レジャーヨット部隊   作:ブルーな雛菊

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読み専でしたが
ふと思い立って投稿!
艦これも兵器も知識ないですが
面白い作品に出来たらなと思います


沿岸戦線異常なし

世の中 何が起こるかわからないものである

 

例えば宝くじがあたったり

地震で落下したガラス片が脳天に直撃したり

 

異世界に転生することもあれば

目が覚めたらTSしてた

なんてこともあるだろう

 

ドライブ中にアイスバーンでスピンし

谷底にダイブした私が艦娘の存在する世界に

[魚雷挺]として転生するという事も

あり得ない話ではないのかもしれない。

 

魚雷挺‥‥軍艦の中でも小型とされる駆逐艦を

遥かに下回る船である

駆逐艦の排水量が300トンクラスに対して

魚雷挺の排水量は100トン未満ということから

その小ささが伺える

 

魚雷挺の艦娘となった私にも

そのスペックが反映されており

現在は小学生低学年程度の身長しかない

黒髪ロング 紅眼 つるぺた幼女……

‥‥まさか[見た目は子供頭脳は大人]を地でいく羽目になるとわ

 

そんな私が現在置かれている状況はあまり好ましいものではない

 

建造されたばかりの私を何の説明もなく

鎮守府 最奥の日当たりの悪い部屋に叩き込むという

(見た目)幼女に厳しい仕打ち!

これが前世なら即通報ものである

 

尚 提督には一度も会っていない

私達を視界に入れるのも嫌なのだろう

 

毛嫌いされている理由を上げるとこうだ

・航続距離が短く沿岸周辺でしか作戦を行えない

・艦砲直撃で大破すっ飛ばして即轟沈

・圧倒的火力不足

 

前世では魚雷挺も活躍していた

喫水の浅さを利用し兵隊の揚陸作戦援護や

重機関銃や迫撃砲を持ち込みガンシップ化

川沿いの敵勢力の殲滅など

しかし、此方の世界では敵勢力が人から

深海棲艦となったため7.7mm機関銃では

全く歯が立たないという

残念な性能の艦娘となってしまっている

 

ただでさえ より大きな船体を

より強力な艦砲をという

大艦巨砲主義の風潮の強い世の中で

他の鎮守府から魚雷挺の建造報告が一切無いにも

関わらず、無能と思われる艦娘を30隻も建造してしまったのだ

 

彼は焦ったのだろう

解体こそ行わなかったが

建造履歴及び魚雷挺の関わる作戦行動を

改竄し隠蔽した

 

提督の嫌悪を鎮守府内の艦娘達は察知し

それは瞬く間に伝染していく……

結果 私達孤立した

 

私達に与えられる任務はただ一つ

鎮守府周辺の哨戒任務のみ

 

近海をプカプカ浮かぶその様を見て彼等は

[レジャーヨット部隊]と呼び嘲笑う

   ・

   ・

   ・

   ・

今日も変わらず哨戒任務をこなす

 

建造された艦娘は艦だった頃と今の体違いに戸惑い

スムーズに体を動かす事が難しい

通常は戦闘や日常生活の中で動作を最適化していく

正確な動作 これを示す値を軍では[練度]と呼ぶが

元人間の私達には関係のない話である

海の航行の仕方や偏差射撃のタイミングも

全て艤装が教えてくれる

(自分の中にあるもう一つの記憶が覚えていると言う方が正しいかもしれない)

 

最初はおっかなびっくりだった自分や後輩も

今では海面でトリプルアクセルを出来るまで

上達している

 

(もし目撃されていたならば異常な光景だっただろう

ろくに戦闘を行っていない部隊が最強と畏れられる大本営の艦娘を遥かに越える錬度を有しているのだから

艦これ原作に登場する事ない艦種

転生者だけで構成された部隊 所詮この世界の異端なのだ)

 

波しぶきをあげながら私を追い越す親友(PT-109)と妹分(第一号型魚雷挺 2号)

 

深海側の駆逐艦を1~2隻ほど沈める簡単なお仕事

 

提督への報告はいつも決まっている

[沿岸戦線異常なし]

 

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