レジャーヨット部隊   作:ブルーな雛菊

6 / 14
魚雷挺を語る上で夜戦はかかせない気がします~


夜戦

嫌な夢を見た

一回目に体験した死

そしてそれに劣らぬ恐怖…長門さんとの邂逅

今でも鮮明に思い出す

震えが止まらない

 

隣で眠る妹に抱き付き瞼を閉じる

温かさが心地よい

妹は少し寝苦しそうだが……

 

「たまには私にも甘えさせて…ね?」

 

夜はまだ長い

 

 

~近海~

猫耳ズこと 私S208は今チームメンバーと共に哨戒任務にあたっている

夜間は魚雷挺にとって絶好の戦場だが

敵さんも深夜帯に連絡も入れずいきなりお邪魔しに来るのはマナーとして如何なものかと場違いな愚痴が出てしまう

 

「ねーむーいー」

「………………」

 

やはりメンバーもご立腹のご様子だ

 

「さっさと終わらせて帰りましょ」

 

「同意」

「…………zz」

 

「……おい!起きるんだ!」

 

(コイツ海上で立ったまま寝てやがる)

器用なものだ

 

今回のお客さんは空母1 護衛で軽巡1 駆逐1

本来空母などとやりあうのは命がいくつあっても足りないが夜間に至っては話は別だ

私達にとっては的でしかない

 

所持している魚雷は私とS212が各2本+予備4本ずつ

483か2本の計14本

3隻沈めるのには充分だろう

 

「それじゃ手筈はいつも通り」

「「了解」」

 

私達は黒と濃藍の迷彩が入った防水フード付きコートを羽織り闇と同化する

(改2になれば艤装(服)の装飾が変わる子も居るらしいが通常の服を艤装の上から着込む位なら誰でも出来る、特に私やS212みたいに髪色が金や銀で夜間では目立つ色なら尚更だ

魚雷挺以外の艦娘達は何故かしようとはしないが)

 

固定レーダーの情報から敵艦の位置は特定出来てる

後は発見されないように慎重に近づくだけだ

 

メインエンジンを切り補助エンジンだけで静かに忍び寄る

 

(一姉が居たらこんなことすらする必要ないのにな~)

(ワンパンで此方が沈むのに真っ正面から殴り合うなんて頭のネジが外れている様なこと私達には出来ないし)

 

今はぐっすり寝てるであろう友を思う

 

(私達は私達の戦い方をしましょ)

 

 

~ヲ級said~

先日消息を絶った軽巡の捜索を任せられた

鎮守府の威力偵察を任務としていた為失敗した場合生存している可能性は低いだろう

 

ギリギリまで捜索を続けているがそろそろ限界だ

もうすぐ鎮守府側の哨戒の範囲に入ると思われる

夜間になった為偵察機の出番もない

捜索打ち切りの判断をそろそろ下さねばならない

 

[ドゴン!]

突然の爆発音

軽巡の被弾がみてとれる

 

「ケイカイ!ヒガイ ヲ ホウコクセヨ」

 

「ヒダン!チュウハ セントウゾッコウデキル」

 

駆逐艦は無事だ

周囲を見回すが敵影を確認する事は出来なかった

 

「キライニ ヒッカカッタンダロウ」

「ソウサク ヲ ウチキル」

「キトウスルゾ」

 

背を向け帰路を辿ろうとしたとき後ろから次々と爆発音

私も背中側から衝撃を受けた

状況を確認しようと振り返るが既に護衛艦の姿はない

 

夜間の空母は無力だ

傷を負った脚を引きずりながら必死にかける

 

……何かがおかしい

追撃がこない

 

新月が近い為か僅かな月明かりしかない夜の海上

事態が好転するわけではないが つい背後を振り返ってしまう

 

(……上手く敵を撒けたか…?)

 

追手は確認出来ない

依然として私しかいない海上

どうやら暗闇が私の味方をしてくれたようだ

 

緊張の解けた後の安堵から来る疲労

 

(軽巡が撃破された事……護衛が一瞬で無力化された事……

姿すら見えない敵……姫の脅威になり得るかもしれない)

(生き残ってこの情報を伝えなければならない)

 

 

正面に向き直った私が見たものは

私に近づいてくる6本の雷跡だった

 

 




実際の戦法のようです
魚雷発射後は全力で離脱するか
その体格の小ささを利用してその場に留まりやり過ごす

どちらにせよ乗員は肝が据わってますね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。