他のグループのライブを見たAqours…。
その時、悠は……。
刻一刻とラブライブ本戦 一次予選の時間が迫る。
──────────俺はと言うと…。
「…なーんか、前にもこんなことあったなー」
控え室の前でみんなが着替える終わるの待ちである。
もはや、心を許しあった関係だし…そこも見てもいいような気がするのだが…。
「……ま、流石に他の人に見られたらな…」
「あら…?」
「あっ…」
控え室の前を2人組が通り過ぎようてしていた。
…よくよく見たら、Saint Snowの2人だった。
「…おっす、いよいよ………だな」
「ええ、お先にステージ…立たせていただきます」
「…絶対に…負けない、から」
ライブ用の衣装に身を包んだ2人が俺の目を見てそう答えた。
Saint Snowの次はAqours…という順番となっている。
「…おう、舞台裏から…見させてもらうよ」
「……あの」
「ん?」
「…いえっ、なんでもありません…っ
その…ライブの感想…聞かせてください、ね…♪」
そう言うと少し嬉しそうに聖良がステージへ繋がる道へと進んでいった。
「…姉さまの…姉さまがあんたの事が好きなのは…知ってる
…だけど…私はこの本戦が終わるまでは……っ!」
くっと唇を噛み締め、何事も無かったかのように聖良の後を追う理亞。
(…あいつ……)
「…ゆ、悠くん…?」
心配そうな顔を覗かせながら千歌がおずおずとドアの隙間から顔を出す。
「ん、終わったか?」
「うんっ……ど、どうかな…?♪」
カチャッとドアを開けると本戦用の衣装に着替えたAqoursのメンバーがこちらを一斉に見た。
「…えっへへ、どうかな悠くん…?♪」
「これが私達…Aqoursの本戦の衣装ですわ」
「とってもシャイ二ーで…♪」
「可愛い衣装だよ…っ♪」
ルビィと鞠莉…曜は白をメインにした衣装。
ほかの6人は青をメインとしたツートンカラーの衣装だった。
「みんな…すごい似合ってるよ」
「悠にそう言って貰えるだけで勇気が出てくるよ♪」
控え室に置いてあるテレビからは大歓声が聞こえる。
Saint Snowのライブが終わったようだ。
「…さて、向かいますわよ皆さんっ」
「ウェーーイトッ!その前に、リーダーからの金言…んー、ゴールデンワード?を貰いましょ?♪」
「えっ、俺から?」
「That's Right♪リーダーなんだから♪」
「……ん、んん…分かった…」
咳払いをし、並んだメンバーを一人一人見る。
「…果南、Aqoursの中でも指折りのダンスのキレの良さと…爽やかさ、この本戦でも輝かせてくれ」
「うんっ、もちろんだよ♪」
「ダイヤ…お前の華やかさは誰にも真似出来ない。
その華やかさで観客を魅了してやれ!」
「ええ…しかと胸に…♪」
「鞠莉…透き通る歌声はいつもライブの盛り上げには必要不可欠な存在だったよ
めいっぱい……歌ってこい」
「ええ…OKよ♪」
「…花丸…最初のライブの時より…見違えるくらい…成長したよ
今の花丸なら、なんでも出来るから…胸張ってステージへ行ってこい!」
「ありがとうずら…っ」
「ルビィ…ダイヤと本戦のステージに一緒に立てるのは…ルビィの努力の賜物だ
ここまで来たんだから…楽しんでこいよ?」
「うんっ…ルビィ、頑張るよ!」
「善………っと、ヨハネだったな
リトルデーモンである俺が太鼓判押して送り出すんだ
しっかり、ヨハネの名前を轟かせろよ?」
「言われなくても…闇のパワー存分に発揮させるわ♪」
「…梨子、歌うのが苦手って…言ってたけど
それを乗り越えられる力が梨子にはあるんだ、もう昔の梨子じゃないよ
その成長した姿を…俺に見せてくれ」
「……はいっ♪」
「曜…色々、悩んだり…つまづいたりしたな
…あん時は怒鳴ってごめん。
でも、一緒にここまで来れて俺は嬉しいよ
曜の元気なところ…いっぱいいっぱい…見せてくれよ」
「ヨーソローっ、でありますっ!♪」
「…そして…千歌…」
「…うんっ♪」
「まずは……ありがとう」
「…えっ?」
「正直、千歌のおかげで…ここまで来れたと思ってるよ」
「…悠くん…」
「お前はAqoursの太陽だ…いつでもみんなを照らしてくれる…明るい…いなくちゃいけない存在。
もちろん、みんなの中には俺も入ってるよ
楽しいこと…面白いこと…まだまだ、Aqoursとしてどんな道が続くのか…この先がどうなるのか分からない…けど、千歌と一緒にいると…それが楽しみでワクワクして仕方ないんだ
…だから…俺から言いたいことは…一つだけ…
………………''輝いてこい''」
「──────────うんっ!!!♪」
────────────────────
Aqoursのメンバーがステージに向かった。
同じ本戦のグループのライバル視をした目とは違い観客の期待値は高い。
出てくるやいなや…完成が飛び交う。
「……千歌ちゃん」
「うん…大丈夫っ
──────────みんなと一緒なら!!」
ふっと、歌を歌い始める。
舞台裏で…静かにその歌声に耳を傾ける。
千歌「本気をぶつけあって……
────手に入れよう」
「「「未来を────!!!」」」
そう、未来の僕らは…知ってるよ。
Aqoursが照らす道のりは…明るいということを。
次回 一次予選の結果…。
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