!」

「だって、そうしたらもっと緊張するだろ?」

 

穂乃果「いいなぁ~

なんかμ'sのみんなとスクールアイドルをしていたのを思い出すよ♪」

千歌「え、えへへ…私μ'sの皆さんに憧れて…」

「そういえば、あと3人は?」

希「ライブには応援に行けるけどちょっと遅れるみたい

挨拶できるのは本戦が終わってからやね♪」

絵里「写真、撮る?♪」

ルビィ「は、はいっ!」

 

海未「私達もAqoursの皆さんのライブを拝見しましたよ」

ダイヤ「こ、光栄ですわ…っ!」

 

梨子「あっ、このケーキ美味しい…!」

ことり「ことりの自信作ですよ~♪」

 

いつしか、控え室は話題が尽きないくらい明るい話し声が聞こえていた。

「…伝説のスクールアイドルの力ってすげー…」

にこ「ちょっと」

「んっ?…あぁ、矢澤さん…どうしたの?」

 

にこ「ここまでしたんだから…優勝しなさいよね」

「おうっ!」

にこ「しっかし、男のリーダーねぇ…珍しいわね」

絵里「あら、私はいいと思うわよ?

思わずμ'sの時にいたらどうなっていたのかなって想像しちゃうわ♪」

希「人柄も良さそうやし」

「か、買い被りすぎですよ…」

 

 

あははっと笑い声がし、μ'sのメンバーは観客席で応援すると去り際に約束し、控え室を後にした。




次回 一次予選…


評価・感想・お気に入り登録よろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。