キン肉マン~レオパルドン達がオメガケンタウリの六槍客に立ち向かうようです~   作:やきたまご

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運命の歯車が回る!!


歯車漢達の激突!!の巻

『こちらギヤマスターVSバイクマン! どのような展開を見せるでしょうか!!』

 

 ギヤマスターとバイクマンがリング中央でにらみ合う。

 

「ギシュギシュ、一つ聞きたい事がある」

 

「なんだ?」

 

「ここまでのお前達の様子から察するところ、かつての五王子達が俺達の侵略を阻止しようという魂胆があるように思える。当たりじゃないか?」

 

「ああ、そうだ」

 

 その会話を聞いてハラボテやウルフマンが驚く。

 

「なにっ!? まさかフェニックス達がこの闘いにっ!?」

 

 ギヤマスターが納得した顔を見せた。

 

「なるほど、先程のレオパルドンはビッグボディに対する忠誠心があった事は分かる。だからこそ命を賭して闘ったのだろう。しかし、お前はゼブラに対して金で買われた男だ。そんなやつが、ゼブラのために闘うとは思えない。どうせまた金で雇われたんだろう?」

 

「お前は無償で闘うのが素晴らしいと考えているのか? 地球では大戦の度にキン肉マンのために命をかけた奴らがいる。俺はその考えには賛同できない」

 

 その発言にウルフマンが怒った。

 

「バイクマンてめえ! 俺達正義超人の絆を愚弄する気か!!」

 

「そういうわけではない。そのようなボランティア精神も素晴らしい。だがな、仕事に対ししっかりとした報酬を与える。これも大事なことだ。現にこれをやっていたのは五王子の中でゼブラだけだ」

 

「ギシュギシュ、いかにも機械野郎の考えそうな合理的な考え方だな。しかしな、俺達が闘う理由はそんなものよりもはるかに大きいものだぜ!!」

 

ぎゅるるるる

 

『ギヤマスター! 歯車を回転させバイクマンに突進だ!!』

 

「おっと」

 

『バイクマン! 素早くかわした! そしてどこからともなく現れたタイヤで人型からバイク型へと変身! これはかつて王位争奪戦でラーメンマンを苦しめた形態でもあります!!』

 

ぶぉぉぉん

 

『バイクマン! エンジンのうなりをあげる!』

 

 バイクマンは猛スピードでギヤマスターに突進した。

どがぁ

 

「ギシャッ!」

 

 バイクマンのボディに傷がついた。

 

「そうらまだまだこれからだ!」

 

『バイクマン! 高速ながらも小回りをきかせてまたもギヤマスターに体当たり!』

 

どがん

 

「ギシュ――ッ!!」

 

がごん ばごっ どがっ

 

『バイクマンの猛烈な体当たりにギヤマスター防御が精一杯の状態だ!! このままバイクマンの圧勝か――――――っ!!』

 

「今だ!」

 

ガシィン

 

『ギヤマスター! ついにバイクマンの突進を受け止めた!!』

 

「ギシュギシュ、ようやく目が慣れてきたぜ! このままフィニッシュだ!!」

 

ギュワアアアア

 

『ギヤマスター! 歯車を勢いよく回転させる! バイクマンのタイヤのゴムがどんどんけずれていく!!』

 

ばあん!

 

『あ――――っ!! バイクマンのタイヤがパンクした!! これではバイクマンもう走れない!!』

 

「ぐっ!」

 

 バイクマンは慌てて人型に形状を戻した。

 

「よくも好き勝手やってくれたな! お返しをしてやる! ジェノサイドギヤ!!」

 

『ギヤマスター! 今度はバイクマンそのものを粉砕しにいくつもりだ――――っ!! レオパルドンに続き二連敗となってしまうか――――っ!!』

 

「そうはいくか! チェンジ・ギヤ・ロー!!」

 

ガシィン クキィン

 

 バイクマンの体内から金属音が聞こえた。

 

「ふん無駄な事を!!」

 

「無駄な事かどうか、教えてやるぜ!!」

 

ぐわぁ

 

 バイクマンは力尽くで強引に歯車から体を引き離した。ギヤマスターはバイクマンの腕力の強さに驚いた。

 

『バイクマン! 力尽くでギヤマスターから脱出した!!』

 

「ギシュ!? なんだこのパワーは!?」

 

「俺の体内にはバイクのスピードを変えるトランスミッションが内臓されている。内部の歯車のかみ合わせを変えて、ギヤ比を低くすることによって、スピードが落ちる分! パワーが得られるのだ!」

 

がしぃ

 

 バイクマンはギヤマスターの足をとってジャイアントスイングの体勢に入った。

 

ぶぉぉん ぶぉぉん

 

『バイクマン! なんと自分よりもはるかに大きいギヤマスター相手にジャイアントスイングだ――――っ!』

 

「どぉりゃああ!!」

 

ぐおん

 

 バイクマンはギヤマスターをジャイアントスイングでコーナーポストに投げつけた。

 

ががぁん

 

「ギ、ギシュ……」

 

『ギヤマスターダウン! バイクマン! このままレオパルドンの仇をとれるか――――っ!!』

 

「ギシュ……こんな金だけのために闘っている奴に負けたらオメガケンタウリの名が泣くぜ!!」

 

『ギヤマスター! 負けじと立ち上がってきた――――っ!!』

 

「金のためか……確かに当初、俺はゼブラに金で買われた関係であった。しかし、あいつは寂しい目をしていたのだ……何か大事なものを失い、それを補うために、金で絆を買おうとしていたところがあった」

 

 ギヤマスターはおとなしく黙ってバイクマンの話を聞いていた。

 

「後々、奴が愛馬のキッドを殺した事を知って合点がいった。俺はゼブラにとってのキッドにはなれないが、キッド以上の存在になれないかと、あいつのそばにいてやろう、そう思ったのだ……」

 

「ギシュギシュ、機械野郎にしてはずいぶんセンチメンタルな感情を持った奴だな。まあいい、貴様はゼブラに対して何も出来ない事を、今知るだろうがな!!」

 

『ギヤマスター! ジェノサイドギヤで再度襲ってきた――――っ!!』

 

がしぃ

 

『バイクマン! 巨漢のギヤマスターに対し、真っ向から組み合います! むしろパワー負けしているのはギヤマスターの方か!!』

 

「かかったなバイクマン! まさか俺の隠し技を使うことになるとは思わなかったぜ!! パラサイトギヤ!!」

 

「ぐぅぅ!!」

 

『バイクマン! 突然苦しみ始めた!』

 

くっきん くっきん くっきん

 

『あ――――っ!! バイクマンの身体に歯車が現れ始めた――――っ!!』

 

ごぎん ぐぎん

 

 バイクマンの体から不快になる金属音が聞こえてきた。

 

「ギシュギシュ、俺は無機物でできた超人に歯車を寄生させることができる。バイクマン、お前のトランスミッションにあたる部分は歯車で緻密に構成されているだろう。そこに無秩序に歯車が入り込んだらどうなるか分かるだろ?」

 

ばきん ぶちん

 

 バイクマンの体から煙があがり、あちこちにヒビが入った。

 

「もうこれでお前はおしまいだ――――っ!!」

 

ギュワアアアア

 

『ギヤマスター! バイクマンを自身の歯車に巻き込んでいく!!』

 

ガリリリリ

 

「ウギャァアアアア」

 

 バイクマンの悲痛なる悲鳴が響いた。

 

がしゃん

 

 やがて、あちこちを破壊されたバイクマンがギヤマスターの胴体から飛び出してきた。

 

ぼわぁ

 

 バイクマンの体が金色に光った。

 

「死ぬ前にせめて……あの男ともう一度……闘いたかった……」

 

 バイクマンは、かつて自身が闘ったラーメンマンの事を思い出していた。

 やがてバイクマンの身体から金色の光が消えた。

 

カン カン カン カン

 

『バイクマン! ギヤマスター相手に勝利なるかと思いましたが、まさかの逆転を許してしまいました! これでオメガケンタウリの六槍客二連勝! ホークマン、マンモスマン、ウルフマン、連敗の流れを止めることが出来るか――――っ!!』

 

 

 

「キャミキャミ、ギヤマスターの奴、随分苦戦したがその割に成果はあげられんかったようだな」

 

 マリキータマンとホークマンは自身の羽を生かして空中戦を繰り広げていた。

 

「生涯この私に黒星をつけた男はキン肉マンただ一人、あの男にリベンジするまでは、ここで負けるわけにはいかぬ!!」




熱き空中戦がはじまるっ!!

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