最終話です。
千歌「………よしっ…♪」
千歌が息を整え後ろにいるメンバーの顔を見る。
千歌「みんな…ついに─────来たよ!」
ダイヤ「ここまで…ホントに長い道のりでしたわ…」
果南「今思えば、楽な道では無かったよね…」
ルビィ「でも…Aqoursのメンバー全員でここに来れて…ルビィ、すっごく嬉しい!♪」
善子「でも、ここまで来たら狙うは…優、勝…よ?」
「…だな、みんな…決勝の用の衣装もすごく似合っているよ」
白や黒を基調とし、青色も散りばめている衣装。
「…なんか、お姫様みたいだな」
曜「そ、そそっ、そんなことないであります!」
「事実を言ったんだけど…」
千歌「じゃあ、みんな…最後にあれ、やろっか!♪」
握った拳を重ね合わせる。
千歌「……泣いても笑っても…私たち、Aqoursらしくいこうね…っ!
────────0から1へ!」
「………1から…その先へ!
Aqours………サン──────────」
「「「シャイン~~~~~~!!!!」」」
舞台裏で掛け声を合わせた俺たち。
結束という域を超えた硬い硬い絆で結ばれた。
────────────────────
既にステージでSaint Snowの2人がライブを行っていた。
曲名はSELF CONTROL……。
「…まさに決勝に相応しい大歓声だな」
千歌「千歌達も負けないよ!」
「そうだな……ところで、決勝に使う曲名は?」
ダイヤがその質問に食い気味に答えた。
ダイヤ「WATER BLUE NEW WORLD…ですわ」
「…えっと…どういう意味?」
千歌「青い海が広がる内浦から─────」
果南「新しい世界を見せよう……って意味だよ♪」
「確かに…見せたい、な…内浦にこんなに最高で可愛いスクールアイドルが居るってことを」
梨子「沼津に来る人…増えちゃうかもね♪」
「「「あっはは!!」」」
とても決勝前とは思えないくらい落ち着いてるメンバーに驚きつつもこれがAqoursらしさだと思うと少し胸が熱くなった。
千歌「じゃあ…呼ばれたし…行ってくるね、悠くん♪」
「…ああ、全力尽くしてこいっ!」
最後に深呼吸をし、ステージへと飛び出していった千歌。
1番最後に出ようとしたダイヤがこちらを向いた。
「…?」
「ありがとうございます…悠さんにはどんな言葉もお礼を口にしても…したりません…♪
Aqoursとしての集大成を…是非見ていてください!」
「……………あぁ!」
────────────────────
【千歌 視点】
「凄い…」
ステージの上から見た光景に私は驚いた。
一次予選の時よりも多い観客でいっぱいだった。
「…あっ!」
最前列にいるμ'sの皆さんと…志満姉と美渡姉とお母さんの存在に気がついた。
(私たちは…1人じゃないんだ)
果南「さぁ、やろう千歌…♪」
「…うんっ!♪」
各メンバー持ち場につく。
これまで支えてくれた人に感謝して…。
そして何よりも…悠くんに…届けたい、この…Aqoursのライブを…!
「私……輝きたい……!!!」
────────────────────
鞠莉「イマはイマで昨日と違うよ────」
花丸「明日への途中じゃなくイマはイマだね」
梨子「この瞬間のことが───」
ダイヤ「重なっては消えてく」
ルビィ「心に刻むんだ───♪」
「「WATER BULE─────!!」」
「………………………」
【スクールアイドル部に……入って欲しい!】
あの時、千歌から両手を合わせられてそうお願いされたのが全ての始まりだった。
最初は、俺もみんなの手伝いくらいならしてあげたいなって思っていた。
でも、いつからか…リーダーになって…。
Aqoursのメンバーの成長していく姿を見れて…それが嬉しくて…。
【歌うのが…あんまり得意じゃなくって…】
【千歌ちゃんは…私と2人でいるのが…嫌なのかなって】
上手くいかないことも衝突することもあった。
【私はスクールアイドルは─────絶対にやらない】
部員が集まらないことなんて年がら年中だった。
【彼はキーになるわ♪】
でも、そんな中でも期待してくれてる人もいた。
「みんな………」
自分でも…気がつかないうちに涙が頬を流れていた。
───────────────────
果南・ダイヤ・鞠莉「ずっとここにいたいと思ってるけど────」
善子・花丸・ルビィ「きっと旅立ってくって分かってるんだよ」
千歌・梨子・曜「だからこの時を楽しくしたい」
「「最高のトキメキを 胸に焼きつけたいから────!!」」
Aqoursのメンバーが手を取り合った瞬間…感覚的に、だか風が吹き抜ける感じがした。
「……ふっ」
月「ん、もう行っちゃうのかい?最後まで見ていかないの?」
「見なくても分かる……アイツと…Aqoursのメンバーの実力…成長した姿、はね…」
穂乃果「凄い……」
海未「ええ、思わず見入ってしまいます…」
ことり「いつか…一緒にライブできるかな?」
絵里「ええ、しましょ…だって、こんなに輝いているんだもの」
希「ええな、それ♪」
にこ「でも、μ'sだって負けてはないわよ」
真姫「9人と9人…18人でライブなんて…騒がしくなりそうね」
凛「先輩として負けられないにゃー!」
花陽「り、凛ちゃん…そ、そうだよねっ!」
────────────────────
曲が流れ終わると……観客からは惜しげも無いくらいの歓声が沸き上がった。
千歌「はぁ…はぁ…!」
曜「や、やりきったね…千歌ちゃん!」
千歌「うんっ……けっ、結果は…!?」
【本年度ラブライブ優勝は───────Aqours!!】
スクリーンには大きい文字でAqoursと確かに書かれていた。
その結果に千歌は動くことが出来ない。
周りのメンバーも俺もそうだった。
千歌「やった……の……?」
曜「やったよ…!
やったよ、千歌ちゃん!優勝だよ!!」
梨子「私たち…優勝したんだよ!!」
その結果に千歌はいてもたってもいれらなくてステージから逃げ出す。
曜&梨子「えっ……!?」
…というのは言い過ぎで俺の方に向かってきた。
千歌「……………行こっ!♪」
「ど、どこに…?」
千歌「いーーから!♪」
引っ張られ連れてこられたのはステージの上。
千歌「悠くん…みんな…やったよ…!!!」
「「「やっ………たああああ!!」」」
「あはは…元気だな……ライ、ブ……後…なの、に…っ」
千歌「わあああっ!悠くん泣いてる!?」
「な、泣くだろっ、普通…!!」
つられるようにルビィや梨子、果南も涙していた。
────────────────────
聖良「……………………」
理亞「姉さま…」
聖良「いえ、全力を出し合った結果です、悔いはありません
…Aqoursの皆さんとこうして決勝で戦えたこと…誇りに思います」
…私は見逃さなかった…。
姉さまの目に…涙が浮かんでいたことを。
「(認めてあげるわ…悠…でも、これからは…目標として…見直すわ……いつか、必ず!)」
────────────────────
こうして、ラブライブ本戦はAqoursの悲願の優勝で幕を閉じた。
ステージ上に男が上がることがよほど珍しかったのかあの後取材陣に囲まれた。
Aqoursのリーダーってことはバレたけど…ただ一言だけ俺は取材陣に言った。
【頑張ったのは…1番輝いていたのは本人達です
俺はサポートをしたに過ぎません】…と。
……そして、今はと言うと…。
穂乃果「ではっ、Aqoursみんなの優勝をお祝いして…かんぱーい!」
「「「かんぱーい!!!」」」
何故か十千万でμ'sのメンバーとAqoursのメンバーで優勝祝賀会が開催されていた…。
次回、卒業そして…
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