~???~
波一つない不思議な海上
不純物が極度に低く透き通るような海水
光は海底の白い砂に反射してまるで鏡の様に青空を写し出している
その常世とも思える幻想的な空間にはテーブルと2席の椅子
そして2人の少女が座りお茶をしていた
「タイクツデスネ」
と一人の少女はため息と共に愚痴をもらす
彼女達は退屈していた
他の者達を遥かに越える実力と経験
立ちはだかる敵などとうにいない
「……そうですね」
ゆっくりと紅茶を飲みながら私も彼女に同意する
退屈だった
それはまるで全面クリアしたゲームの様に
育ちすぎたRPGの主人公のように……
例え戦闘になっても心踊る様な戦いは既になく
あるのは[処理]というなの単純な作業
それに意味など見いだせる筈もない
「コノタタカイ イツマデ ツヅクノデショウカ?」
「…さぁ? ただ…簡単には終わらないでしょうね」
大義があるのならまだいい
でもこの戦争は既に憎しみだけで満たされはじめている
復讐は復讐をよびその連鎖が続いていく
「デハ カリニヘイワニナッタトシテ ソレハツヅクトオモイマスカ?」
(それもあり得ない話だ)
私は無言で笑みを深くする
(人が人である以上決して戦いが無くなることはない)
「ワタシタチハ ドウスル?」
「他の方々を見守ってみますか?」
かつて、老いも死という概念もない神々が人を作った。
人々の紡ぐ物語を見守り、己の退屈をまぎらわせたように
そう……まるでドラマや映画を観賞するかのように
時に導き、狂い始めた物語を修正し
時に姿を変えて、英雄として戦いの先陣をきる
彼等は人々の物語に触れることで自らの物語とした
私達も他の者達のストーリーに触れることで退屈を凌ごうと提案する
「ワルクハナイカモシレナイ」
お互いの顔を見つめクスクスと笑い合う
(私も魚雷挺の皆が幸せになる物語を見たいしね)
ゴスロリの少女が懐から懐中時計を取り出して時間を確認する
針は動いておらず時計の役目を果たせていない
「そろそろ時間でしょうか?」
「アア パーティーヲ ハジメヨウ」
席を立ちこの場を離れていく友人の姿を見送った
紅茶を飲み干し、ため息と共に空を見上げる
私の心の中の様に雲一つない……何もない……青空が広がっていた
(私はきっと壊れてしまっているのでしょうね)
かつての優しい彼女の面影は既にない
(いまだに私は、この不思議な世界であの子を求めてさ迷っている)
正気ではないと苦笑いをうかべる
世の中、何があるかわからないものである。
地震で落下した瓦礫が脳天に直撃することもあれば、異世界で艦娘娘として戦場を駆けることもある。
ならば、喪った者達と再び出会う事があっても、おかしくはないだろう。
(また逢える……そんな気がする)
探照灯を灯し
透き通るような鈴の音を響かせながら席を後にする
「今回の標的(ブラック鎮守府)は西部だったね」
「それじゃ報告は[西部戦線異常なし]かしら?」
………彼女の通った後には何も残らない
[西部戦線異常なし]
……ただの皮肉である
一姉の物語はこれでおしまいです
(他の方々の物語で幼女達(魚雷挺)が登場したら嬉しいなと( ノ^ω^)ノ
初投稿で読みにくいところも多々あったかと思いますが
ここまで読んでくださった皆様に感謝!