長くなります
言ってることはテキトーです(笑)
~鎮守府沿岸 合流地点~
「「「お待たせ~!」」」
「敵さんの動きはどう?」
「順調に此方に向かってるよ~
後20分も経てば彼方さんも気付くと思う~」
「了解 戦法はどうする?」
猫耳ズが顔を見合せ全員で私を見る
……嫌な予感しかしない
「この前のあれをもう一回お願いします!」
「見てて爽快だし!」
「(私達は)安全だし!」
的中した……
思わずため息が出てしまう
「良いけども 資材の取り分割増でね?」
「「「Ok!」」」
「それじゃ 始めますか!」
私を残し左右に展開していくメンバー達
辺りは既に真っ赤に染まっており後1時間しないうちに日が暮れるだろう
魚雷挺の本領発揮は夜間だが私の役目は日没前にどうしてもしなければならないことがあった……
再度ため息がもれる
内燃機関の出力を50%(20ノット)にあげ
ゆっくりと敵部隊に向けてまっすぐ進む
水面に写し出された顔が楽しそうに歪められていたのは本人も含め誰も知らない……
~深海棲艦 ホ級said~
全ては順調だった
艦娘という裏切り者達が人間に味方するまでは
戦況は次々と覆され遂には自分の住みかだったこの海域を追われる結果となっている
我が姫達はいつか来る反撃の刻の為力を蓄えているがその間
艦娘達を野放しにするつもりはないようだ
[敵鎮守府への威力偵察]
正直気が進まない
「モウスグ モクテキチダ」
「ケイカイシロ」
ちゃんと意志が通じてるのかあやしい部下達
「キュイキュイクーン」
何を見つけたのか駆逐艦が何かを必死に訴えているが言葉がわからない
鯨かイルカか知らないが声を出す事は出来ないのか?
駆逐艦が見ている先に目を凝らすと人影が1つ近づいて来ているのがわかる 隣で唸っている駆逐艦よりも小柄だ
距離にして15km 十分艦砲の射程に入ってる
隣の駆逐艦を見る
心無しか表情が笑っているように見える
吊られて笑いが出てしまう
(あのイカダ程度の船に何ができる)
皆に命令を下す
「シズメロ」
~T1型1号 said ~
ようやく彼方さんも私の存在に気付いたようだ
笑い声がここまで聞こえそうな顔をしているのに少し腹が立つ
(まぁ 解らなくはない
体格が2倍以上ある軍艦に私のような豆粒が正面から向かって来るのだから)
(自殺願望者か気が狂ってるて普通は思うでしょうね)
(‥‥案外間違ってはいないかもだけど)
前方でマズルフラッシュが見えるがそれを気にすることなく同じ速度で進み続ける
(まずは観測射撃ってところかな 着弾まで17秒程度)
次々と周辺に水柱が上がるが構わず進む
(そもそも貴方達は気付いていない)
次弾装填され次々と砲棟が火を吹く
(修正1射)
先程の着弾位置から誤差を修正し砲撃する
相手の速度も計算に入れ丁度目標が通過するタイミングで着弾するように
先程よりも近い位置で水柱が上がるが私はまだ機関の出力を上げる事はしない
(修正2射)
修正1射の弾着位置から更に修正を入れる
私を確実に沈める為に狙ってきているのをひしひしと肌で感じる
(だけどこれも当たることはない)
(良い腕ではあるけれど練度の他に決定的な所を見逃している)
近くで着弾するが彼女の表情が曇る事はなかった
修正3射……深海側からの動揺が見てとれる
…彼等は経験と実績から長距離の観測射撃を選んだ
4射……それで確かに幾多もの船を沈めてきたのかもしれない
5射……でもそれはその姿になってから積んだ実績なのかしら?
両艦の距離は10kmを既に切っている
駆逐艦が使用する艦砲の初速は910m/s 着弾までおよそ10秒
既に被弾してもおかしくない状況
6射 7射と砲撃を繰り返し行われた砲撃は確実に船体を貫いていただろう……
それが全長214mの戦艦や118mの駆逐艦だったならば……
(貴方達は私達の交戦距離に……
艦ではなく艦[娘]ということに気付く事はない…)
小銃を装備した軍隊の交戦距離はおよそ200~500m
狙撃銃ならば700~2000オーバー
戦車同士の戦闘でも2000m程度
今まで軍艦サイズの標的を相手に戦っていたもの達が
いきなり人間サイズの者を射撃する…(過去の常識を捨てきれないままに……)
己の体も変わり船体への波の受け方も安定しなくなった
立て続けに斉射された砲身は熱で膨張し誤差が大きくなる
(万力で固定された銃でさえ100ヤード(90m)では2cmの集弾率なのに10kmで人間台の目標に命中するとでも?)
(電子制御の火気管制システムなんて持ち合わせていないでしょ?)
交戦距離5km
……ここからが艦娘の戦場だ
正面からの砲撃を最小のステップでかわす
真横を熱量をもった物体が通過する
混乱する敵に私は笑顔をむける
~ホ級said~
(何なのだあれは
一体あれは何なんだ)
一発でも当たれば消し飛びそうな体にもかかわらず次々上がる水柱の中それはゆっくりと近付いてくる
観測射撃も何度も修正を加えたにもかかわらず未だに有効打を与えることが出来ていない
震えが止まらない
全身が目の前のモノは危険だと警鐘をならす
前髪で隠れて表情は見えないが
それが一層不気味さを際立てる
5km……(シズメシズメシズメシズメ!)
僚艦と共に弾幕を張るように斉射する
視界を遮る砲煙が晴れたさきには
無傷のソレが佇んでいた
笑顔でカーテシーをする
酷く歪んだ笑顔…されどそれは美しく魅了するものがあった
「皆様こんばんは そして…ごきげんよう」
張り上げた声でもないのに
ソレの清んだ声はよく通った
左右の駆逐艦が被弾する音が鳴り響く
~T1型1号said~
私が敵を引き付けている間にチームが左右から挟撃
駆逐艦を2隻撃破
残りの駆逐艦はパニック状態
(彼方は放置でも良さそうね チームに任せましょう)
正面のホ級に向き直る
彼女?はまっすぐ此方を見ている
(待っててくれたみたいね)
動きがあるようならばすぐに反応したが
お互いに頷く……
残りの駆逐艦が撃破される音と共に内燃機関を最大出力まではね上げる
3km……魚雷の射程まで後1km
この距離になったら発射を見てからの回避は間に合わない
ジグザグにスラロームしながら敵の射線をきる
2km…私の搭載している魚雷の最大射程だが……
予備の魚雷は持ち合わせていない
相手が砲撃を外した事…それは私達にとっても例外ではない
艦ではなく的の小さい深海棲艦なのだ
(敵の次弾装填まで後3秒)
スノーボードでいうカービングという滑り方のように最大までバンク角をつけ左手を海面に突っ込み抵抗で左腕にブレーキがかかる
艤装の出力を上げ鋭角な航跡を残しながら切り返す
残り1km……時速70kmオーバーからのフルブレーキ&ターンは
ホ級の砲棟の旋回速度では間に合わない
500m……このまま死角に入り込むことも出来るがあえてしない
トップスピードで距離を縮める
200m……ホ級が体ごと旋回し正面から向き合う形となる
(残り100m……次弾装填まで……3秒!)
ホ級まで30m……スライディングで滑り込むように艦砲の射線をきる
(クソッ!すぐには撃たなかったか)
20mホ級の勝ち誇った顔が見える
装填は終わっている筈だ
(まだまだ!)
スライディングの体制から脚をクロスしそのまま海面に振り落とす
時速50kmからの急制動
脚を軸に体が羽上がる
クロスした脚を開放する際に生まれる回転を利用して斜め上方に飛び上がる
回転する体 背中越しに砲弾が通過するのを感じる
10m 2本の魚雷を続けざまに投下する
2回に渡る爆発音
1発目の着弾地点から侵入した2本目の魚雷が内部で炸裂した
・
・
・
「…………」
黙祷を捧げる
仲間達が近寄ってくる音が聞こえる
(私にはまだ帰る場所がある……)
(………そちらに私が行くことがあればまた喧嘩しましょう)
水平線に沈む赤はもう見えなくなっていた
うまく戦いの様子が伝わったのなら良いのですが…
一姉は主に接近主体の戦闘方法です
死神の鎌を携えた絶対回避能力付きの囮です
そして一姉のやるべき事とは……
正面から殴りあい敵に混乱と恐怖を与えること
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
おかげで挟撃したチームが魚雷最大射程で安全に沈めることが出来ました!って感じです