【2045年 5月9日 帝王国際学園 体育館】
「カミラ!左舷から飛んでくるナイフを迎撃しろ!リナ、外野から、渡しておいたスモークグレネードを相手のコートに投げ入れろ!アスラ、ボール投げるのはお前に任せる、弱そうなのから狙ってけ!秋雨、サボるな!さっさとコートに戻ってこい!」
超重力で空間を捻じ曲げ、発生させたバリアで中崎の攻撃を相殺しながら、ありえないほど物騒な支持をメンバーに飛ばす。
皆さんは、信じられるだろうか。
これ、ドッジボールなんだぜ?
「黒宮とシガは、カミラの防御を崩せ!宮居、スモークグレネードを何とかしろ!優作、外野だからってさぼんじゃねえ!援護しろや!」
戦場もかくやという気迫で、お互いにチームメンバーに支持を飛ばす。
このまま続けると、死人出るんじゃねえか?
敵チームのシガなんか、ナイフ投げてきてるぞ。
まともな人だと思ってた黒宮さんも、先端から毒々しい液体の滴っているナイフ何本も投げてきてるし。
「いや、陽斗。何とかしろって言われても、俺、風とか使えないんだけど」
「じゃあ、グレネードでも爆破して吹っ飛ばせ!」
「いや、それだと俺たち死ぬから。せめてお前の重力制御で煙の向き変えろ」
駄目だ、まともな思考してない。
一番まともだと思ってた宮居さんも、結構狂ってる。
「重力制御解いたら、霧島にボコボコにされるわ!いいから何とかしろ!」
目まぐるしく移動し、攻撃する0組と二種組の面々。
その中で、一人存在空気な俺。
「はっはっは、無駄無駄無駄!能力が同等なら、戦闘能力が上の俺に分があるんだよ!」
「ふざけてんじゃねえよ!能力が同等?扱いが雑すぎて上手く制御できてねえテメエと一緒にするんじゃねえ!」
活気盛んな生徒の筆頭両名に至っては、最早ドッジボール無視して能力のぶつけ合いだけをし始めた。
あんたら何がやりたいんだよ。
「こいつは、また引き分けになるんじゃないのか?」
「また中止ですか、俊哉くーん、いい加減にしてくださーい!」
カミラさんとリナさんがが注意するが、一向にやめる気配のない筆頭2名。
お互いに止まれなくなってしまった2人の勝負は、周りの事など一切気にせずに攻撃の余波でそこら中を破壊する。
次第に、ミシミシという音と共に、体育館全体が揺れ始めた。
「ちょっと!2人ともなにやってるんですか!このままだと体育館ぶっ壊れますよ!」
俺がたまらず叫ぶ。
このままでは、体育館全壊の大惨事だ。
「知ったこっちゃねえな!新入り、俺と霧島の勝負に首突っ込んでんじゃねえ!」
「秋雨、いくら俺でも、これだけは譲れない!」
俺の静止を、ガン無視。
次第にミシミシという音も、大きくなってきている。
「ちょっと、リナさんもカミラさんも止めてって・・・」
よく見れば、中崎以外の二種組メンバーと俺と俊哉さん以外の0組メンバーが全員撤収している。
崩壊寸前の体育館に残っているのは、俺と俊哉さんと中崎だけだ。
「あいつら、逃げやがった・・・!」
せめて逃げるなら俺も連れてけよ!
そんな恨み言を言っている暇もない。
崩壊はもう始まっている。
照明が落ち始め、窓ガラスが全て割れる。
床は砕け、壁には亀裂が入る。
完全に崩壊するのも、時間の問題だ。
「いい加減にしろ、あんたらああああ!!」
俺はダッシュで2人の方へ駆け寄ると、最初に俊哉さんを殴り飛ばし、次に中崎を蹴っ飛ばした。
異能力を発動させた状態で吹っ飛ばしたので、2人は壁に向かって飛んでいき、激突。
そのまま壁にめり込み、異能力の発動を中止する。
「テメエ!なにしやがんだ新入り!」
「あんたらが体育館ぶっ壊すの止めたんだろうが!いい加減にしろ!」
久しぶりにブチ切れて人を殴り飛ばしたり蹴っ飛ばしたりしたが、俺は重大なミスをしていた。
一つ目、吹っ飛ばした方向が柱のある方角だった
二つ目、異能力を解除するのを忘れた
三つめ、体育館が崩壊寸前だったことを忘れていた
「秋雨、俺はもう落ち着いたんだが、この状況やばくないか?」
それを指摘したのは、俊哉さんだった。
そこで俺は、やっと火に油を注いでいたことに気付く。
慌てて俊哉さんを解放するが、それは中崎の体が柱を破壊するのと同時だった。
倒壊寸前だった体育館は、支えを一つ失っただけで簡単に崩れ去った。
「本当になにやってるんですか!三人とも!」
珍しく語尾が伸びていない神楽坂先生のお説教である。
「なんで皆さんは平和的に交流したりできないんですか!毎回毎回!」
聞いた話によると、前回の交流会でもグランドの一部が崩壊したらしい。
もちろん、原因は俊哉さんと中崎である。
「いいですか、もう二度とやめてくださいね!」
無理だ、絶対に交流会が次もあったらどこかが崩壊する。
「次こそは絶対ぶっ潰してやる・・・」
「今度会ったら、絶対に足の借り返してやる・・・」
だってほら、二人ともやる気満々じゃないですか。
今後も、俺たちと神楽坂先生の気苦労が絶えることはなさそうだ。
投稿が遅れて、本当に申し訳ありませんでした!
言い訳はしません、本当にすいませんでした。