たった3人に味方空母や戦艦が一方的に攻撃されているのは印象的だった
(私達の戦闘にはいる前に射ち尽くしてくれれば良いのに…)
味方艦隊が攻撃を受けているが私の知ったことではない
鎮守府が私達を処分したいように
私の中でも鎮守府の艦娘達は同居人から他人もしくは敵までに認識が変わってしまっていた。
(あれらを仲間とは認めない、仲間なのは魚雷挺の皆だけだ)
(私達が配置に着くまでもう少しサンドバッグになってて貰いましょう)
その認識は周囲の者達も同じのようだった
今まで散々冷遇し罵倒されてきたのだ
今更手のひら返して[仲間の為に勝利の為に死ね]だと綺麗事を抜かすのだ
虫がよすぎる
全ユニットの展開が完了し攻撃を開始する
サンドバッグに夢中になっている敵の横っ面から魚雷を浴びせる
最大射程からの雷撃
各個撃破を目標にして駆逐水鬼を優先して攻撃を行う
20にも及ぶ雷跡……これで生きてたらこの世を作った神様のステータス設定ミスだろう
全弾命中示す派手な水飛沫と轟音
本来なら畳み掛けるようにして攻撃を行うべきだったのだろうがどうしても攻撃の効果を知りたかった
どれだけ相手にダメージを与えられたか…
圧倒的なステータス差があっても2vs30ならまだ可能性があるかもしれないと期待してしまう
着弾の水飛沫と爆煙の晴れた先に佇んでいたのはほぼ無傷の戦艦水姫だった
着弾直前で駆逐を庇ったのだろう
「……ツッ! 散開! 次弾装填出来次第ありったけ撃ち込め!」
リーダーの号令と共に蜘蛛の子を散らす様に一旦距離をとりランダムで動き回る
(足を止めたらその瞬間死ぬ!)
そう確信出来るほどの威圧感
「お家帰りたい………」
「一姉言葉に出てる!」
戦艦への攻撃は固すぎてほぼ無意味
駆逐は接近しないと避けられる
ゴスロリ少女に至っては魚雷が着弾する前に自壊
詰んでる……どう考えても勝ち目などない
ゴスロリの艦載機に機銃で応戦する猫耳ズが見えるが
いくら撃っても落ちる気配がない
「浮遊砲台を艦載機なんて呼ぶな!
と言うか何でお前が此所にいるんだよ!」
「アラ……アナタタチガコナイカラ……
ワザワザムカエニキタノヨ?」
救いなのはまだ大した反撃をしてこない事だ
強者の余裕か楽しんでいるのか……
悔しいがそのおかげで私達はまだ生きている
……それも飽きるまでの時間の問題でしかないのだが
「一姉!駆逐艦だけでももっていくよ!」
「了解」
リーダーに援護を任せ駆逐に妹と二人で接近する
駆逐からの牽制がてらの5連装魚雷
(私もこんな気軽に撃ってみたいわね…)
避けるのは容易いが何がひっかかる……
こんな無駄弾にしかならない使い方をこの敵はするのだろうかと
「……! VT信管! 退避!」
磁気に反応する近接信管が搭載された魚雷が存在する事を前世の記憶で知っている
私や妹みたいに木製で作られた艤装ならいいが魚雷挺の中には金属で作られた艤装を持つものいる
いつもの様にギリギリで回避しようとすると信管が艤装に反応して目標付近で炸裂し破片をばら蒔きダメージを与える兵器だ
私の声に反応した仲間が次々回避行動をとる
「ヘエーキヅイタンダーデモ……ヨソミハカンシンシナイ」
いつの間にか接近されていた
腹部に衝撃がはしりそのまま体ごと吹き飛ばされる
内臓が傷ついたのか吐血した
辺りは地獄だった
浮遊砲台からは砲弾の雨が降り注ぎ
戦艦からは榴散弾でまとめて吹き飛ばされていた
「撤退する」
リーダーが静かに呟く
魚雷は尽きて有効打を与える方法もない
時間もそれなりに稼げた筈だと
「ドイツ艦のS208とS212は航続距離が他のものより長い
483連れてこの混乱に乗じて離脱せよ
鎮守府には戻らず安全な場所に行け!」
(リーダーの言葉通り戻っても居場所はない)
「私が撤退の時間を稼ぐから行って!」
(これぐらいしか私には出来ないから)
私の殿を反対する妹を殴って黙らせる
気絶した妹をリーダーに任せて見送る
(きっと新月でなかったら逃げ切れなかったでしょうね)
・
・
・
探照灯のスイッチを入れる
先程殴られた衝撃でレンズは割れており反射体も歪み本来の役目を果たしていない
弱々しい点滅をゆっくりと繰り返す
(再び追撃を再開しようとする敵に自らの存在をアピールするには十分かな)
(死が間近にあるのに不思議と落ち着くものね)
「私には貴女達の様な力はないけど…最後までお付き合いさせていただきます」
カーテシーを行う
魚雷挺現在の状況
戦死者12名
逃亡者3名(後に戦死者15と報告予定)
生存者 残り15
離島……移動要塞かな?
艦載機+(浮遊)砲台小鬼 敵側がチートでした!
次回[一姉大暴走]……というか次回からが本編?