お待たせしました超強化(←遅すぎる
~PT- 109~
私達は奇跡的にも誰一人かけることなく封鎖海域を抜けて本国にたどり着ける事が出来た
先にたどり着いていた猫耳ズが孤島鎮守府の現状を説明した為私達の受け入れはスムーズに行われた
魚雷挺達の情報から孤島鎮守府へ救出部隊が編成させたが
深海側の抵抗は激しく包囲網を突破する頃には内部で暴動が起き
当時鎮守府に居た艦娘の3分の1まで人口が減っていたと連絡があった
私達の前提督は島では発見されていない
彼は本部への建造履歴報告を隠蔽、捏造し不明艦を多数所有していた事
又、その不明艦を戦闘に投入し練度を上げていたと本国は判断し兵器集結罪 国家反逆予備罪として彼を全世界で指名手配を行っている
私は本国の小さな鎮守府で皆と共に活動している
ここの提督は魚雷挺でも一人の部下としてちゃんと扱ってくれているので好感を持てる
……時々 元チームメンバーを思い出す
情報を知っている同行していた艦隊は既に暴動で死亡している為
彼女を含めた6名の消息は依然として掴めていない
(けれど戦死したとは思えないんだよね…)
少し離れた場所で猫耳ズの話声が聞こえる
「ねぇねぇ知ってる?海上に漂う青白い光の話~」
彼女達とはどこかで会える……そんな予感がする……
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~孤島鎮守 暴動時 提督~
「くそっ!何でこんなことに!」
ギリギリと噛みしめた奥歯から音がなる
頼みの綱の艦隊は消息を断つ
ある日妖精さん達は突然と姿を消し
飢えた艦娘達は己が生き残る為に暴動を始めた
「提督、此処は危険です脱出しましょう」
理性を失った暴徒達はあること無いことでっち上げ
責任をとらせようと執務室の前まで殺到しているようだ
私は今夜
信頼のおける部下達 3名と共にこの島を脱出する
暴動の中なんとか手にいれた
なけなしの燃料をいれた私のクルーザーに乗り込む
(今のところは順調だ)
島から私が消えた事を悟られていないようだ
追手の気配はまだない
「提督!前方に人影!」
部下の声に応じクルーザーを減速させる
「司令官 弾薬 燃料共に心もとないです
音で周囲の敵が集まるかもしれません
迂回しましょう」
部下の意見に賛同しルートを変える
(おかしい…まるで誘導しているようだ)
途中数回に渡り進路を変更する
「コンカイハ アノコニ ユズリマショウ」
クスクスと嗤うゴスロリの呟きは彼等に届く事はなかった
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最後に敵に遭遇し進路を変えてから1時間がたつ
そろそろクルーザーの燃料が尽きそうだ
「前方に船影」
目の前には傾いた貨物船が見えた
どうやら鎮守にたどり着く前に襲撃された物のうちの一つのようだ
「乗り込んで燃料と食料を確保するぞ」
天の導きか どうやら神は私を見捨ててはいないようだ
不気味に静まり返る船内の中を探照灯の明かりで進む
船が遠くの物を確認するために使われる物だ
明るすぎる位の光量で暗闇への恐怖感はない
機関室に向けて探索する
(これがタンカーだったのなら楽だったのだろうな)
物音はなく周囲には誰もいない
唯 首元にチリチリと焼ける様な感覚がある
(この船の雰囲気と極度の緊張のせいだな)
自身に言い聞かせ納得する
(私には最高練度の護衛が付いてる)
「提督!ここです!」
「良くやった! 燃料を回収するぞ」
一人廊下に見張りで立たせ私と残りの2人で燃料を汲み上げる
(もうすぐ包囲網も突破出来る位置だ補給が完了したら逃げ延びれるだろう)
燃料を確保出来た安堵からか部下顔にも笑顔が見える
満タンになったドラム缶2つを部下が抱えながら廊下に出て見張りの肩を叩きながら撤収を伝えるが……
その後の光景を理解するのに少々時間がかかった
崩れ落ちる体…切断された首…既に瞳孔が開いてる瞳…驚愕に染まった表情……
切断面から溢れでる血で床が染まる
むせかえるほどの血の匂いで私は嘔吐した
彼は訓練を終えそのまま提督となり指揮をとっていた若手だ
故にこの時まで戦場に立つということ
部下を送り込むということや死を根本的なところで理解してなかった
[チリン]
微かな鈴の音と共にクスクスと笑い声が聞こえる
「ク○ッタレが!」
部下が音の方へすかさず艦砲射撃を行う
密閉された船内で口径127mm 7.6kgの装薬が至近距離から放たれる
着弾の爆風と艦砲射撃の衝撃波で私の体は木の葉の様に吹き飛ばされる
「やめろ!此処では撃つな 提督が持たない」
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先程の砲撃で水が浸水し始め船が傾きはじめている
元来た道は崩れ 仕方なく別のルートで上階を目指す
部下一人がドラム缶を2つ引きずり
一人が警戒している為進行速度は遅い
「駄目だロックがかかってる」
「私が開けます 艦娘の力なら可能です」
部下が扉を掴み無理やりこじ開ける
「行きましょう!」
振り返ると…
天井からバタつく足が見えた
抵抗は弱くなり力なく垂れ下がる
足を伝い滴り落ちる尿 やがて[バツッ]という音と共に首が切断された部下が地面へ落とされる
「つッ!」
ドラム缶を一つだけ抱えながら私の手をとり走る部下
暗い廊下を走る
瓦礫に足をとられ2人共に倒れる
探照灯が艤装から外れ転がり落ちる
光の無い暗闇のなか
水が私の手を濡らす
「おい!大丈夫か?何処にいる!?」
返事はない
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~本国 鎮守府~
「ねぇねぇ知ってる?青白い光の話~」
「なになに?~」
「夜間に青白い光を見つけたら気を付けろ」
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遠くで青白い光を見つける
「おい!こっちだ!来てくれ!」
転んだ際に破損したのだろうか
光はとても弱々しい
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「それが索敵する事が出来ない位の弱い光しか放てない探照灯とわかったら息の続く限り逃げろ」
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(水が生暖かい……)
違和感に気づく
水にしては暖かく少し粘つきのある液体
今日……先程何度となく嗅いだ独特な香り……
月明かりが窓からさしこみ辺りを照らす
部下だった者の亡骸……それと……
[チリン]
(じゃあ あの光は一体……)
[チリン]
再び雲が月を覆い光は途切れる
私はドラム缶を諦め息の続く限り走り続ける
(あの顔……知ってる)
一瞬ではあったが彼は襲撃者の姿を見ていた
黒い髪 紅眼 右手に巻き付けられたリボンと鈴
そして…黒いドレス
金剛があの日話しかけた少女
私が死地に送り込んだ少女……
扉を蹴り開け船内から転げながら逃げ出す
貨物船に侵入するときに使用した垂れ下がったロープも使わずに海に飛び込む
結構な高さがあり着水は痛みを伴ったが気にしてる余裕などない
燃料は僅かでこのままでは漂流することが確定しているが
(あんなところに残っているよりはマシだ!)
クルーザーのエンジンをかけて貨物船を後にする
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「でも もし耳元で鈴の音が聴こえたら…………」
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[チリン]
彼女の殺気を通して玉の入ってない(鳴る筈のない)鈴の音が
彼の耳元で鳴る